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【J2:第48節 鳥栖 vs 京都】プレビュー:昇格は無くなるとも勝点3を貪欲に狙う鳥栖。昇格争いの主役を演じる京都を迎え撃つ。先取点をめぐる攻防が、涼秋の佐賀を熱くする。(07.10.28)

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10月28日(日)J2 第48節 鳥栖 vs 京都(13:00KICK OFF/佐賀)
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「今年の目標の一つが消えても、戦い方は変わらない」と岸野監督は熱く語る。「今の鳥栖には、勝点を上積みする必要がある。それは、今年だけでなく、来年や再来年につなげるためにも」と続けた。前節の東京V戦に2−3と破れた鳥栖は、今季の4位以下が確定した。それでも、練習場での活気と試合に臨むモチベーションはいつもと変わらない。それが、鳥栖の良さであり、鳥栖の特徴でもある。そして、その姿勢は、リーグ終了まで変わることは無い。常日頃から岸野監督が言っている「どこと当たろうが、うちの目指すサッカーは変わらない」を最後まで実践するということだ。今節も「無失点でしのぎ、奪ったボールをつないで最少得点で勝つ」サッカーを目指す。

しかし、目標と現実は大きくかけ離れている。第4クールに入って、無失点は1試合(第46節水戸戦)のみ。7試合を消化して、1勝2分け4敗と精彩を欠く。第4クール突入時に同じ勝点をあげていた昨季とは、雲泥の差である。しかし、標榜するサッカーは同じ。ならば、我々サポーターも気持ちを同じくして戦いたい。

今節は、リーグ2位の得点をあげている京都を迎える。京都は昇格争いの真っ只中。伯仲した上位争いの中、文字通りの負けられない一戦である。しかし、受ける鳥栖は守備に不安を抱える。ベテラン吉田は累積警告で出場停止。柴小屋は「左膝内側側副靱帯断裂」で2ヶ月の療養が必要。飯尾は左肩の脱臼で、完調とは言いがたい。DF陣は、文字通りの総力戦となった。その中で、前節、随一の得点力を誇る東京V相手に身体を張り続けた加藤に負担が重くのしかかる。「どんな試合でも役目は同じ」と平静を装う加藤だが、その目は京都の核弾頭パウリーニョを睨んでいる。負傷を押して飯尾もリーダーぶりを発揮する。「DFと1対1にならないように、中盤と連携を取る」(飯尾/鳥栖)必要性があることは、最終DF陣の共通した認識である。中盤には、老若の指令塔がその存在を示す。百戦錬磨の尹晶煥と若きチームリーダー高橋が、前後左右の選手たちをコントロールする。前線にはエースストライカーとしての風貌も出てきた藤田が鎮座する。相棒を務めるのは金信泳か。前節、金信泳は「ボールが入る機会も多かったが、ミスも多かった」と尹晶煥から指摘されている。一層の奮起を期待したい。

対する京都は、電撃的な監督交代劇で、今季にかけるチーム状態を内外に示した。加藤監督に替わっての戦い方には、攻撃的な強い姿勢が見せる。しかし、守備面でもろさも露呈したのも事実。前節は、愛媛相手に先制を許してしまい、窮地からの逆転劇を見せた。後半開始からピッチにたった田原の豪快なオーバーヘッドキックで逆転すると、後半30分には勝負を決定付けるゴールも決めた。しかし、京都の攻撃的なサッカーは、FWだけが絡んだ得点だけではない、倉貫のラストパスや斉藤の展開力、サイドDFの果敢な攻撃参加があってからこその強力な攻撃力である。今までの、前線に依存し先制するとやや積極性に欠けていた姿は、今の京都には見受けられない。

この試合の結果を予想するためには、「先制点をどちらがあげるか」を考えてみると良い。鳥栖は、先制される試合が多い。標榜するサッカーと違う展開が多いことは前述した。しかし、前節東京V戦では最後まであきらめない姿勢を見せて3点のビハインドの中から2点を返す粘りを見せた。ボールも人も良く動くサッカーを見せてくれた。立ち上がりの失点さえなければ、違った展開になっていただろう。京都は、サイドからのボールに対して対応が遅れて先制された前節の反省点を生かして、キックオフ直後から攻撃的に来るだろう。元々、先制したときの守備力には定評がある戦い方が出来ていた。両チームとも狙いは「先取点」である。鳥栖は、試合を少しでも優位に試合を進めるために。京都は、より確実に試合を進めるために。互いの試合に臨む目標は違えど、勝点3を得るための「先制点」を求める気持ちは同じである。先制点をめぐる攻防に注目されたい。

この試合にかかる重圧は、京都の方が高いと思われる。その重圧の中で、アウェイで勝点3を得ることは、この時期においての意味は非常に大きいものがある。京都の残り5試合を占う意味でも注目されるカードである。鳥栖は、意地を見せて欲しい。京都が、独走で昇格した2005年度のリーグ戦では、唯一勝ち越したチームであった。今季も対戦成績は、1勝1分け1敗の五分である。両者のうち、意地が勝っている方が先制点を生んでくれそうな気がしてならない。

得点を構成する要素には、技術・体力・戦術など色々とある。日頃からの節制と練習の賜物であることは間違いない。しかし、ゴールに対する「執念」も大きな要素となる。これは選手の置かれている立場や記録などの環境的な側面も必要である。ボールに触れる瞬間に、その「執念」が見えるシュートを見たい。佳境を迎えた時期だからこそ、もう一度確認しておきたい。「サッカーの華はゴールである。試合は勝つために行い、シュートを打つためにプレーする」ことを。サッカーは、「勝ちを目指すからこそ面白い」

以上

2007.10.27 Reported by サカクラゲン
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