4月26日(土) 2008 J2リーグ戦 第9節
仙台 3 - 3 水戸 (16:04/ユアスタ/11,755人)
得点者:23' 荒田智之(水戸)、69' 梁勇基(仙台)、79' 平瀬智行(仙台)、80' 西野晃平(水戸)、85' 平瀬智行(仙台)、88' 西野晃平(水戸)
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さすがに双方合わせて6ゴールともなると、ゴールの詳細を全て語っているだけでレポートが終わってしまう。なので今回は普段以上に、試合の流れをメインにレポートを進めたい。
前半はシュート数こそほぼ互角ながら、仙台がそれだけの数を放てたのは、積極的なミドルと、セットプレーからのこぼれ球からシュートが連続した場面があったため。チームとして狙い通りのサッカーを演じ、それによってチャンスを生み出していたのは水戸の方だった。
それには仙台が前半にはまった悪循環について触れなくてはいけない。一柳夢吾、渡辺広大の若きCBコンビは、連携でも、クリアなど各々のプレーでも、前節とは対照的に立ち上がりからやけに落ち着かないところを見せていたのだが、23分、飛来したゴールキックを渡辺がクリアしきれず後方に流してしまい、カバーの一柳と体を入れ替える形となった水戸FW荒田智之に抜け出されて先制点を許してしまう。
この失点の前から、仙台の布陣には大きな「裂け目」があった。DFラインは不安のためか押し上げることが出来ず、一方でボランチを含む前の6人は点を取ろうと前への意識を強める。それにより、最も空けてはいけないCB前のスペースを水戸に献上することになってしまい、失点後はよりその傾向が顕著になった。CB陣のクリアがことごとく相手に渡るように見えたのも、クリアが小さかったからというよりは、拾える仙台の選手がいなかったという要因もある。
ただ、仙台のこうした不調だけが前半の流れの理由ではない。水戸は水戸で能力をしっかりと持ち合わせたからこそ、もたらされた状況を己の好機に変えることができた。しっかりと押し上げることで仙台が空けたスペースに赤星貴文ら中央の選手が入り込み、高い位置で作った起点を活かしてサイドへ展開、今季活きの良さを見せる両サイドが2トップへ危険なクロスを何本も入れた。それだけでなく、サイド戦で優位に立つことで得たCKやFKの場面では、赤星の高精度なキックから、平松大志が、ビジュが、そして西野晃平がヘッドでゴールを脅かす。0-1で前半は終了するが、仙台のサポーターが感じた寒さは、12.5℃に冷え込んだ気温のせいだけではなかっただろう。
だが仙台も、もちろん黙って手をこまねいていたわけではない。後半開始から渡辺に代えて木谷公亮を投入、一瞬「なぜ」と思えた交代はしかし、劇的にではなく土台からの整備で地道に状況を修正しようとする手倉森誠監督の意図があった。
なにぶん試合中のCB交代とあって、すぐに連携が完璧となるのは難しく、後半開始直後からは水戸に前半以上に押し込まれる仙台。しかし打ち込まれたシュートが続けて枠を逸れるにつれて、徐々にDFラインも落ち着きを取り戻していく。
後ろが整備されれば、今度は前だ。58分に平瀬智行投入、ここから状況が変わっていく。流動的でとらえどころのない平瀬の動きに、水戸守備陣は揺さぶられ始め、徐々に守備ラインが下がっていく。仙台エンドで進むことが多かった試合、ボールの動くゾーンが、徐々に水戸エンドへと移っていった。
ようやく水戸を押し込むことに成功した仙台、サイドで深い位置を得られることで最も恩恵を受けたといえる、左サイドの関口訓充が起点となってゴールが生まれる。69分、関口のクロスがファーに流れた後、今度は逆サイドの菅井直樹が折り返す。これをGKが弾いたボールを、梁勇基が正面からコースを突いたミドルで蹴りこんで同点となると、その10分後にも再び左サイドの関口から矢のような鋭いクロス。平瀬の今季初ゴールとなるヘディングシュートが生まれ、一旦は仙台が逆転に成功する。
しかし、リードもつかの間、今度は流れなどとは関係の薄い、仙台の守備における集中の欠如が、水戸に追いすがるスキを与えてしまった。逆転弾から1分後、水戸に右サイドを崩されて、最後は中央から西野に豪快なミドルを決められると、85分にはまたも関口による左サイドからの右足クロスがきっかけで、平瀬が再度勝ち越しとなる自身の2点目を決めたにもかかわらず、88分に水戸に与えたセットプレーから、再び西野に決められて同点に。後半に入り打ち合いとなった試合は、共に今季最多得点となる3得点を上げながら、勝点1を分け合う形に終わった。
それにしても驚いたのは、水戸の急成長ぶり。この試合、ビジュを中盤に配していたことで、前節の徳島戦同様ロングボール中心の内容になるかと思いきや、しっかりと組み立てて、サイドからの攻めを作ってきた。ビジュという用心棒に守られる形で躍動した、菊岡拓朗、赤星、堀健人というMF陣、ルーキーFWの荒田など、水戸の若き選手たちは今後も注目だ。
そんな水戸に、仙台はあわや飲み込まれんところまで追い込まれた。仙台が今日得た教訓があるとすれば、ゲームの入り方を誤ったり、試合中に集中力を一瞬でも削いで、それでも勝てる相手など今のJ2にはいないことか。
采配も含めて、流れを得る、もしくは取り戻す力はあるだけに、今は監督会見で語られたように、追いつき、逆転できたことをポジティブに考え、自身を持って次節の鳥栖戦に臨むのみである。ホームのサポーターに今度こそ勝利を見せる、そのチャンスはすぐ、3日後に訪れる。
以上
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