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【J1:第10節 千葉 vs 柏】柏レポート:千葉ダービー制す! フクアリに咲き誇った太陽王の笑顔。(08.05.04)

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5月3日(土) 2008 J1リーグ戦 第10節
千葉 0 - 1 柏 (16:03/フクアリ/14,103人)
得点者:37' アレックス(柏)
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 「両方のサポーターが盛り上げてくれて、すごいいい雰囲気だった」。試合後、ダービーの雰囲気についての印象を尋ねると、柏のキャプテン大谷秀和はそう答えた。またひとつ刻まれることとなった千葉ダービーの歴史。千葉、柏ともに苦境のなかで迎えた一戦のなか、サポーターが作り出した緊張感のある舞台で、勝利の喜びを爆発させたのは柏だった。

  試合を通して見れば、停滞が見られる時間の長い試合だった。攻撃に多くの手数をかける千葉に対し、1トップに入ったポポのチェックを合図にプレスの網を張る柏。しかし、ボールを奪ってからのミスパスが続き、ゲームを落ち着かせることができない。互いにここまでの不調を感じさせるようなプレーで、ゴールへの道のりが遠い印象を抱かせる展開となった。

 だが、そんな矢先にアレックスが結果を残す。キックを重ねるたびに徐々に照準を合わせていった仕事人は、この場面でも高精度のFKをエリア内に送り込み、最後は古賀正紘の競り合いがブラインドとなったところで、そのままゴールイン。貴重な先制点はアウェイチームに生まれ、自らのキックを誇らしげに喜ぶアレックスに柏の歓喜が溶け合っていった。

 ところが、その後も互いにテンポがアップしてこない両者。後半に入ってからも同じリズムが続いたが、ひとりの選手がピッチ上に新たなビートを刻んでいく。途中出場で姿を現したレイナウド。かつて柏にも所属していた褐色のストライカーは右サイドを蹂躙し、瞬く間に柏ゴールに迫っていくと、次々とチャンスを作り出していった。

 千葉の同点弾も時間の問題かに思われたが、ここで活躍を見せたのはこの日がリーグ戦初出場であり、24歳の誕生日でもあった菅野孝憲だった。「菅野がいいセーブを出してくれた」(石崎信弘監督)、「今日は菅野のお陰」(大谷)と、監督、チームメイトともに賛辞を惜しまなかった柏の新守護神は、千葉の決定的なシュートをことごとく防ぎ、鬼神のごとくチームを後方から盛り立ててみせた。

 終わってみれば、昨季のスタイルを彷彿とさせるような粘りのサッカーで1対0の完封勝利を飾った柏。勝点13の13位に浮上したチームにとって、上を見れば同3差のなかに7チームがひしめく合う混戦模様となっている。しかし、様々な出来事を乗り越えた柏にとって、このダービーでつかんだ勝点3の重みは、単なる数字以上のものとなる。次戦はホーム日立台での神戸戦。監督、選手ともに口をついた今季初となる連勝への切なる想いが、上昇気流へのきっかけとなるはずだ。

 試合前から鮮やかに染まった黄色の空間のなかで、ゴール裏から飛んだ大声量の応援が、選手たちを奮起させ勝利に導いた。連動しなかった攻撃、綻びを見せた守備と、次に繰り越された課題はまだまだ多いものの、再び走り始めた柏は前を向いて突き進んでいくことだろう。試合終了後、活躍を称えて最初にコールを送られた菅野が、ゴール裏に陣取ったサポーターとのやり取りで笑いを誘う。まだ慣れていない“新人”によるぎこちないその触れ合いは、これまでの空気を吹き飛ばすような、なんとも新鮮な気持ちを呼び起こしてくれるものだった。

以上
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