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【J2:第10節 仙台 vs 鳥栖】レポート:これまでの反省点を全てクリアした仙台が見せた「衝撃」。堅守を誇った鳥栖相手に、先制点を皮切りに後半怒涛の3ゴールで完封勝ち。(08.04.29)

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4月29日(火) 2008 J2リーグ戦 第10節
仙台 3 - 0 鳥栖 (14:05/ユアスタ/13,461人)
得点者:57' 平瀬智行(仙台)、73' 岡山一成(仙台)、84' 関口訓充(仙台)
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 勝利自体は今季4度目だから、特に目新しいことではない。しかしこの、久しぶりに得られた体を揺さぶるような高揚感は、明らかに今季これまでの勝利とは違うものだ。

 開幕から続いていた得点力不足、引き分け続きのここ数節に顔を覗かせていた不安定な戦いぶり、その他もろもろ、反省すべき課題としてタスクリストに記されていた全てのものから、仙台は今日の90分間、開放された。

 開放の先にあったものが、冒頭で触れた高揚感。それを一身に浴びた13,000人強の仙台サポーターは、きっと今夜、そして明日以降、この日スタジアムで起きた出来事を、饒舌に、溢れる感情を持って、不幸にもこの素晴らしい一日を体験できなかった周囲の人たちに伝えるのだろう。観客動員がクラブの予想を下回るなど苦戦が報じられている仙台の昨今だが、願わくばピッチからサポーター一人ひとりに伝播した熱気が、スタジアムに最高の盛り上がりを取り戻す起爆剤にならんことを。

 双方のサッカーが組み合った際の「相性」という要素も関係はしているが、ともかく仙台の、まさに完勝であったことは間違いない。

 仙台にとって前節での大きな反省が「ゲームの入り方」。メンタルの面や、DFラインの位置設定など、チームの根幹をなす部分が立ち上がりから上手く行かなかった前節の仙台は、キックオフ直後から鳥栖にペースをつかまれた。

 この鳥栖戦が今後を分ける一戦になると覚悟を決めた手倉森監督は、スタメン選考において決断する。前節後半から出場しDFラインの安定に貢献した木谷と、頚椎捻挫が完全には癒えていない岡山の両CBを、同時にスタメンに戻したのだ。木谷はまだしも、岡山の起用は前日までの取材でも予想が難しいものであった。

 だがこのベテラン2人が、首脳陣の期待に対して「満点回答」を示す。鳥栖が時折繰り出そうとするカウンターにも、2トップと両サイドハーフによる積極的なチェイシングにも動じず、この日の仙台DFラインは適度に高い位置をキープ、絶妙な守備を見せるだけでなく、前の選手たちによる分厚い攻撃を下支えした。これはいささか暴論であるが、前述した鳥栖の2つの武器に対して、DFラインが弱みを見せなかった時点で、そして付け加えれば、そのような流れの中でも鳥栖に、というより藤田にもたらされた2つのチャンス―CKからつながれたボールを落ち際のボレーで打ってきた16分のチャンス(不意を突いたがゴール右に逸れる)と、一発の縦パスで裏を取った金のセンタリングを上手いトラップでシュートに持ち込もうとした21分のカウンター(藤田のハンドでシュートまで行けず)―が決まらなかった時点で、仙台の優位は決まったのかもしれない。

 前半から鳥栖の倍以上のシュート(鳥栖4本に対し仙台は9本)を放ち、いい流れで試合を進めていた仙台。それでもゴールが決まらないことにはこれまでの決定力不足が再び揶揄される展開となっていたはずだが、DFのベテランが活躍する一方、同時に今節からスタメンに名を連ねたFWのベテランによって、仙台ペースという流れを変更不可能にする先制点がもたらされたのは、57分だった。梁からの左CKに合わせニアに飛び込んだ千葉のヘッドは鳥栖守備陣の密集に当たるが、そこでのわずかな混乱がクリアをもたつかせると、後方から走りこんだ平瀬が左足でシュートを叩き込む。

 鳥栖から見ればこの失点は、時間の面でも狙うサッカーの面でも大きな足かせになった。元々、前からボールを奪いに行く以上、どうしても全体が前がかりになる点は否めず、失点の前からDFライン裏を狙う仙台の縦パスに対して綻びを見せかけていた鳥栖にとって、さらに前へ出なくてはいけないビハインドという状況は、明らかに自分たちの苦しみを増大させた。運動量が限界に達していた両サイドハーフを共にフレッシュな選手に入れ替えても流れが変わらなかったことが、戦況の厳しさを物語っている。

 そう、仙台が研いでいた牙をむき出しにしたのは、まさにこの時間からだった。平瀬の老獪な動きで、ただでさえスペースが大きく開いていた鳥栖の守備のさらなる亀裂が生まれ、そこを関口が、梁が、後方の選手が、面白いように繋がるダイレクトパスと高い技巧で「食い散らかして」いく。元々定評があった仙台のショートパスサッカーが、立ち上がりからの上手い試合運び、全員の意思統一、そして1点リードという状況によって、最も輝く場面がやってきたのだ。

 こうした攻めから得たCK、岡山が復活を示す強烈なヘディングシュートを決めた時点で、試合の大勢は決した。これも前節の反省点なのだが、得点の後も全く集中を切らさなかった今日の仙台にとって、今季初となる2点以上のリードは、もはや安全圏である。

 84分には関口がミドルを決めて3点目。さらにその後、守りに入るどころか中盤をダイヤモンド型にしてさらなる得点を狙うなど、最後まで獰猛さを貫いた仙台。4点目はならなかったが、後半だけで16本というシュート数に見合う戦慄を、終盤の仙台は携えていた。

 文中で触れたとおり、両チームのサッカーの相性の悪さに、鳥栖がはまってしまった部分はある。しかし最少失点を誇っていた鳥栖にも付け入る隙があること、そして上手い試合運びさえできれば、仙台のサッカーには可能性が秘められていること…ユアスタの「衝撃」、その結果には、様々な要素が内包されている。

以上
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