4月26日(土) 2008 J2リーグ戦 第9節
横浜FC 1 - 1 C大阪 (13:03/ニッパ球/4,316人)
得点者:34' 根占真伍(横浜FC)、43' 小松塁(C大阪)
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昇格を目標にするチームにとって、第1クールにおけるテーマの1つは、試行錯誤の中でベースとなる戦い方の構築である。横浜FCはビルドアップに、セレッソ大阪は守備のバランスに課題を持っている。この試合では、都並監督、クルピ監督が、それぞれ課題への処方箋を用意し、持ち味を出しながら課題を解決することに成功した。結果として、見所の多い、90分を通して非常に締まった好ゲームとなった。
都並監督が示した処方箋は、エリゼウをボランチに戻すとともに、三浦淳をトップ下に配置、三浦知と難波をサイドに置く4-2-3-1のフォーメーション。ラインをコンパクトに保ちながら、よりゴールに直結するビルドアップを狙ったものだ。一方、クルピ監督が示した処方箋は、羽田を中盤の底に配置した4-3-1-2というフォーメーション。特に、カウンターの際にバイタルエリアが空いてしまう欠点を防ぐことを狙った。
前半立ち上がり、セレッソは香川を中心に、左サイドから起点を作る。一方、横浜FCも相手のボランチのチェックが甘いところを突いて、これまでにないビルドアップを見せる。徐々に、試合は五分五分の展開に。ポイントとなったのは、この日復帰したDF柳沢。高めのポジションにしばしば進出し、横浜FCの左サイドを脅かす。ゲームが動いたのは、34分。根占のフリーランニングが羽田を引っ張り、バイタルエリアが空いたところに、三浦知がドリブルで切れ込みシュート。そのこぼれ球を根占が押し込み、横浜FCが先制。クルピ監督の目論見に一瞬の隙が生じて生まれた点だった。一方、横浜FCも一瞬の隙を作ってしまう。「どうしても勝ちたい試合になると、前がかりになってしまう」(都並監督)というように43分、スローインを奪われると、カウンターを受ける。右サイドを走り抜ける香川にボールが出ると、香川のクロスに小松が反応。同点に追いつく。
後半になると、雨が強くなり、「玉際の競り合いが多くなる展開」(クルピ監督)となる。その中で、ボランチ同士のマッチアップで優位に立つ横浜FCが中盤でのこぼれ球を拾う機会が多くなる。一方、コンディションが悪い中では、香川の個人技の高さが際立つ。セレッソのボールが香川に渡ると、香川がチャンスメークを行う。ただ、前半と同様、両チームとも守備は堅く、決定機の数ではそれほど多く作られる事はなかった。横浜FCは、63分に吉本に代えて滝澤を投入すると、中盤のボールの動かし方が、さらに攻撃になる。セレッソも2トップをカレカ、柿谷に変更するが、決め手を欠く。80分に、CKを難波がヘディングを叩き込むがファールで認められず。試合はそのまま終了した。
お互いの持ち味を出した中で、引き分けというのは妥当な結果。横浜FCとしては、今シーズン一番の内容と言って良い。この試合では、前後半、同じ戦い方でリズムを作り続けた。このことは、目指すサッカーに向けた手応えを感じる事ができた事を示している。特に、ビルドアップの質、中盤での攻守における役割整理がスムーズになってきている。相手が、激しいプレスを掛けてくるチームでない事を差し引いても、大きな自信をつかんだ試合となった。特に、三浦淳がつなぎのアクセントとなることで、エリゼウの負担が減りフィットする兆しを示せた事は、今後の戦いおいて非常に大きい。ただ、この試合では、ちょっとした隙が失点原因になっただけに、試合運びについての意思統一を図り、チームとしてのレベルアップをしたい。
セレッソも、羽田を入れた3ボランチシステムにより、前節までに比べると守備の安定感は増してきている。ただ、その副作用として前目の3人が孤立する場面が多かった。香川は、この日一番の輝きを見せていたが、「連動性が必要」と述べているように、彼の才能を生かすためには、より密な連携が必要となる。
引き分けながら、両チームともに進むべき方向性と手応えをつかんだ。次は、結果として結実させて、今シーズンのベースを完成させることを期待したい。
以上
2008.04.27 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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