3月20日(木) 2008 ヤマザキナビスコカップ
川崎F 0 - 2 千葉 (13:00/等々力/9,079人)
得点者:59' 米倉恒貴(千葉)、81' 中島浩司(千葉)
----------
村上和弘が試合後に口にした「前半に関しては、今年の3試合の中では良かったと思う」という印象は正しかった。
この試合は立ち上がりから川崎Fがボールを支配し、分厚く千葉を攻め立てる展開となり、押し込まれた千葉は、まずは守備に枚数をかけて守り抜くというスタイルを取っていた。そんな千葉のサッカーを端的に「守備でみんなががんばった」と表現した下村東美。まさにねばり強いディフェンスが、千葉ゴールに鍵をかけていた。
堅牢な千葉の守備に対し、川崎Fは決定力を欠く。「最後の一歩。ゴール前での執念が足りない」と村上が振り返っていたが、シュートにつながるラストパスと、そのラストパスの1つ前のパスを川崎Fは思うように出せなかった。ペナルティエリア内を固められていた事もあったのだろうが、ミドルレンジからのシュートは増えた。強豪チームとして見られている事の裏返しでもあった。
多かったミドルシュートについては、降雨の中の濡れたピッチコンディションを考慮した側面もあったという。たとえば養父雄仁は「今日は雨でしたから(遠目からでも)シュートは打っていこうと思っていました」という発言を残している。GKの手前でワンバウンドさせれば球は伸びていく。またスリッピーな状況でのシュートは、ハンブルを誘い、副次的なチャンスが生まれやすくなる。
こうした要素が積み重なって、川崎Fのシュート数は増えた。しかし、あえて言うならば雑だった。「一歩一歩、小さいところをチームでも個人でも修正していかないと」と述べた井川祐輔の発言は正鵠を得ていた。打てるから打つのでは、打たされたも同然。その瞬間に、正確性を心がけなければ、どれだけシュートを打ち続けても、ゴールネットを揺らすのは難しい。
この日、川崎Fは負傷したフッキを外した3-5-2のシステムを採用。慣れ親しんだスタイルで千葉を圧倒していただけに、59分に奪われた先制点の意味は大きかった。まさにカウンタースタイルのチームの渾身の一撃を見舞われた格好となる。
「前半をしのげたので、後半はプラスの気持ちで行けました」と千葉の勝利に大きく貢献した下村は述べているが、この言葉からわかるように千葉は完全に守りのリズムを掴んでいた。もちろんハーフタイムのクゼ監督の交代采配とフォーメーションチェンジが功を奏していたのは間違いない。
1点のビハインドを背負った川崎Fは前にも増して激しく千葉ゴールを攻め立てるが、あと一歩が足りない。逆に81分に中島浩司に決定的な2点目を決められて力尽きた。21本のシュートと20本のCK。そして何本かのゴール前でのフリーキックを持ってしても、得点を奪うことはできなかった。
試合後、安堵した表情の千葉の選手に対し、川崎Fの選手たちの表情は硬かった。そして、一様に内容の良さとつながらない結果に対してのとまどいを口にしていた。それはつまり、1点を先に取れれば。そして、1勝を上げることができれば、という心の叫びにも思えた。
以上
2008.03.20 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
一覧へ【ヤマザキナビスコカップ 川崎F vs 千葉】レポート:千葉が効率的に2得点を決めて勝利。試合を圧倒的に支配していた川崎Fは今季今だ未勝利(08.03.20)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













