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【ヤマザキナビスコカップ 清水 vs F東京】レポート:前線の定位置争いに名乗りをあげた西澤が「完全復活」。清水は今後の戦いにも大きな手応えを得る1勝。 (08.03.20)

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3月20日(木) 2008 ヤマザキナビスコカップ
清水 3 - 1 F東京 (15:00/日本平/10,035人)
得点者:2' 矢島卓郎(清水)、15' 平山相太(F東京)、31' 藤本淳吾(清水)、66' 高木和道(清水)

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 元日本代表のベテランFWが復活して、攻撃が一気に活気づいた清水。そこから生まれた前半の2点が、今季のホーム初勝利を大きく引き寄せた。

 冬に逆戻りしたかのような寒さと強い風、そして小雨も降り続く中でのヤマザキナビスコカップ開幕戦。前線の形を模索しながら戦っている清水は、この試合では西澤と矢島の2トップにフェルナンジーニョのトップ下という新たな形でスタート。対するF東京は、1トップに平山が入り、日本代表の羽生と今野が抜けたポジションには、それぞれ栗澤と浅利が先発した。
 立ち上がりは、滑りやすいピッチでミスが出る場面も目立ったが、その中でも両者ともアグレッシブな動きを見せる。F東京も入り方に失敗したわけではなかったが、先制点を奪われた場面は、守りに厳しさが足りなかった。
 開始2分、中盤での西澤の落としから前を向いてフリーでボールを受けた矢島が、そのままドリブルでペナルティエリアまで持ちこみ、強引に対面のマークをかわして右足でシュート。すると、しっかりとコントロールされたボールがゴール右上隅に決まり、清水があっという間に先制点を奪った。
 この場面も、「今日はアキさん(西澤)が良いボールが落としてくれて、自分が(前を向いて)ボールを持てる場面が何度かあった」と矢島が振り返った通りの形。それ以外の場面でも、西澤のポストプレーによって「前でタメを作ってくれるし、矢島や2列目の選手も良いタイミングで攻撃に加わることができた」(長谷川監督)という場面が増え、攻撃の迫力が大幅に向上した。

 だが、その清水も、序盤は守備のほうではもうひとつ。「前半は何回か平山に起点を作られた」(長谷川監督)という形からサイドに展開され、15分には浅利の右クロスを平山に頭で決められ、同点に追いつかれてしまう。この場面では、青山の対応も少し遅れてしまった。
 しかし、清水が守備を徐々に立て直し、F東京もあまりチャンスを作れなくなってきた前半30分、左からのパスをペナルティエリア内で受けた西澤が、今度は味方に落とすのではなく自ら突破を仕掛けたところで倒されてPKを獲得。これを藤本がきっちりと決めて、清水が再びリードを奪った(31分)。

 後半は、F東京が石川に代えてカボレを投入し、4-4-2(中盤はボックス型)の形に変えて反撃に出る。これでF東京の前線はツインタワーとなり、セットプレーも含めて左右からのクロスにカボレや平山が競って、前半以上に得点の匂いを漂わせ始める。しかし、そこは清水の守備陣がゴール前でよく踏ん張り、前半のようなスキも見せなかった。
 また、F東京が前がかりになったことで、清水がカウンター気味にチャンスを作る場面も増えて、両者の攻防は前半以上にスリリングになった。
 そして、次の1点が勝負を大きく分けるという展開の中、その1点を奪ったのは清水。後半21分、左FKのこぼれ球から藤本が左クロスを入れ、ファーサイドの高木和がうまく押しこんで、今度はセットプレーから3点目をゲット。これで勝負はほぼ決まった。
 その後は、終盤でのF東京の猛反撃に対して、清水の守備陣が集中を切らさずに守り抜き、そのまま3-1で逃げ切って、日本平の空に今年最初の花火を打ち上げた。

 敗れたF東京も、サイドチェンジをうまく使って清水の堅守を揺さぶるなど、やりたいサッカーがある程度できた時間もあった。だが、最後のところで攻めきれない、守りきれないという状況が出てしまい、今季初黒星を喫した。
 一方、長谷川監督が西澤の「完全復活」を宣言した清水にとっては、期待のアウレリオがなかなかフィットしてこない中、前線の組み合わせに大きな手応えを得られたことは、今後に向けて大きなプラスαとなった。

以上

2008.03.21 Reported by 前島芳雄
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