10月28日(日)J2 第48節 草津 vs 東京V(16:00KICK OFF/松本)
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現時点において、東京Vは間違いなくJ2最強チームだ。第4クールに入り、破竹の8連勝で2位へと浮上。J1復帰へ向けて、ばく進する東京Vに対して草津がどう立ち向かうのか。今ゲームの焦点は、その一点に絞られている。草津はセカンドホームである長野県松本平広域公園総合球技場(アルウィン)で、東京Vからの「金星」を狙う。
草津が最優先で行うべきことはフッキ対策だ。これは草津に限ったことではないが、今季、痛い目に会い続けている草津は特にケアが必要だ。今季の対戦は、草津の1分2敗。第2クールのホーム戦こそスコアレスドローへと持ち込んだが、アウェイ2試合ではフッキ一人に計5ゴールを奪われて完敗を喫した。「シーズンを追うごとに迫力が増してきている」(松下)。
草津は第3クールの対戦でフッキにハットトリックを許したが、フッキは以後10試合で13ゴールと、驚異的なペースで得点を量産。草津戦でのゴールラッシュが爆発の導火線となっただけに、草津は自分たちの力で炎を消す必要がある。「フッキの力はもうJ2レベルじゃない。全員が集中して耐えるしかない」とGK本田。パワーとテクニックを兼ね備えたフッキをチームとしていかに止めるか。簡単なことではないが、それができない限り勝利はない。
今季、4−4−2の布陣でポゼッションを重視してきた草津だが、前節福岡戦では違った戦い方を選択。鳥居塚をリベロに配置する3−5−2のシステムで、カウンターサッカーを披露した。これは昨季、構築した戦術だが、このシステムに戻したことには理由がある。草津は、勝点のみを奪いに行ったのだ。「リーグを盛り上げるためにも、どうしても勝ちたかった。ヴェルディ戦も変則布陣で戦う」と植木監督。良い意味で開き直った草津は今節も、東京V相手に勝点重視のサッカーを展開する。
福岡戦では敗れたとはいえ、3バックのシステムは新鮮だった。草津のサッカーの特長とも言えるロングランが随所に見られたからだ。「チーム全体でシンプルなサッカーができていた」(櫻田)。草津の先制点もそのロングランから生まれた。松下が中盤の底で奪ったボールを前線のカレカへ。カレカが左サイドで折り返したボールに合わせたのは、50メートル近い距離を駆け上がった松下だった。「カレカの周囲にスペースがあったので、パスを出した瞬間に思い切って上がった」(松下)。松下のゴールは、今季のベストゴールの一つになった。
また、両サイドの佐田、寺田も、システムの束縛から解放されたようにアップダウンを繰り返した。「攻撃のときのポジションがいつもより、10メートルくらい高かったのでプレーしやすかった」(佐田)。草津の今後の課題は、ポゼッションとカウンターの臨機応変な使い分けとなる。それができれば、草津はもう一つ先のステップへと進むことができるだろう。
「今のヴェルディを倒すのは本当に難しい。まずは最初の20分間に失点しないことが重要だ」と植木監督。東京Vはここ数試合、開始直後に先制点を奪い、主導権を一気に手繰り寄せているゲームが多い。草津にとっては、序盤が第一の関門となる。そして時間の経過とともに繰り出される東京Vの変幻自在な攻撃を耐えしのぐ必要がある。「一つのミスも犯さずに、少ないチャンスを決めるしかない」と高田。その先にだけ、草津の「金星」がある。
以上
2007.10.27 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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