10月28日(日)J1 第30節 F東京 vs 川崎F(14:00KICK OFF/味スタ)
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多摩川を挟んで対峙する両チームの対戦は、JFL時代から幾多のドラマを生み出してきた。今シーズンからは、このリバーサイドマッチを「多摩川クラシコ」と銘打って、両クラブが共同プロモーションを展開している。
Jリーグは今季開幕前、プレスカンファレンスにおいて「イレブンミリオン」を宣言した。2010年までに年間総動員数を1100万人にしようという試みの中で、両クラブは独自にこの「多摩川クラシコ」を打ち出した。
この勝負、前哨戦からすでに盛り上がりを見せている。互いの下部組織が対戦したJユースサハラカップを「多摩川“子”ラシコ」として約1600人の来場者を集めれば、JR南武線をジャックし両チームの選手の顔が車両を埋めつくした。
互いにチームスタイルを誇示する魅力的なチームだ。自分たちのストロングポイントを前面に押し出す両チームの対戦は常に一進一退。多摩川クラシコとしてカウントされるJ2元年の99年から11戦で3勝3敗5分と互いに譲らず。今節が決着戦となる。
F東京は、上昇気流に乗っている。だが、前節名古屋戦で負傷退場した福西崇史が、左膝後十字靭帯損傷で全治8週間と診断された。梶山陽平、馬場憂太に続き、攻撃のリズムと中盤でタメを作る希少な存在の離脱はチームにとって大きな痛手となった。
「アクセントをつけられるのは、ルーカスぐらいかな。ただ、浅利や伊野波が入ってコンちゃん(今野)が飛び出していけるのが今の強み」(原監督)というコメントの通り、素早い攻守の切り替えから、ショートカウンターを狙うチームスタイルを前面に押し出すことになるだろう。それだけに、単調な攻撃は避けたいところだ。今野は「誰かが長い距離を走らないと、一度セットした守備を崩すことは容易じゃない」と話してきた。福西との関係もあり、チームのバランスを考えて攻撃を自重することも多かった。だが、ここ数試合は本来の無尽蔵のスタミナを生かし、攻守両面で顔を出してチームを牽引している。この状況が、より今野を際立たせることになるかもしれない。
川崎Fは、関塚監督がナビスコカップを睨んでどのような戦術を採用するのかが興味深いところ。「ここ数試合は、右の中盤がいない変則的なやり方できている。久木野が左に張って、中村が少し深い位置からゲームを作ってくる。ただ、久木野の後ろや、森の前にはスペースがあるし、そこを上手くつきたい。うちのやり方をみてどうしてくるか」と原監督。鉄板型の3バックなのか、ここ数試合試行する4バックでくるのかがゲーム展開に少なからず影響しそうだ。4バックを採用した場合は、中盤の左サイドに久木野が入る。FWからコンバートされ、裏への飛び出しで攻撃にアクセントをつける。彼の出来が、ゲームのポイントになるはずだ。
クラシコという名前に負けない一戦に、期待は高まる。前回の対戦(リーグ第10節)では2−5で川崎Fが大勝した。「5点ぶち込まれた借りがあるので、ホームでお返ししたい。今は上を一つずつ叩いて上がっていくだけだ」という原監督の言葉通り、F東京が勝てば順位は入れ替わる。川崎Fが死守するか、F東京がステップアップするのか。大一番は明日14時、味の素スタジアムで始まる。誰もが、血液が沸騰するほど熱い試合を待ち望んでいる。
以上
2007.10.27 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
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