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【2008Jリーグプレシーズンマッチ 徳島 vs 神戸】プレビュー:順調にチーム作りを進めている徳島の仕上がりは!?負傷者続出で苦しい状況にある神戸はどうか!?両者が明確な目的を持って臨む興味深いテストマッチ。(08.02.24)

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2月24日(日)2008Jリーグプレシーズンマッチ 徳島 vs 神戸(14:00KICK OFF/鳴門大塚
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2008春のJリーグ・プレシーズンマッチ予定
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カテゴリーこそ異なれど、開幕を目前に控えた選手たちの胸の内はきっと同じに違いない。気持ちの高揚を感じ始め、高みを目指す野心がふつふつと燃えていることだろう。そしてまた同じであるのは、チーム作りの仕上げ段階に行われるこのプレシーズンマッチでの目的もそうだ。J2徳島、J1神戸、どちらも同様に、オフシーズンで積み上げてきた組織戦術の完成度とまだ調整の必要な課題を確認することが最大のそれとなろう。

まず、この一戦をホームスタジアムで行う徳島からチーム状況を整理しておきたい。
徳島は新シーズンへ挑むにあたって美濃部新監督を招聘。溢れる情熱を持ち、選手掌握術に長けた新指揮官に今季の舵取りを託した。そしてチームは13名(2/21現在)の新戦力も獲得。「昨年までに不足していた部分を補うために来てもらった」と美濃部監督が語った通り、その顔ぶれには今季結果を出してくれるであろう即戦力が並ぶ。特に昨季をリーグ最少得点(31点)で終えてしまった攻撃陣には、確かなポストプレーで起点となれるFW林、決定機を生み出すパスの出せるMF玉乃らが加入。これで昨季欠けていた展開力には間違いなく広がりが出ると思われる。さらに、最近の2/13になって突然サプライズなニューフェイスが。目を見張る速さと身体能力でどん欲にゴールを狙うコートジボアールのストライカー、ドゥンビアが新たに加わったのだ。彼は1人で局面を打開できる徳島に見当たらなかったタイプのFW。アタッキングサードで変化をもたらせる貴重なピースをチームはここにきて手に入れたと言えよう。

また、こうして戦力を整えた徳島は、チーム作りも順調に進めている。美濃部監督が「いろいろ試して適性を見つけていく」と語っていたシステムもどうやら4-5-1(4-1-4-1)の採用が有力。しっかりと中盤を組み立てながら、サイドのDFとMFが長いランニングで前線に絡んで攻撃の厚みと幅を生み出す形だ。もちろんそれには各個人のハードワークが絶対条件となるが、2度のキャンプ(高知、宮崎)を通して下地作りも十分図られただけにチームがこのシステムを機能させられる可能性は大いにあるだろう。
とは言え、そんな徳島にも不安材料がないわけはない。守備面でまだまだ課題が多いのが現実だ。中でも新加入の柴村や藤田がポジションに食い込んできそうなDF陣は細かなカバーリングや位置取りを早急に煮詰めなくてはならないように思われる。加えて本来MFである麦田のサイドDFへのコンバートも予想されるだけに、ラインに入る全員がどれだけ組織としてのまとまりを作れるか、格上神戸相手のこの一戦で緻密な確認作業をしておきたい。

そして次に対する神戸へ目を向けると、こちらは非常に難しいチーム状態で開幕へ向かっていると言わざるを得ない。抱える戦力こそ、日本代表の大久保を筆頭に昨季のレギュラークラスがほぼそのまま残留、補強も得点力のあるFW松橋や現韓国代表の金など実力者を獲得して申し分ないものと思われた。が、現状を見れば負傷者が続出…。大久保が膝を手術し開幕戦に間に合うか微妙な上に、DF茂木に至ってはアキレス腱断裂で全治6ヶ月の重傷を負ってしまった。さらにはボッティ、酒井、須藤らもチームの基盤を作り上げるグアムキャンプを別メニュー調整で過ごし、松田監督にとってはまさに大きな誤算が続いている状況だ。
その結果、現時点のチーム作りが新しい連携を試せず苦しいものとなっていることも否めない。戦術理解の深い昨季からのメンバーで構成すればある程度計算は立つがプラスαがなく、プラスαを求めれば組織としてのバラバラさが露呈されるというのが今の姿と言えよう。

ただ、少し見方を変えれば、こうした事態もバックアッパーと思われた選手たちには大きなチャンス。自身のコンディションさえ整えられれば定位置奪取へまたとない機会となろう。それだけに神戸にとっては、チームの危機を任せられるイキのいい新しい力を探し出すこともこの試合におけるもうひとつの目的となるに違いない。

いずれにしても、両チームにとって大事な意味を持つこのプレシーズンマッチ。だからこそどちらもほんの僅かな時間さえ無駄にはできないはずだ。ピッチに立つ両者全ての選手たちは公式戦さながらの集中力をもってゲームを行い、開幕への準備をさらに進めるための貴重な材料をここから得なければならない。

以上

2008.02.22 Reported by 松下英樹
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