5月3日(土) 2008 J1リーグ戦 第10節
名古屋 1 - 2 G大阪 (14:03/豊田ス/34,436人)
得点者:24' バレー(G大阪)、33' 小川佳純(名古屋)、69' バレー(G大阪)
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バックスタンド最上階までいっぱいになった豊田スタジアム。選手入場前から、両チームの応援合戦が激しく、今日のゲームが熱く、激しくなることを予感させた。スタメンはいつもの顔触れが戻り、サブにはFWをひとり削って藤田がベンチ入り。G大阪の攻撃力を警戒したストイコビッチ監督の思いが見え隠れしたメンバーだった。
G大阪の2列目・ルーカス、二川の高い位置からの守備に、ゆっくりしたテンポで前線へ持っていくという形だったが、試合は名古屋が序盤からボールを支配していく。その証拠に、最初のFKは名古屋。そして最初のシュートも名古屋だった。DFからFWまでのバランス良くコンパクトに攻め、守る名古屋は、サイドを意識するG大阪の守備に対し、中央のスペースをうまく使って攻めていく。そして守備でも、バレーの個人技、ルーカスや播戸といった攻撃陣の突破を許さず、決定機的な仕事はさせていなかった。
ところが24分、バレーにペナルティエリア内への侵入を許し、一度はそのスピードを緩めることに成功したものの、バレーのゴールへの意欲が勝る。ボテボテとしたボールながらゴールへと転がり、G大阪に先制を許してしまう。しかし、そこから名古屋は中央のスペースとサイドをうまく使い分け、徐々に名古屋らしい攻撃の形が見え始める。
そして33分、マギヌンからのボールを中央で受け取った中村直志からのパスを受け取った小川。中ではヨンセンらが待っていたがDFに囲まれ、ピンでは狙えない状態。そこでの小川の判断は、ドリブルでもなく、パスでもなかった。思い切りゴール目掛けてシュートを放つと、これがG大阪ゴールネットを激しく揺すり、同点のファインゴールが決まる。
両チームとも最後の一手を決められず、1対1で前半を折り返す。後半に入っても、変わらず名古屋がボールを支配。サイドをケアされ、中を使おうとする名古屋に対し、G大阪はボランチの遠藤や橋本が中央で厳しいプレスをかけ、パスコースを消すなどして、決定機を作らせない。いつものテンポでサイドアタックを仕掛けてチャンスを作ることができず、中に絞っての攻撃をせざるを得ない名古屋は、ペナルティエリア内での勝負を仕掛けていくが、ここはガッチリ守られて、ヨンセンや玉田にボールを送ることが難しい状況だった。
その状況を打開しようと、先に動いたのは名古屋。早々に玉田から杉本に代える。そこから攻撃のテンポが早まり、何度となくチャンスを作っていく名古屋。もう一度流れをつかんでゴールを、という流れになっていく。さらに攻撃的に、そして守備も堅くという意図だろうか、マギヌンに代えて米山を投入し、ワンボランチ気味で中村、吉村を押し上げる。これも良い効果を生み、奪ったボールを米山が絶妙なパスで前線へ送り込む。押しているのは名古屋だったが、なかなかチャンスをものにできず、G大阪のプレスに苦しむ。お互い引かず、シーソーゲームの様相で70分がたとうとしていた。
69分、バレーをゴール前でフリーにさせ、一度は楢崎がシュートを弾くも、再度粘られ、角度のないところから追加点を決められてしまう。怒濤の攻撃でG大阪ゴールに襲いかかる名古屋だったが、追加点の後も、徹底してペナルティエリア内で仕事をさせないG大阪のプレスに、針の穴を通すような配球しかさせてもらえず、フィニッシュが決まらない。藤田を投入し、中央でもう一度落ち着かせ、ビッグチャンスを何度も作るが、もう1点が奪えないまま試合終了となってしまった。
バレーの2発で試合を決めたG大阪。「バレーにやられた感じがある」(名古屋・小川)のはもちろん大きいが、「中盤でパスの出しどころを消せなかった」(名古屋・吉村)というところから、ペナルティエリア内で仕事をさせてしまったことが大きい。それに対し、ペナルティエリア内ではほとんど仕事をさせなかったG大阪。ここが今回の勝負の分かれ目だったのではないか。
3連敗したとは言ってもまだ3位。首位の浦和、2位のFC東京との勝点差はわずか1だ。ここでこのまま沈むか、踏ん張るかで、最後の結果は大きく違ってくるだろう。ここで立ち止まっては同じことの繰り返しだ。本当の強さを身に付けるためにも、どんな形でもいい、勝利を取りにいく姿を見せて欲しい。
以上
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