5月3日(土) 2008 J2リーグ戦 第11節
湘南 4 - 0 福岡 (13:05/平塚/6,146人)
得点者:11' アジエル(湘南)、14' 石原直樹(湘南)、52' 石原直樹(湘南)、88' リンコン(湘南)
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冴えない曇り空を晴らすかのごとく、ホームの湘南が早々に口火を切った。11分、加藤望の右コーナーキックを斉藤俊秀がファーサイドで折り返す。そして、なかで構えていたアジエルが渾身のジャンプからヘディングシュートを沈めた。
斉藤にとって、今節はJ1とJ2あわせて300試合出場となる節目のゲームだった。試合前のアップでは、カルロス・フィジカルコーチが「誰もがなし得ることではない」と讃え、チームを鼓舞している。斉藤自身、また仲間たちとしても、勝利への意欲をいっそう強めて臨んだ一戦だったろう。先制点に繋がるコーナーキックは、記録を刻んだ男が発端だ。ハーフラインよりも手前、自陣で得たフリーキックで斉藤は直接ゴールを狙い、福岡GK吉田宗弘を慌てさせた。吉田は辛くもパンチングでコーナーキックへと逃れたが、この試合で通算393試合出場を迎えた大ベテランの右足が攻勢を繋いだのだった。
湘南の攻撃はさらに続く。14分だ。右コーナーからふたたび加藤が、こんどはニアを狙う。反応した石原直樹は、体勢を崩しながらも右足で合わせ、遠い隅へとねじ込んだ。
幸先のよい立ち上がりに、ホーム復帰戦となった臼井幸平の喜びもひとしおだったようだ。前節の山形戦でスタメンに立ったものの敗戦に終わり、チームの連勝も潰えていた。くすぶる想いは想像に難くない。追加点のきっかけをつくったのは、その臼井だった。アジエルとの連係で右サイドを深くえぐり、相手のファウルを誘う。そこで得たフリーキックが、2点目を導くコーナーキックに繋がっていた。
一方、5分に久永辰徳のラストパスから城後寿がシュートを狙って以降、福岡は沈黙していた。両者の中盤での奪い合いは激しさを見せていたが、競り合いや味方のカバー、動き出しなどで上回る相手にボールを握られた。だが2失点を喫してから、布部陽功が前線に顔を出し、久永も絞るなどして、前半残り10分を切ったあたりからポゼッションを高める。最大のチャンスは44分だ。田中佑昌が右サイドを持ち込み、クロスを送る。しかしファーで合わせた大久保哲哉のヘッドはポストに嫌われ、湘南の2点リードで前半を折り返した。
前半終了の笛によって、勢いに水を差された格好となった福岡だが、「立ち上がり10分、全力で1点を取りにいこう」というリトバルスキー監督のゲキにプレーで応える。開始1分にも満たないうちに放たれた田中のミドルが象徴的だ。だが、これはまたしてもポストを叩いた。逆に、「3点目を獲りにいこう」と菅野将晃監督に送り出された湘南が52分、ゴールを陥れる。前半から田中との激しいマッチアップを繰り広げていた鈴木伸貴が、パスを受けるなりフェイントで抜き、GKとDFのあいだに彼らしい低空の鋭いクロスを刺す。走りこんだのは石原だ。右足で合わせ、反撃を目論む敵の出鼻を挫いた。
3点のビハインドを背負った福岡は、後半開始のハーフナー マイクに続き、中払大介と鈴木惇を相次いで投入し、中3日のアウェイ戦で疲弊する肉体に鞭打ってゴールを目指した。70分過ぎには中村北斗が右サイドを駆け上がり、クロスのこぼれ球を城後が詰めてミドルを撃つ。また80分にはハーフナー マイクがDFラインの裏を盗り、GK金永基との1対1まで持ち込んでいる。しかし、いずれも金が立ちふさがった。
一方の湘南は終了間際、右サイドを突破した鈴木将太が大山俊輔に預け、その大山がGKとDFのあいだの狭い空間に絶妙なクロスを通す。待ち受けていたリンコンの移籍後ホーム初ゴールは、途中交代で入った彼ら3人によるこの日の仕上げとなった。
「厳しい敗北となった」リトバルスキー監督は言葉に悔しさを滲ませた。ディフェンス面、ことにエアポケットのような3分間が悔やまれる。ただプレッシャーのかかるなかで見せたハードワークには指揮官も一定の評価を示しており、タレイとグリフィス、そしてルダンの復帰も近いという。熊本、広島と続くホーム連戦を立て直しの足がかりとしたい。
対して湘南は、福岡から2002年9月28日以来となるホームでの勝利を挙げた。指揮官は、「山形戦でやり残したことをしっかりと表してくれた」と、選手たちを讃えた。
最後に、アップの際のカルロスの言葉をもうひとつ付け加えておこう。
「トシさんの記録は誰もがなし得ることではない―でも、この先にもさらに道は続いている」
いつしか晴れ間が差していた平塚競技場をあとに、湘南は次節、笠松に臨む。
以上
2008.05.04 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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