今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第9節 山形 vs 福岡】レポート:『守高攻低』山形、福岡ともに煮え切らず。決め手を欠いて勝点1を分け合う。(08.04.27)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月26日(土) 2008 J2リーグ戦 第9節
山形 0 - 0 福岡 (13:04/NDスタ/3,012人)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -

----------
 試合開始直前のスタジアムには、ベンチの囲いを押し流すほどの風が吹き付けていた。キャプテン宮沢克行が怪我で先発メンバーを外れたことで、今季初めてキャプテンマークを巻いた山形・石川竜也は、「前半から勢いをつけて点を取りにいったほうがいい」と、コイントスで勝つと迷いなく風上のエンドを選んだ。前節、守備を修正し3試合ぶりに勝利を挙げた福岡の勢いを、風の力を借りて押し込むことができるか。運命のキックオフが告げられた。

 キックオフから4分後、ひとつのプレーにスタンドが沸いた。フィールドの中央を宮崎光平がドリブルで猛然と走り抜ける。相手にボールを弾かれるが全速力のままボールを追うと、GK吉田宗弘が前方へ蹴り出すボールにそのまま体を当てていった。試合前、「絶対に負けたくない。それは間違いないっす」と昨年までの所属チームに燃やしていた執念を、ピッチ上で惜しまず表現していた。

 山形は風上の利を活かし、高く設定された福岡DFラインの裏にロングボールをねじ込んでいく。そのたびに福岡のラインはじりじりと下げさせられるが、最後尾で見ていたGK吉田は「前半は風下で難しい部分もあったが、勇気をもってラインを上げて対応していた」と、コンパクトさを保とうとした味方のプレーを見ている。山形は素早い出足でセカンドボールを拾うと福岡の最終ラインの向こうで決定機をつくろうとするが、狙ったスルーパスはことごとくタイミングが合わず、CKではショートコーナーの間にオフサイドを取られるなど、フィニッシュ手前で噛み合わないプレーが続く。記録上、山形の前半のシュートは0本。前半31分、宮本卓也のアーリークロスを足元で収めた坂井将吾がボールを蹴り込み相手にブロックされたのが、限りなく「シュート1」に近いプレーだった。

 ただ、前半シュート2本の福岡が、山形を上回る攻撃力を発揮していたかと言えばそうではない。前半18分のFKで宮本が辛うじて当てたヘディングと、ルーズボールをダイレクトで蹴り込み、大きく枠を外した前半41分の田中佑昌のミドルがその2本。序盤にはその田中と中村北斗が右サイドで組み立てクロスまで行くシーンもつくったが、あとはアゲインストの風にフィードの精度を大幅に削がれ続けた。大久保哲哉とグリフィスの2トップもボールに触れる機会がなく、まったくと言っていいほど見せ場をつくることができなかった。

 0−0で終えた折り返した後半立ち上がり、山形は宮本のクロスに坂井がニアに飛び込みヘディングシュートを放つが、その後、攻撃の主導権を握ったのは福岡。ハーフタイムに、リトバルスキー監督は「最初の15分間はボールを動かしてリズムをつくろう」と、エンドが変わって得た風上の利をひとまずおあずけ。後半4分にCKのこぼれを長野聡がボレー。直後のCKではグリフィスのシュートかポストを直撃。その跳ね返りを今度は田中がヘッドで狙い、GK清水健太があやうく掻き出した決定的チャンスで一気に流れを引き寄せたあとは、選手間の距離を縮めてパスを軽快に回していく。前半は守備に専念していた宮本亨が、久藤に代わり後半頭から投入された城後寿とのワンツーでサイドを攻め上がるシーンもあった。

 その後、2本のCKで大久保、長野がそれぞれヘディングシュートを放つが、ボールは弧を描いて枠の外へ。その直後に訪れたのは山形の時間。後半22分には宮崎が裏で起点をつくりクロスを入れると、今度は左サイドで長谷川、続いて北村が、福岡・中村のアウトサイドを突破してチャンスをつくった。

 残り時間が少なくなるにつれて両チームの勝点3への欲求は高まり、双方のゴール前で緊迫したシーンが交互に訪れる。後半27分には山形の根本が高いジャンピングヘッドで裏へ宮崎を走らせるが、クロスは中に合わず。すると29分には中村がドリブルから上げたクロス。直後の城後からのスルーパスにグリフィスが抜け出したと思われたが、判定はオフサイド。続く32分には長谷川がGK吉田との競り合いでこぼれたボールを粘り強く拾いシュートまで持ち込むが、中へ絞っていた中村が気迫のブロック。その直後、山形・宮本のクロスに合わせ、中盤にポジションを上げていた石川が飛び出したプレーはオフサイド。
 このあたりでは山形がサイド攻撃で福岡を押し込む展開になったが、精度を欠いたクロス、シュートを続けるうちに、後半39分には福岡の強烈な一発を浴びる。右クロスに飛び込み足から滑り込んだ城後のシュートがゴールネットを揺らした。が、これはファウルがあったとしてまたも得点ならず。その後も、途中出場・山形辰徳のミドルシュートや、ペナルティーエリアに進入した石川がバウンドを処理した直後のGK吉田とぶつかり倒れるプレーもあったが、試合は0−0のまま終了した。

 「お互いピンチもチャンスもあったんですけど、1点決めて勝ちたかったというのが本音です」と、山形・石川が振り返る。おそらく、これは両チームに共通した想いだろう。互いに守備が頑張ったなかで、それを突き崩すだけの力強い攻撃力がどちらにも欠けていた。その結果としてのスコアレスドローであり、勝点1。あわやというシーンが双方にあっただけに、さまざまなとらえ方ができる結果ではある。どのとらえ方が正しかったのかは、今後の結果が証明する。

 「今日のメンバーのなかで(一緒に)やっていないのは外国籍選手だけ」と、相手選手を知り尽くしていたのは山形・小林伸二監督。「それだけに、私としては勝ちたかった」と悔しさをにじませたが、同時に、「そういう教えた選手が簡単に勝たせてくれなかったというのもまたうれしい」と偽らざる心境を語った。次に対戦するときは、どちらがどれだけ力をつけているのだろう。試合後のミックスゾーンは、さながら同窓会のように賑やかだった。

以上

2008.04.27 Reported by 佐藤円
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着