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【J2:第13節 熊本 vs 岐阜】レポート:今季初の完封勝ちで、岐阜が無得点の2連敗から脱出。熊本は流れを引き寄せられずに完敗。(08.05.12)

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5月11日(日) 2008 J2リーグ戦 第13節
熊本 0 - 2 岐阜 (16:03/熊本/4,608人)
得点者:56' 梅田高志(岐阜)、64' 片桐淳至(岐阜)
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 今季からJ2に入会したチーム同士の初顔合わせという事もあって、このカードに注目していたファンも多かっただろう。双方のサポーターにとっては、他のチームに増して“負けたくない”という気持ちは強かったはずだし、口にこそ出さないものの選手達にとってもそれは同じだったろう。

 だが結果は0−2。昨シーズンのJFLでの1点差(前期での対戦)からスコアが開いた形に終わり、熊本は岐阜から初勝利を挙げる事ができなかった。
 掲揚ポールに掲げられた両チームのフラッグをはためかせる強風がピッチ上の選手達にも吹きつける中、熊本は前半、風下のエンドに立った。

「前半は0−0でOKというか、後半勝負というプラン」(池谷友良監督)で臨んだ熊本は、基本的にはロングボールを主体にしてセカンドボールを拾うという狙い。だが風の影響もあって岐阜の最終ラインを混乱させるようなボールを供給できず、またタテへの速さを警戒して低めのゾーンを作っていたこともあって、なかなか中盤でボールを拾えない状態。それでも2分にはMF小森田友明から左へ展開してクロスまで持ち込んだり、4分には左に流れたFW高橋泰とMF車智鎬のコンビからゴール前に迫ったりとチャンスを迎えるが得点は奪えない。

 一方の岐阜は、バックラインでボールを回しながらパスコースを探す余裕があった。MF梅田高志、菅和範にクサビのボールを入れてシンプルに落としたり、あるいはポジションチェンジで作り出した熊本DF陣の外のスペースを狙ってDF小峯隆幸からのロングフィードで両サイドを走らせたりと、“奪った後に速く展開する”という一貫した戦い方の中にもバリエーションを見せて熊本に的を絞らせず、15分頃からは一方的な展開に持ち込む。
 岐阜にしてみれば、9本ものコーナーキックを得るほどに押し込みながら前半に先制点を奪えなかった点は誤算だったかもしれない。風下で主導権を握られながら、さらにはMF山口武士を警告2枚で欠く1人少ない条件ながら、GK小林弘記らを中心にした熊本の守備陣は、前半を良く耐えたと言っていい。

 後半に入って熊本はFW中山悟志に替えてMF喜名哲裕を投入。中盤でバランスを取ろうと試みるが、トップが1枚になったことによって前線でのチェイシングができない上、最終ライン、ボランチ、2列目もやはり下がり気味で、奪ったボールも単純なクリアに終止。そのことで高橋もボールを受けるために下がり始め、全体的に引いているせいで中盤の押し上げや追い越しが見られないという悪循環で、結局流れは変えられないまま。1点目は中盤での寄せの甘さからゴール前まで繋がれて梅田に前を向かせ、2点目は前がかりになったところでカウンターを食らった。片桐淳至の落ち着いたシュートの前に、起点となった高木和正のドリブルを防がなければいけなかった。
 その後は失点覚悟で点を取りに行くが、岐阜も2点リードを守るべく集中して対応し、逆にカウンターで追加点を狙うという落ち着いたゲーム運びで、結局このまま逃げ切った。
 確かに、MF山口の退場は痛かったが、それよりも後半の入り方が悪かった。後半勝負に臨む以上、残り時間もたっぷりある立ち上がりから全体的に押し上げ、もっと積極的に点を獲りに行く姿勢を見せる事ができていれば、流れは違っていたかもしれない。2点のリードを許してから3バックにして攻めに出たものの、残り時間は約15分しかなく、こちらがやりたい“耐えてからのカウンター”を、逆に岐阜にしてやられた形となった。

 岐阜は無得点での2連敗から完封勝ちで脱し、次節、休みなしで戦って来た第1クールの最終戦に臨む。怪我人の影響でベンチをやりくりしてきた中での連係や、守備と攻撃のバランスの修正度を測る上でも、草津に勝って五分の成績で第2クールを迎えたい。

 熊本はこれで3勝2分7敗。連敗は1度しかないが、奪ってからの展開の部分でもしっかりとパスが収まらないなど、精度の低さも露呈し、勝った試合のいい流れを維持できずに自ら勢いを削いでいる。
「自分たちを信じて、積極的な守備をやり続ける事が一番大事だと思います。どんなことがあっても、それに向けた財産を積み重ねて行く。これをやりきれたら、いいチームになると思う」という池谷監督の言葉を裏返せば、それができなければチームとしての安定度を高め、ステップアップしていくことは難しいということでもある。

 徳島、そして好調の仙台と続く第1クールの残り2試合で、良かった試合で表現できたサッカーを再び取り戻したい。岐阜へのリベンジは、そこから始まる。

以上

2008.05.12 Reported by 井芹貴志
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