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【J2:第3節 徳島 vs 愛媛】徳島レポート:強風の中で戦い方を誤った徳島、四国ダービー初戦に完敗。バラバラさも感じられたチームは次節への不安も残す結果に。(08.03.21)

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3月20日(木) 2008 J2リーグ戦 第3節
徳島 0 - 3 愛媛 (16:04/鳴門大塚/3,564人)
得点者:8' 赤井秀一(愛媛)、9' 若林学(愛媛)、84' 田中俊也(愛媛)

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今季の四国ダービー初戦、徳島はホームで敗戦を喫した。しかも、0-3というダービーマッチにおいては屈辱的過ぎるスコアで…。選手たちの闘う気合いは確かに見られたが、それでもこの完敗は言い訳のできない厳しい結果だ。
しかし、その得点差やひとつひとつの失点原因などはひとまず置いておくとして、この一戦を振り返れば両者間には勝敗を決める十分な要素となるだけの大きな違いがあった。それはチームとしての戦い方。徳島が敗れたのは、この日すべき戦い方を愛媛よりも出来なかったことが最大の理由であろう。

決戦の地・鳴門は相当の強風が吹いていた。もともと海に近い場所だけに特有の風が常に吹くスタジアムではあるが、それでも今日はその強さが格別。センターポールに掲げられたフラッグを引きちぎらんばかりの風であった。そして、このような風の強い日にやるべき戦い方は低いボールの多様がセオリー。風の影響を受けにくいグラウンダーのパスでどれだけ試合を作れるかがカギとなるのはこのゲームでも間違いなかった。
が、徳島は風下にたった前半から浮いたロングフィードが目立つ。すると、その長いパスはことごとく風に押し戻されて前線の林やドゥンビアに届かず、高い位置で起点が作れない。さらにそれによって悪循環も発生。押し戻されるボールを追いその林とドゥンビアが低い位置まで下がってしまうと、チームは自ら窮屈な状態となってパスの出し所に苦慮し始めた。結果、意図の薄いロングフィードがさらに増え、愛媛に守りやすさを与えてしまったと言えるだろう。

そして逆に、風上となった後半は後半で、長いパスは大きくその飛距離を伸ばす。それによってボールは前線の2人や玉乃、片岡らの頭上を幾度となく通過し、彼らが流れたそれを追い掛けるシーンを何度も見た。また頭は越さずとも、予想以上に勢いを増して向かってくるボールへの対応は容易でない。シュートにしろトラップにしろ、徳島の選手たちの次のプレー精度は著しく悪いものとなってしまった。
もちろん前半早々に2点のビハインドを背負ったことで前へ急ぎたくなる選手心理は分からなくもないが、しかしそれはこの日のコンディションにおいては言うまでもなく得策ではなかった。キム、青野のボランチコンビを軸に落ち着いて低いボールを繋ごうとし、出来る限り繋いだ愛媛のような戦い方が徳島にも必要であったと言えよう。

さらに徳島について続ければ、この一戦でのチームには一体感がまるで感じられなかった。バラバラさが至る所で顔を覗かせ、プレーの連動性は皆無に等しかったと言わざるを得ないだろう。事実それについては、「どう戦うのか統制が取れていなかった(片岡)」「チーム全体としてどう戦うのかがハッキリしていなかった(西河)」「意志統一が不十分で上手くいかなかった(米田)」と試合後の選手たちも口を揃えていたが、新戦力の多い徳島だけにピッチ内でのコミュニケーション不足はいつ陥ってもおかしくなかった問題。だからこそ、選手たち自身がそのリスクを認識し、取るべき対処を常にしておくべきだっただろう。

いずれにしても、結果が求められた四国ダービーで「不甲斐ない姿を見せてしまった(西河)」徳島。今季初得点を奪うこともまた叶わず、まだわずか3試合を消化しただけではあるが、2シーズン続いた悪夢が蘇る最下位の席へと沈んでしまった。「選手たちは精一杯戦い、勝利を目指してくれていました。彼らに責任はありません。悪いのは私です」と美濃部監督は選手をかばったが、しかしやはり本番のピッチに立つ彼らが課題改善に死力を尽くさなければ望む結果に手は届かないはずだ。

さて、次節はすぐにやってくる。メンバーの入れ替えを示唆した指揮官と早くも崖っぷちに立たされた選手たちはどのようにこの苦しい現状へと立ち向かうのだろうか。

以上

2008.03.21 Reported by 松下英樹
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