10月28日(日)J2 第48節 山形 vs 湘南(13:00KICK OFF/NDスタ)
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今シーズンは山形に対して未勝利とは言え、湘南は前回対戦のドローで苦手意識をかなり払拭できたに違いない。約2か月前の勝ち点1が生きるのか、あるいは無に帰すのか。湘南はいま、正念場を迎えている。
前節で水戸を2−1と下した6位・湘南だが、よろこぶいとまはなかった。「上位vs下位」が6試合組まれた前節は、試合がなかった仙台以外、すべて上位クラブが勝利。湘南も勝ち点3を積んだものの、5試合を残して3位・京都との勝ち点差は10のまま。引き分けさえ許されない厳しい戦いを続けてきたが、今節の結果次第では今季J1昇格への望みが完全に断たれる、という状況に初めて直面することとなった。
5試合連続先制点を献上中と、めざすゲーム運びが必ずしもできてるわけではない。しかし、第41節・札幌戦以降の6試合のうち、完封負けに終わった第45節・東京V戦を除くすべての試合で、後半に2得点を挙げている。そうした追い上げ、逆転劇を重ねて着実に勝ち点を拾い、ここまで昇格レースに食らいついてきた。前節・水戸戦でも、前半は苦しい時間が多く0−1でリードされて折り返したが、後半はCKからジャーンのヘッド、その4分後には加藤望のFKと、セットプレー2発で逆転に成功している。
最後までチームの一体感を失わない戦いぶりは、ビルドアップの際にも見られる。たとえボランチの位置でプレッシャーを受けバックラインに戻すことがあっても、ボールの動き自体がスローダウンすることはない。後ろで絶えずボールを動かす一方で、中盤とFWの選手はスペースへの出入りを連続し、攻撃開始の合図となる縦パスのタイミングを常に計っている。起点のパスが入る直前から、今度は3人目の動きが連鎖。選手が近距離で絡んでつなぎ、アジエル、加藤が中央でプレーすればサイドバックもすかさず上がってくる。最近6試合で挙げた12得点中9人が得点者に名を連ねていることも、そうした一体感の成果だろう。追いつめられた状況だが、そうしたプレッシャーに押しつぶされることなくこれまでどおりのプレーを貫ければ、希望をつなぐ1勝を手中にできるだろう。
ホーム山形は、ここへ来て3連敗。6試合勝利から遠ざかっているが、仙台とのダービーを1−1で分けた以外の5試合はすべて複数失点、一方で6試合の得点合計はわずかに3点。プラスを保ってきた得失点差も一気に−9まで落ち込み、順位も昨シーズンの8位を上回れないことが確定。残された4試合を全勝することで、昨シーズンの勝ち点65を上回る可能性が辛うじて残されている状況だ。昨シーズンは昇格可能性がなくなったあともチームの一体感が維持され、最終戦にかけて4連勝して「守備でゲームをつくる」今シーズンの基盤をつくった。しかし、今季は昇格可能性が消えたあとの2試合で5失点と、崩れるゲームが続く。前々節の東京V戦では失点する前半44分までフッキ、ディエゴを抑え、前節のC大阪戦では立ち上がりからアグレッシブに連動する守備が甦ったかに見えたが、90分を終えた結果はともに「完敗」。昇格を争うチームとの差ばかりを痛感することとなった。
戦うモチベーションを保つのも難しい状況であることは事実。しかし、残された試合で勝利することに意味がないかと言えば、それはきっぱり「ノー」だ。閉塞感を打破するために最良の薬は得点だが、豊田陽平がC大阪戦を振り返る。「相手は縦を意識してるが、うちはまず縦より取られないことしか考えてないし、その部分でたぶん怖さもない。そんなに起点になってなかったわけでもないし、せっかく僕が入ってるのでもう少しクロスを上げてほしかった」。そのクロスの最大の供給源である右SH佐々木も積極的に仕掛け、クロスを上げる機会が少なかったわけではないが、「クロスの精度の問題。いいボールを上げればトヨ(豊田)が合わせてくれると思う」。その佐々木の仕掛けをサイドチェンジでお膳立てをしてきた左SB石川も、この試合ではプレッシャーを受け、糸を引くように佐々木に届くボールは少なかった。個々のピースに長所はある。が、それをどう組み合わせ、活かしていくのか。もがいた成果を湘南戦にぶつけたい。
その山形が今節、もうひとつ抱える悩みがメンバー構成の問題だ。湘南から2戦連続で得点を挙げているFW横山に加え、MF財前、DFレオナルド、DF須田の3人も出場停止。チームコンセプトは浸透しているとは言え、特に前節から大幅なメンバー変更を余儀なくされるDFラインの不安は残される。連動してスペースを突く湘南の攻撃陣を抑えるには、個々の微妙な感覚の差を埋め切れるかどうかもポイントとなる。
現在、財前も含めると6人が「リーチ状態」であることを考えると、最終戦までメンバー構成で厳しい状況は続きそうだ。ただ、それが勝たなくていい理由にはなり得ない。モンテディオ山形が本気で勝利を欲しているチームなのか。それを証明する一挙一動を、サポーターの心に強烈に刻み込みたい。それができなければ、プロとしては敗北。たとえ勝ち点3を得たとしても、だ。
以上
2007.10.27 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第48節 山形 vs 湘南】プレビュー:チームの一体感を保ち、勝って昇格戦線に踏みとどまりたい湘南。山形は得点力の再生で7試合ぶりの勝ち点3をめざす!(07.10.28)
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