11月25日(日) 2007 J2リーグ戦 第51節
湘南 1 - 2 福岡 (13:03/平塚/7,616人)
得点者:10' 田中佑昌(福岡)、44' 石原直樹(湘南)、86' アレックス(福岡)
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雲ひとつない平塚の空を高らかに貫いた13時の笛は、激しい攻防の幕開けを告げる合図だった。湘南のキックオフで始まったこの試合、ホームチームは早々に尾亦弘友希からエドワルド マルケス、石原直樹を経て、右サイドの鈴木将太へワイドに展開し、ホーム最終戦に懸ける意気をプレーに込める。対する福岡も負けていない。中盤の奪い合いに真っ向から挑み、徐々にラインを押し上げていく。ただ福岡が押し気味に来ても、湘南の各選手は互いをしっかりとサポートしあい、ユニットで危険な芽を摘んでいた。
両軍の集中力が目に見えてぶつかりあうなか、スコアが動くのは思わぬかたちからだった。10分、福岡が相手陣内でスローインを獲得、素早いリスタートを切る。ボールを受けた宮崎光平は一瞬後手に回った敵を尻目に、DFライン越える柔らかいスルーパスを入れた。これに反応し、裏へ躍り出たのは田中佑昌だ。獲物を狙う黒豹のごとく右から斜めに走りこみ、おなじく反応していたGK金永基をもトラップでかわし、狭い角度で左足を振りぬいた。
他会場の速報に目を遣ると、西京極のスコアはまだ動いていなかった。勝たなければ3位の可能性が潰えてしまう湘南は、斉藤俊秀とジャーンを中心に福岡の攻勢を凌ぎ、また坂本紘司と田村雄三の両ボランチが中盤を制してふたたび流れを手繰り寄せていく。20分には坂本とエドワルドのパス交換から田村がゴール前に走りこみ、相手のファウルを誘った。このとき得たフリーキックはゴールに届かぬも、このあたりから湘南が次第に福岡を押し込んでいく。田村を起点に石原、あるいはエドワルドに収め、サイドに展開すれば鈴木が幾度もドリブルを仕掛けてチャンスを演出した。かたや左サイドでは内に絞る加藤望に連動し、尾亦が高い位置でラストパスを狙う。空いたスペースのケアもそれぞれが怠らない。41分には尾亦がディフェンスで1対1を制し、中央の石原へと繋ぎ、左に展開したエドワルドから逆サイドの鈴木、最後はライン際を駆け上がった山口貴弘がペナルティエリアを陥れシュートを撃った。
こうした湘南の攻撃に晒されながら、福岡はしぶとく凌いでいた。湘南も流れるようなパスワークが見える反面、最後が合わずフィニッシュまで持ち込めていない。
そんななか、「1点リードの状態でハーフタイムに入れると思っていたが……」とリトバルスキー監督が試合後に吐露した得点シーンはロスタイムに訪れた。ボールをキープする福岡の最終ラインに石原が猛然とアプローチを仕掛ける。奪ってからも冷静だ。追いすがる敵を振り切り、かわし、ゴール左隅へ突き刺した。戦前、菅野将晃監督は「直樹の復調は大きい」と目を細めていたが、そのストライカーによる、前半ラストプレーとなる貴重な同点ゴールだった。
前半を終え、西京極のスコアは相変わらず0−0のままだった。前半のうちに振り出しに戻した湘南は後半、流れをそのまま持ち込み、立ち上がりから攻め込んでいく。エドワルドと尾亦が立て続けにペナルティエリアを脅かせば、鈴木はドリブルでなかへ切れ込み、ペナルティエリアで相手のファウルを誘った。ここでエドワルドのPKは完全にGKの裏を突いたが、しかし惜しくもポストに嫌われてしまう。福岡も逆に盛り返し、両者の攻防はふたたび激しさを増していった。
後半開始から左サイドバックに山形辰徳を投入していた福岡はさらに69分、宮崎に代えて山形恭平を入れた。一方、湘南は攻撃陣が奮起するもなかなかゴールを割ることができず、77分に永里源気を投入、さらなる活性を促す。永里と鈴木の両ドリブラーは果敢に仕掛け、敵のファウルを誘った。対する福岡も、久永辰徳のダイレクトボレーやアレックスのフリーキックなどで応戦する。
目まぐるしく推移するゲームの決定機は、またしても思わぬかたちで訪れた。86分、湘南が攻め立てていた直後のことだ。福岡がクリアしたこぼれ球がリンコンに渡る。前線に残っていたアレックスの位置取りは際どくもオフサイドの網をかいくぐり、湘南ゴール前に抜け出した。福岡の稼ぎ頭はこれを冷静に沈め、ついにスコアを動かしたのだった。
残された時間はわずかだ。だがそれでも湘南は変わらぬ猛攻を仕掛けた。鈴木がクロスを入れ、前に張るジャーンがヘッドを叩きつける。ロスタイムに入った外池大亮も起点となるべく体を張った。だが前半からハードワークし続けた戦士たちに、勝利を導くための2点は遠かった。と同時に、西京極のスコアも動いていたのだった。
「J1昇格に向け、質のレベルアップを目指さねばならない」リトバルスキー監督は今節の勝利に喜びつつ、来季を見据えた。順位こそ確定したが、最終節のダービーは是が非とも獲り、来季への足がかりにしたい。今季、鳥栖にホームで敗れているともなればなおさらだろう。
平塚最終戦の今節、試合後のセレモニーで外池大亮が引退を表明した。一言ひとことかみ締め、ときに声を詰まらせながら語る言葉は感謝で溢れていた。菅野監督もマイク越しに、また会見でもスタンドを青と緑に埋めたサポーターに対する感謝を言葉に込めた。そしてともに闘う人たちもまた、スタジアムで、あるいは日々の練習でもチームから何がしかを得ているに違いない。大一番の47試合目は終わった。しかし外池が語った「来年、そして今後ずっと続く将来」を見据え、48試合目も同様に菅野湘南は蹴志を貫く。
以上
2007.11.26 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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