5月11日(日) 2008 J2リーグ戦 第13節
横浜FC 1 - 0 愛媛 (16:03/ニッパ球/2,734人)
得点者:58' アンデルソン(横浜FC)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
----------
今シーズンのJ2も第13節を迎え、どのチームも戦い方がはっきりとしてきている。一方で、長いシーズンを考えると、怪我や出場停止でベストメンバーが組めない試合が出てくる。そういう時こそ、控えの選手の層の厚さがポイントになる。この試合の横浜FCは、まさにその状況を迎える。怪我で三浦知、三浦淳のダブル三浦を欠く事態。この試合でキャプテン山田が復帰するとはいえ、横浜FCのビルドアップの質を支えていた2人だけに、早くもチーム力が試されることとなった。都並監督は、今シーズン初先発の池元、Jリーグデビューの八角、第3節以来の先発となるDF太田を思い切って起用。その彼らが、都並監督の期待に大きく応える活躍をした。
前半から「サイドを効果的に使いたかった」(望月監督)愛媛は、サイドハーフにボールを入れて起点を作ろうとするが、そこに横浜FCのプレスが入る。横浜FCがボールを奪うと、早めにサイドの相手DF裏のスペースを使いチャンスを作る。その結果、愛媛のディフェンスが徐々に後ろに下がり始めるが、逆にこれが試合の流れを、横浜FCにとって難しいものに変えることとなる。愛媛FCのDFラインは低いながらも、「とりあえず失点0で行きたい」(宮原)ため非常に高い守備意識を保ち、バイタルエリアに鍵を掛ける。特にアンデルソンなど、前線でボールを持った選手に対するマークが厳しく、最後の場面での崩しを許さない。横浜FCにとっては、じりじりとした展開となる。一方の愛媛もロングフィードで打開を図るが、ロングパスの精度を欠き、うまくこぼれたところをミドルシュートするパターンに終止した。ともに決め手を欠き、前半を0-0で終える。
後半は、両チームとも積極的に出る入り方を見せ、チャンスを作るが、流れを変えたのは「後半は遠目から積極的に行こうと思っていた」初先発の池元。51分、52分と池元が自らボールを持ち込み、ミドルシュートを放つ。すると、サイドバックの太田がオーバーラップしてクロスを上げるようになるなど、横浜FCの攻撃が活性化。愛媛にとっては我慢の時間となるが、ここで我慢がしきれず、58分の宮原のバックパスが不用意なミスになる。アンデルソンがこのボールを逃さず拾い、そのまま持ち込んでゴールを決めて先制。失点したことで、愛媛がより攻撃的に仕掛け、横浜FCはカウンターを狙うという、前半とは逆の構図となる。さらに最後の10分は、愛媛FCはパワープレーを仕掛けるが、横浜FCのディフェンスも最後まで集中を切らさず粘り強い守備で得点を許さない。最終的に、横浜FCが1-0での逃げ切りに成功した。
横浜FCとしては、「財産になるゲーム」(都並監督)というように、単なる勝点3以上の意味があるゲームになった。その最大の理由は、山田、太田、八角、池元と、大幅に入れ替わった選手が、それぞれの持ち味を出しながら役割を全うし、チーム全体としては一定のクオリティを表現できたことにある。特に、金曜日にいきなり先発を言い渡された八角が、鋭い読みで愛媛の武器であるクサビのボールをことごとくカットし、相手の攻撃の芽を摘んだ。今後のチーム内での競争も激しくなることは必至で、今後のチームの成長に期待を持てる試合となった。この日活躍した若手が、今後も同じパフォーマンスを続けられるかが、次の課題だ。
一方、愛媛にとっては持てる力は出したものの、後半の横浜FCのギアチェンジに対応できず、「我慢できなかったのがもったいない」(望月監督)ゲームとなった。サイドでの主導権を得ることを狙ったゲームだったが、守備のラインが下がったために、バイタルエリアにボールが入っても、相手の守備ラインを崩す動きまで持ち込む場面が少なかった。望月監督は、連動した守備により、ボールを奪う位置を高くしたいと述べており、この点が修正されてくることを期待したい。
それぞれのチームが収穫と課題を持ち帰ったこの試合。今後の長いJ2のシーズンの中で、これらをどのように生かしていけるかが、これからのシーズンの中で大きく効いてくることは間違いない。
以上
2008.05.12 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第13節 横浜FC vs 愛媛】レポート:選手を大幅に変更した横浜FCが、愛媛FCの不用意なミスを突き勝点3を奪う。初先発の若手がチャンスをつかみ、チームの底上げに手応えを得る。(08.05.12)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













