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【J1:第30節 横浜FC vs 大宮】レポート:強い風雨のなか、ロングボールの応酬になった一戦。セカンドボールへの対応に勝る大宮が勝利(07.10.27)

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10月27日(土) 2007 J1リーグ戦 第30節
横浜FC 0 - 1 大宮 (14:03/三ツ沢/4,114人)
得点者:39' 小林大悟(大宮)

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台風20号の影響による強い風雨がこの試合の内容を決めてしまった。うまいスルーパスが水たまりで止まってしまったかと思えば、何でもないボールのバウンドが伸びてDFの頭を越え決定的な形を迎え、バックラインでのパス回しはボールの勢いが殺がれる危険性がある。こんな状況では、いろいろな意味でロングボールを多用するしかない。試合後の会見で、大宮・佐久間監督が「天候がすべて」と語ったように、細かい戦術を語るのはナンセンスというものだ。

前半は、積極的に前からプレスをしかける横浜FCが、風上ということもあって優勢に試合を進める。大宮は、「ロングボールを入れるしかないという意図はチーム全体にあったが、風下でクリアボールがハーフウエイラインを越えなかったり、つなげる場面があると短いパスを選んでしまったりと、やや中途半端」(藤本)だったためか、我慢の展開に。しかし、度々ベンチを飛び出し、ロングボールを用いてそのセカンドボールをねらうように指示していた佐久間監督の采配の効果があったか、先制点は大宮にもたらされる。
39分、右サイドからの村山の何でもないクロスに対する処理を、横浜FCのDFが誤り後逸、ボールは完全フリーの小林大悟へ。ゴールエリア内の左、やや角度のない位置だったが、これを小林大悟がフワリと浮かせるシュートで流し込んだ。

後半は、ハーフタイムに改めてチームとしてやることを確認し、風上に立った大宮がボール・ゲームともに支配する。横浜FCは、前半以上に風が強まり、後ろからのフィードが大きく戻されたこともあり、見せ場なくそのまま試合終了。勝利した大宮は、広島が引き分けたことで、勝点で並びながら得失点差で15位に浮上し、降格圏をひとまず脱出した。

大宮の勝因は、ロングボールを使うことに加え、そのセカンドボールをねらうための具体的な指示が徹底されていたことにあるとみる。両チームの選手・監督ともに、この日のような悪いピッチコンディションの下ではロングボールに頼らざるを得ないことは認識していた。ただ、「村山からトップに当てたボールに対し、中盤の小林大悟にはトップの視野に入って、包み込むようにセカンドボールを拾っていってほしかった。それを具体的に指示した」(佐久間監督)というように、ロングボールプラスαの部分に意識をもっていた大宮が、そのぶん横浜FCを凌駕したのではないか。

大宮・佐久間監督の話を聞くに、対戦相手の分析をしっかり行い、綿密な対策を用意して戦うタイプの監督のようである。このスカウティング能力に、持ち味である守備力を加えれば、残り4試合も勝点を積み上げていける可能性は高そうだ。監督交代の決断は正解だったと言えるのではないだろうか。

対する横浜FCの選手たちは、敵将をして「前節で17位以下が確定したにもかかわらず、Jリーグの一員として最後の最後まで素晴らしいファイトをしたことに、改めて敬意を表したい」と言わしめるほどに気持ちのこもったプレーを披露した。そんな気丈な彼らに、少しでも早く将来の方向性を示してあげられないものかと思うのは、私だけではないはずだ。

以上
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