4月29日(火) 2008 J2リーグ戦 第10節
山形 1 - 0 湘南 (13:04/NDスタ/4,787人)
得点者:50' 長谷川悠(山形)
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今季初先発のピッチ上で、本来はボランチの秋葉勝が1トップ長谷川悠のシャドーとしてプレーした背景には、小林伸二監督の読みがあった。湘南は両サイドハーフが中に入り、空いたスペースを両サイドバックが攻め上がる。そこで生まれる裏のスペースを秋葉が突けば、前線で起点になれる。さらに、その秋葉に相手ボランチの1枚が付いてくれば、空いたバイタルエリアを長谷川が自由に使えるはず。しかし立ち上がりは、そうした読みが裏目に出たような時間帯だった。
それは、湘南の石原直樹と原竜太が山形のDFラインに激しいプレッシャーを浴びせるところから始まる。押された山形DFラインはロングボールを蹴るが、中盤以降の2ラインを深めに設定していたため押し上げが遅い。長谷川が競って落としたボールは湘南の白いユニフォームの密集にしか転がらない。拾ったボールを湘南はサイドバックに預け、そこから攻撃を組み立てていくが、山形は縦関係の前線でアプローチが遅れ、さらに両サイドハーフもプレッシングするには距離が離れすぎていた。
前半5分には、ロングフィードを石原がヘッドで流し、ペナルティーエリアへ入った原が、飛び出してきたGK清水健太の頭上をループで抜いた。レオナルドがゴールマウス手前まで戻り危うくクリアしたため先制ゴールには至らなかったが、その後も、蹴り出すしかない山形に湘南は高い位置からプレッシャーをかけ続けた。前半16分には、山形がクリアしきれなかったボールを原が拾うと、左サイド加藤望からのクロスに石原がヘディングで合わせ、19分には中央から坂本紘司がミドルシュートを放つなど、3連勝の自信を余すところなくピッチで表現していた。
ただし、それが続いたのも前半20分頃まで。山形の根本亮助、宮沢克行の両サイドハーフがポジショニングを徐々に上げてアプローチのタイミングが早まると、プレッシャーを感じた湘南サイドバックのフィードが精度を欠くようになる。それまでは思いどおりにパスをつないでいた湘南に代わり、今度は山形がボールを拾いペースを握る。26分にはオーバーラップした石川竜也のクロスに、長谷川、秋葉がともに飛び込むシーンもつくった。完全に主導権を握り、湘南陣内でのプレーを続ける山形だったが、しかしフィニッシュまで持ち込む力強さは見られず、前節に続き、最初の45分間をシュート数0で終わっている。
スコアが動いたのは後半わずか5分、山形の右FKだった。宮沢が蹴る直前、ゴール前の密集をニアへ抜けだした長谷川が、ゴールへ向かうボールの勢いを殺さない絶妙なタッチのヘディングで逆サイドのネットを揺らした。長谷川はこれがJ初ゴール。
1点を追う湘南は後半11分、原に代えてリンコンを投入する。しかし攻撃を加速するどころか、待っていたのは時間とともに1点差がじわり、じわりと重みを増す展開だった。まず後半15分、山形・長谷川がスタジアムを大きく沸かせる。今度はゴールではなく、激しいチェイシングで。湘南のGKとDFラインの間でボールが移動するたびに、大きなストライドを飛ばし猛然とプレッシャーをかけた。「ああいうのをやるとチームが勢いづくと思うし、ファンの人にも伝わるプレーだと思う」。これでスタジアムを味方につけた山形は、攻守に勢いを増していった。佐藤健太郎のしつこい守備で、アジエルがたまらずプレーエリアを下げると、もはやリンコンや石原へのホットラインは脅威ではない。落ち着いて湘南の攻撃をさばいた山形は、返す刀で次々と湘南陣内にな切り込んでいく。
後半18分には秋葉の縦パスから長谷川のミドルシュート。23分のFKでは途中出場の石井秀典がスライディングシュートを試み、26分のFKでは、やはり途中出場の坂井将吾がゴール前でジャンプした頭上をボールがわずかに越えていった。球際に厳しい山形がセカンドボールをほぼ制したが、足が止まり、さらに苦しくなってきた湘南を待っていたのは、後半37分、2枚目のイエローカードを受けた三田光の退場だった。山形はこのあとも高い集中で気迫溢れる守備を持続させ、危ない場面を迎えることなく試合終了のホイッスルにこぎつけた。
「我々のミスだと思います。自滅のゲームだと思います」。記者会見の冒頭、菅野将晃監督が語る。連勝は3でストップした。思えば、昨シーズンもチームが上昇曲線に入ったタイミングで山形と対戦し、ブレーキをかけられている。湘南にとって、山形戦は今年も鬼門のようだ。運動量を活かすチーム戦術ゆえに、今後の連戦や気温の上がる夏場をどう乗り切っていくのか。セットプレーからの失点が多い課題の解決とともに、上位定着へ向けた試練はさらに続きそうだ。
山形はこの勝利で暫定5位に浮上。思うように得点が取れているとは言い難いが、その心配をかき消せるだけの安定した守備がある。5失点を喫した岐阜戦後は負けなしの3勝3分。今節は秋葉のトップ下や宮本のボランチ、前節には石川竜也や北村知隆の左サイドハーフなど、新チームになってから初めてのポジションにチャレンジし、そのたびにオプションを増やしているのは、獲得した勝点12以上に価値ある戦いぶりだ。怪我人が多いなかでそれを実現させていることも、特筆に値する。
次節からは、広島、愛媛を中2日で連戦する瀬戸内シリーズが待っている。「今日のスタイルができるとおもしろいなという感じがしているので、楽しみに、次の広島戦を戦ってきたい」。小林監督は縁の首位・広島にも一泡吹かせるつもりらしい。
以上
2008.04.30 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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