3月20日(木) 2008 J2リーグ戦 第3節
草津 0 - 0 横浜FC (13:04/群馬陸/2,868人)
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試合内容を考えると、どうしても勝ちたかったゲームだ。草津は、横浜FCをロープ際まで追い詰めながら、決定打を繰り出すことができずに無情のスコアレスドロー。今季初の勝ち点こそ手にしたものの、勝利をつかむまでには至らなかった。だが、連敗した開幕2戦とは違い、チームに秘められた可能性は示した。草津に与えられた次のタスクは、その可能性を勝利という結果に結びつけることだ。
前節、熊本に敗れ、チームの立て直しを迫られた草津は、中4日の過密スケジュールながらもメンバー、システムを一新して横浜FC戦に臨んだ。指揮官は、司令塔・島田を左サイドに流し、熊林をトップ下に配置する「4―5―1」のシステムを選択。前線に変化を加えることで横浜FCの「4―4―2」のブロックを崩しにかかる。また、右サイドに後藤、CBに田中を起用し、チームの活性化も狙う。
ゲームは、攻撃陣がめまぐるしくポジションチェンジを繰り返す「動」の草津と、MF・DFが2ラインを形成する「静」の横浜FCが対峙する展開。主導権を握ったのはホームの草津だった。序盤から気迫の守備でボールを奪い、攻撃へとつなげる。そして、高田、熊林、島田らがゾーンを敷く横浜FCの間のスペースに走り、チャンスを演出していく。
「シマ(島田)がボールを受けたら、必ずサポートに行くようにしていた。自分が黒子役として動くことで、リズムは良くなったと思う」と熊林。草津は21分に松下、29分に高田がゴール前でチャンスを迎えるなど、横浜FCを押し込んでいく。山田卓は「草津が予想以上にうまくボールを回してきたので、的が絞れなかった」と振り返った。
試合全体の流れは後半も変わらなかった。田中、藤井の両CBがアンデルソンのポストプレーを封じ込め、攻撃の芽を潰すと、途中交代の佐田らが「前へ」の姿勢を見せてチームに勢いをつける。59分には寺田からのクロスに合わせた後藤のシュートがポストを叩くなど、ゲームは完全に草津のものとなった。
だが、最後の一押しが足りない。草津はその後もポゼッションを支配。中盤からビルドアップしていくが、アタッキングサードでのスピード、プレー精度が足りずに拙攻を繰り返す。「ゴール前でのプレーの質に問題があった」(寺田)、「ペナ内でのプレーが少なかった。もっと勝負しても良かった」(佐田)。草津はゴール前での迫力を欠き、横浜FCの壁を崩すことができずにタイムアップの笛を迎えた。
横浜FCは、前節に続き今節も後半途中から三浦淳をトップ下に配置する策に打って出た。しかし、今節はダイヤモンド型の「4―4―2」ではなく、1トップのアンデルソンの後ろに三浦を置く「4―4―1―1」で、守備の2ラインは最後まで崩さなかった。都並監督は「草津には島田がいるし、サイドで1対1の形を作られたくなかったので安全策として8枚のブロックを残した」と話した。このコメントからも分かるように、横浜FCは最終的に、リスクを避けて勝ち点1を奪う戦いに徹した。だからこそ、草津は勝ちたかった。
この試合で草津の新システム、選手起用、横浜FC対策はすべて的中した。草津は90分間を通じて圧倒的にボールを支配、相手にサッカーをさせなかった。戦術上は完全な勝ちゲームだ。それが取れないと、この先がキツくなる。「上に行くためには絶対に勝たなければいけなかった」(熊林)。試合後の会見で植木監督は「勝ち点1は取ったが、これを次につなげなければ意味がない」と表情を引き締めた。草津にとって、この試合が2008シーズンのスタートラインとなる。
以上
2008.03.20 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第3節 草津 vs 横浜FC】レポート:「動」の草津と、「静」の横浜FC。ホーム草津は最後までゴールを割れずに無念のスコアレスドロー。(08.03.20)
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