10月28日（日）J2 第48節 徳島 vs Ｃ大阪（16:00KICK OFF/鳴門大塚）
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　徳島にとって、今節のC大阪との一戦は、決して単なるホームゲームではない。徳島が2005年からJリーグ戦に参入して以来、ホームゲーム来場者25万人達成が見込まれる、記念すべき試合なのだ。

　ここまで24万7,887人を集めた徳島のホームゲーム通算成績は、3シーズン68試合で16勝21分31敗。ただし、今季は3勝6分13敗（総合で6勝14分24敗）とホームで苦戦中。最下位となった昨季でもホームでは6勝（総合で8勝）しているだけに、これは寂しい数字であることには変わりはない。なんとかこのC大阪戦、そして第51節草津戦で勝利をもぎ取り、熱心に応援に駆けつけてくれるサポーターを少しでも喜ばせたいところだ。

　しかし、今回その対戦相手として迎えるC大阪とは、過去1分2敗と分が悪い。特に第21節のホームゲームでは0-4、第27節のアウェイ戦では1-3と惨敗しており、かつ、現在5位でJ1昇格争いの真っ只中にいるC大阪のモチベーションが高いことから、今回も徳島の劣勢というのが、大方の見方だろう。

　加えて、今季2度目の連敗トンネルに入り込んでしまっている徳島は、前節、首位札幌に健闘するも0-1と敗れて、現在5連敗中。しかも、その間、ゴールもない。「自分たちが主導権を握るサッカーをしようと考えていたし、流れとしてはそういう試合ができていたと思う」と札幌戦後に熊林親吾がコメントしたように、ここ数試合、内容が劣っていたわけでない徳島。そのため、あとは先制点を許さない守備の忍耐力と、攻撃陣の奮起こそが、第40節湘南戦（2-0）以来約1カ月半遠ざかっている勝利を得るポイントとなる。

　そんな徳島だが、今節は明るい材料もある。DF青葉幸洋が、累積警告による2試合の出場停止から復帰する。44試合中、出場停止の3試合を除く41試合で先発出場を果たしている青葉は、チームにとって欠かせない選手のひとり。アウェイでも攻撃的に来ることが予想されるC大阪に対して、まずはしっかりとしたディフェンスが求められるなか、青葉に求められる役割も大きい。

　また、攻撃では、前C大阪のアンドレと、塩川岳人のいる右サイドからの展開がキーとなる。C大阪のゼ カルロス、香川真司とのサイド主導権争いも注目のひとつで、C大阪は左サイド裏のスペースがウィークポイントでもあるため、ここをアンドレ、塩川がうまくついて、「多少無理してでもいいから思い切ってバイタルエリアに蹴り込んで」（熊林）いく機会が増えれば、自然と前線の選手にもゴールチャンスが生まれるだろう。

　一方、勝点72のC大阪は、2位東京V（同83）と勝点差が11あり、J1自動昇格の条件となる2位入りはかなり厳しい状況。J1・J2入れ替え戦に出場できる3位も、いまは京都（同78）と6ポイント離れているため、そのポジションに滑り込むにはあと5試合で実質1敗もできない、いや、全勝が最低のノルマとなっている。

　そのなかで迎える今節は、得意とする徳島相手に、確実に勝点3を奪っておきたいC大阪。上位争いに加わるチームのなかで、得失点差が一番少ない（＋12）こともあり、とにかく大量得点での勝利もねらいたいところ。17ゴールを決めて現在J2得点ランキング5位（日本人では2位）、チームのトップスコアラーでもある主将・古橋達弥が、徳島との3戦でいずれもゴールを決めるなど、4得点をマークしている相性のよさを、この一戦でも活かしたい。C大阪としては、早い時間帯で先制点を奪って、徳島のモチベーションを下げさせることがねらいとなる。バスツアーで大勢のサポーターが駆けつけることもあり、格下相手に無様な試合だけはできない。

　ちなみに、徳島ホームゲーム25万人目の来場者には素敵なプレゼントも用意されているとのこと。また、この試合関連イベントでも、「徳島ヴォルティス スポーツ健康教室」（第5回目　わくわくウォーキング）や、「チア体験クリニック」、ファンクラブ個人会員限定「ミニサッカーイベント」など、試合とともに楽しめる要素は満載。しかし、なによりもホームチームとして徳島に望まれるのは、ゴールと勝利。それがメモリアルな試合に残すべき結果である。

以上

2007.10.27 Reported by 前田敏勝