4月26日(土) 2008 J2リーグ戦 第9節
甲府 1 - 0 愛媛 (14:03/小瀬/8,305人)
得点者:56' ジョジマール(甲府)
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「内容は広島戦の方がよかった。相手(のプレースタイル)も関係してくるが広島戦の方がテンポはよかった。今日はロビングを入れられることが多くて、そこで足が止まってしまう時間があった。雨でスリッピーだったこともあるが、サイドで収まらなかった。そこをコントロールできればもっと試合を支配できる」
記者会見後の取材で甲府の安間貴義監督はこう話した。しかし、広島戦に続いて魅せたテンポのあるサッカーは新しい甲府の矜持になりえる内容だった。クローズとショートパスの要素を失うことなく、テンポという進化を組み合わせ、攻守の切り替えやアンチカウンターでも前進を見せた。
止みそうだった雨は、午後2時の試合開始時間になると風を伴って復活。小瀬のリーゼント屋根の下の住人にもレインコートが売れそうな天候の下、甲府の2連勝を賭けた試合が始まった。甲府は立ち上がり4分にDFラインがクロスの処理を誤り、愛媛MF横山拓也にGK・桜井繁と2人きりになる時間をプレゼントしてしまう。だが、甲府の新・守護神としての信頼を勝ち取りつつある桜井が横山を袖にして、チームが出足で躓くのを防いだ。その後は、甲府がテンポのいいサッカーで主導権を握る。守備から攻撃に移った瞬間、相手のプレスをテンポのいいショートパスでかわして、サイドに展開する。サイドでは久野純弥が積極的に仕掛けて押し込む。2人のDFをかわして中に切れ込んでシュートを打った33分のシーンは久野自身も観客も「決まった」と思わせるスピードと迫力があった。結果的にはDFに当たってCKになってしまったが、最後のボールタッチからシュートまでの間に「思いっきりシュートを打った」(久野)ではなく、別の選択肢も持てる余裕があれば久野のストライカーとしてのレベルは上がる。こんなことを言えるのも甲府のテンポがいいから。
ただ、心配だったのは主導権を握りながらもゴールが決まらないということ。セカンドボールは拾えるし、ボールは簡単には失わない甲府。そして、攻撃から守備への入り方や、逆サイドのカバーなど進歩は見せていたからこそ大きく見える課題。その回答を見せたのは後半56分。アンカーの山本英臣が出した縦パスを右サイドで受けた美尾敦が、DFをかわしてジョジマールの頭にクロスを合わせた場面。左右に流れずに、中央をプレーエリアにするジョジマールと美尾のコンビネーションが生んだゴールだった。しかし、その後は徐々に愛媛の怖さが発揮される。甲府にとっては憎めない苗字の愛媛FW大木勉に代わって51分にピッチに入ったFW内村圭宏を裏に走らせる愛媛の中盤。甲府の足が止まり始めたこともあって、パスの出所にプレッシャーを掛けられない場面が出てきたからだ。最後は長身DFの高杉亮太も上げるパワープレーで畳み掛けてきたが、GK桜井を中心に守りきって決定的な場面は作らせなかった。愛媛としては前半に出来なかったサイドからの攻撃を後半に出せたことが収穫になるだろうが、それを前半に出せなかったことは課題。相手の足が止まっていないときでもビルドアップして主導権を取れるようにならなければ、ロングボールも生きないしチームとしての前進は難しいのではないだろうか。
主導権を握りながらもジョジマールの恩返しゴール以外の得点がなかった甲府。試合後、美尾にこのことを聞くと「試合の中で答えを出さないといけない所が多い。サイドで自分たちのリズムを作って、相手を張り付かせると色々な仕掛けが増える」という答えが返ってきた。今はゴールを決めるための仕掛けを増やしている段階ということだろう。その一つは、美尾がジョジマールをアシストしたゴール。甲府はバルセロナやACミランでもなく、営業収入が80億もある浦和でもG大阪でもない。早急に何もかも求めるのは妥当な要求ではない。1−0でしっかりと勝ったことを評価して、色々な仕掛けが徐々に増えることを期待してゴールデンウィークの連戦・連勝を楽しみにしたい。
以上
2008.04.27 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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