3月30日（日） 2008 J1リーグ戦 第3節
清水 0 - 0 大宮　（13:04／日本平／13,855人）

☆J1勝敗予想ゲーム★第4節投票受付中!
----------
「今日のゲーム内容からみれば、勝点1はお互いにとって妥当な結果」（大宮／樋口靖洋監督）というコメントは、たしかにその通りだろう。だが、ホームの清水にとっては、最後のPKを決めるか決めないかは、本当に大きな違いだった。

清水は市川大祐がケガから復帰し、大宮は田中輝和に代わって村山祐介がスタメンをつかんで、どちらも右サイドバックが代わったが、その他は両チームともこれまでの流れと変わらないメンバーでスタート。また大宮では、ケガの藤本主税に代わって左MFには内田智也が入った。

この2チームの対戦ではいつも通りのことだが、雨の影響でピッチがスリッピーになった中、立ち上がりはお互いに手堅い戦い方でスタート。清水の場合、序盤ではロングボールが多いというのもよくあるが、時間が経ってもなかなかスムーズにボールが回るという流れが出ず、中盤でのパスミスも目立った。本来ならば、ポストプレーが得意な西澤明訓にクサビを当てて、フェルナンジーニョや矢島卓郎が前を向いてボールを持てる状況を作りたかったが、そのクサビのパスも大宮のディフェンスに警戒され、うまく入れられない。さらに、大宮の高いDFラインに対して裏を狙うボールを狙ったが、ボールが雨で滑って止まらないため、飛び出した選手が追いつけない。ハイボールはレアンドロと冨田大介に跳ね返される場面が多く、攻撃がやや手詰まりになってしまった。

それでも、18分に藤本淳吾の左クロスから矢島がボレーシュートするという決定機を作ったが、これはGK正面でゴールならず。41分にも大宮DFのミスからフェルナンジーニョが決定的なシュートを放つが、これはゴール右に外れた。

大宮のほうも、ある程度ポゼッションはできたが、清水のかっちりとした守備組織の前に、なかなかシュートまでいく状況を作れない。アーリークロスを入れる場面は作れるが、それらはことごとく清水の高い壁に跳ね返されてしまう。

前半は両チームともシュート3本のみ。どちらも守備では持ち味を出したが、攻撃では納得のいかない内容だった。

後半に入ると、お互いに攻勢を強めようという意識が出て、大宮は遠めからのシュートも増やし、両サイドを深くえぐっていこうという意図も見えたが、やはりなかなか決定機には至らない。清水のほうも、前半の問題を改善しきれず、相変わらずあと一歩のところでミスが多く、ビッグチャンスを作れない。
ただ、後半半ばあたりからは中盤が空いて、行ったり来たりの場面が多くなり、その分シュートまでいくシーンが多くなった。30分前後には大宮が押し込む時間帯を作り、とくに31分には内田が2本決定的なシュートを放ち、右CKからは小林慶行がフリーでヘディングしたが、3本とも決めきれない。

苦しい時間帯をしのいだ清水は、その後はホームの意地で最後の攻勢をかける。とくに後半43分に投入されたアウレリオは、これまで見られなかった切れのある動きを見せ、攻撃を活性化。ロスタイムに入る直前の後半44分には、ペナルティエリア内でボールを受けたアウレリオが巧みなフェイントで対面の相手をかわしたところで倒され、PKを獲得した。

しかし、これをアウレリオが自ら蹴ったが、大宮GK江角浩司にコースを完璧に読まれ、止められてしまう。清水は最後の最後で勝点3をつかむ最大のチャンスをつかんだが、それを生かすことはできず、そのままタイムアップの笛を迎えた。

内容的にも、チャンスの数でも、シュートの数（清水10本、大宮9本）でもほぼ互角。ただ、ゲームプランに近い戦いができたのは大宮のほうだっただけに、大宮にとっては前向きに受け止めやすいスコアレスドローだった。

だが、清水にとっては、内容が良くない中でも何とかホームで勝ちたかったゲーム。PKが決まっていれば、新加入のアウレリオがかなり手応えと自信をつかみ、チームにとっても大きな光明となっていただろう。それだけに何とも残念な引き分けだった。

以上

2008.03.30 Reported by 前島芳雄