3月20日（木） 2008 J2リーグ戦 第3節
徳島 0 - 3 愛媛　（16:04／鳴門大塚／3,564人）
得点者：8' 赤井秀一（愛媛）、9' 若林学（愛媛）、84' 田中俊也（愛媛）

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前半9分にして2対0。今季初の四国ダービーは立ち上がりから試合が大きく動き、予想外の展開となった。その要因となったのはピッチで猛威を振るっていた強風。「前半から風上を取って、前から仕掛けて楽にいければ」とMF赤井が振り返ったように、愛媛はその強風を背に徳島ゴールに迫る。8分にCKのこぼれ球を赤井が押し込み先制すると、直後の9分にはFW若林がヘディングで流し込み追加点。DFの背後を狙いながら、前に出ていたキーパーを越える技ありの移籍後初ゴールによって、試合開始からわずか9分で愛媛が一気に優位に立った。

その後も徳島のミスから奪ったボールをシンプルに放り込み、追い風を最大限活用して相手陣内にボールを運んだ愛媛。若林をターゲットにしながら、「見える位置から走り出してくれる」(若林)FW内村がセカンドボールを拾い、徳島を押し込んだ。さらに前線では「守備から入るという原点に返ってプレーをした」という今季初先発の内村が積極的にプレスを続けて徳島の守備陣を慌てさせると、さらに勢いに乗った愛媛は16分、徳島のDFがもたつくところを若林が奪って独走。ゴールには至らなかったものの、出足でも徳島を上回った愛媛が試合を優位に進めた。

そして後半も、随所に風下を意識したプレーで徳島の反撃を牽制。「DFラインとキーパーの間を狙えばボールが止まって迷うだろう」という赤井の狙い通り、58分にはそのスペースに内村が飛び出して決定機を迎えた。これは追加点には結びつかなかったが、75分に迎えた徳島の波状攻撃に対して守備でも粘り強く対応した愛媛は、ドゥンビアのシュートも体を張ってブロック。最終的にはセオリー通り、前掛かりになっていた徳島に対してカウンターから抜け出したDF井上がFW田中の3得点目をアシストし、ダービー初戦に終止符を打った。

試合後に愛媛の選手達が「天候に合わせたサッカーができた」と口を揃えたように、コンディションを考えたサッカーを90分間冷静に貫き通せた事が一番の勝因だろう。これに加えて「ダービーの違う空気がある中でとにかく勝ちたかった」と井上が語ったように、選手達はピッチで「STRONG WILL」を体現。「ダービーは勝利のみ」というサポーターの気持ちが一体となったこともあって、ダービー史上最多得点差という快勝劇に繋がった。

昨季は開幕戦で煮え湯を飲まされた鳴門で、最高の結果を手にホームへ帰る愛媛。この大一番で見せた「STRONG WILL」を次節の草津戦でも発揮して、ライバルを連破できるか。2週間ぶりのホームゲームはすぐそこだ。

以上

2008.03.21 Reported by 近藤義博