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【レッツゴーACL】アジアの細道、遥かなるACL2008 vol.2 ゴール裏の笑顔、光陽で演じられた「ガンバ劇場」。(08.03.20)

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3月19日(水) AFCチャンピオンズリーグ
全南 3 - 4 G大阪 (18:30/光陽/3,000人)
得点者:5' Victor Simoes(全南)、29' KIM Taesu(全南)、31' 二川 孝広(G大阪)、55' 播戸 竜二(G大阪)、59' 安田 理大(G大阪)、61' KIM Taesu(全南)、76' 播戸 竜二(G大阪)

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3月19日14:45。釜山・西部バスターミナル発、光陽行きのバス。発車間際に乗り込んできた人は、G大阪のサポーターだった。J's GOALの「アウェイへ行こう!」をプリントアウトして見ておられたので声をかけた。今日は大阪から羽田、成田とつないで釜山へ来たそうだ。その方に「この記事があって助かっていますよ」と言っていただいた。1人でも多くのサポーターがアウェイに駆けつけ、クラブを応援し、それを力にアジアを勝ち進む。そのことにわずかでも貢献できれば、とアジアの細道をさまよいながら旅しているが、こうやってサポーターの役に立っていることが実感できると本当に嬉しい…。

全南vs.川崎F戦以来、1年ぶりに訪れた光陽。見た目にはそれほど変わっていなかったが、それでも少しずつ以前と違うところがあった。まず、昨年の試合終了後、川崎Fサポーターの何人かが利用した、光陽駅からソウル行きの夜行列車が廃止になっていたこと。光陽駅の時刻表にはその列車の部分を隠してあった。また、スタジアムの近くに新しいホテルができていたこと。そしてスタジアムのプレスルームの場所が変わって、新しくなっていたことだ。あとの2つは、光陽が昨年の夏にU-17ワールドカップの会場になったため。U-17日本代表も光陽で試合をしているが、その時宿泊したホテルだと聞いた。

もちろん変わらないことも多い。一番変わらないと思ったのが、全南サポーターの少なさ。試合開始1時間前で、昨年はサポーターが2人。もっとも、今日は3人と女性が1人増えていたが。試合が始まって改めて数を数えたが、G大阪と全南のゴール裏のコアサポの数は70人と同じくらい。しかし、全南は30人ほどが、サポーターには見えない子供の集団で、水増し疑惑(?)が持たれている…。日中は日が出て暖かかったが、日が落ちてから一気に気温が10度以下に下がる。日曜まで37度のメルボルンにいた身には辛い。実に温度差は30度。

試合は全南が開始早々に先制点。さらに29分にも追加点を入れられ0-2。だが、G大阪サポーターは「ヤバイと思ったけど、すぐに二川がきれいなゴールを決めてくれたから、後半いけると思った」。その言葉通り、前半を1-2で終えたG大阪は後半から試合を支配する。後半10分、播戸が同点のゴールを決めると、14分には安田が決め、ついに勝ち越し。直後にPKから追いつかれるも31分、播戸が今日2点目のゴールで再び突き放した。

寒さに加えて、今日の光陽は風が強く、体感温度がさらに下がる中をG大阪サポーターはスタジアム中に響き渡る声でチームを鼓舞し続けた。試合後、安田選手も「プレーをしていてサポーターの声援がよく聞こえた。力になった」とサポーターに感謝していたが、終始ホームの全南サポーターを圧倒し、スタジアムを支配した。

結局4-3でG大阪が勝利。G大阪の選手たちはピッチで円になって勝利を祝った。ゴール裏のコールリーダーは安堵の笑みを浮かべながら「(ここまでの試合で)ストレスが溜まっていたからね」とつぶやく。恐らく、色々な障害を乗り越え、平日に休みを取って駆けつけたであろうサポーターからは「今日はサポーターもみんないい顔をしている。久々のガンバ劇場を見せてもらった」と、こちらもいい顔。「今年になって海外3勝、国内2分1敗で勝ちなし。次は日本で勝ってほしいね」と、言葉を加えた。東京から来た女性は、「普段、万博へ見に行けないので、ACLのアウェイをどれか見ようと思ってきました。今日はプルコギを思いっきり食べます!」。もっとも負けていたら「プルコギどころやないわ!」という感じだったそうだが。

これでG大阪は1勝1分となったが、裏で行われていたチョンブリvs.メルボルン戦はチョンブリが3-1で勝利し、グループ首位に立った。この組のアウトサイダーと思われていたチョンブリが、実はG大阪の最大のライバルなのだろうか。混戦模様となったグループG。「一昨年のACLで独特の雰囲気を感じました。何が起こるかわからない大会ですよ」とG大阪サポーターが言っていた言葉を思い出す。

いよいよ4月にはヤマ場となるメルボルンとの2連戦を迎えるG大阪。アウェイのメルボルンでは2万人を越える観客が集まり、スタジアムを支配。G大阪に様々なプレッシャーをかけるはずだ。それを少しでも跳ね飛ばすため、G大阪サポーターは赤道を超えて南半球に向かう。安田選手は「サポーターの声援を力にして戦っていきたい」と語ったように、アジアでの戦いはサポーターの力も試されるところなのかもしれない。

「サポーターの皆さん、遠いところまでありがとうございます」。遠藤選手はそういってバスに乗り込み、光陽の「ガンバ劇場」は幕を下ろした。次戦は4月9日。日本とは反対に秋へ向かうメルボルンのテルストラ・ドームがその舞台となる。

以上

Reported by 小野寺俊明(ナノ・アソシエーション)
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