5月17日(土) 2008 J1リーグ戦 第13節
札幌 1 - 3 名古屋 (13:04/札幌ド/16,631人)
得点者:16' 宮澤裕樹(札幌)、50' マギヌン(名古屋)、69' 玉田圭司(名古屋)、80' ヨンセン(名古屋)
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ストイコビッチ新監督が就任し、開幕から7節まで6連勝を含む無敗という好スタートを切った名古屋。そこから3連敗と一時調子を落としたものの、この札幌戦に勝利し勝点を首位・浦和と並ぶ26へと積み上げた。一方、17位の札幌は前節の大宮戦で連敗を4で止め調子を上向かせたものの、中断期間前最後の試合は黒星となってしまった。
前半の主導権を握ったのはホームの札幌だった。ゾーンで守る4バックの前に4人のMFがスクリーンを敷き、宮澤裕樹、ダヴィで組む2トップが献身的な守備で相手のビルドアップを乱す。テンポ良いパスワークで攻撃のリズムを生み出すポゼッションスタイルの名古屋の攻撃は、この札幌の組織的守備にほぼ完全に封じられた。
そして札幌は吉弘充志、柴田慎吾のセンターバックが素晴らしい働きをした。札幌のゾーンディフェンスに手を焼いた名古屋は、その守備網を避けるべく長身FWヨンセンにロングボールを当てる戦い方にスライドしたのだが、そこでの空中戦ではことごとく柴田が勝利。ヨンセンと2トップを組む玉田圭司の足下へボールが入ったとしても、吉弘が抜群のタイミングでアプローチを仕掛けて自由にさせない。セカンドボールに対してもチーム全体がハードワークを保ち、その大半を拾った。16分には宮澤がプロ入り初ゴールとなるミドルシュートを叩き込み、札幌にとってはほぼパーフェクトな内容で前半の45分を終えた。
この展開は昨季のJ2を制した時の札幌にとっては勝利の方程式と言っていいもの。より守備を堅くし、1点を追う相手が前がかりになったところをカウンターで狙う。そうした戦いを徹底し、札幌はJ1へと辿り着いた。だが、言うまでもなく現在戦っている場は日本のトップリーグであるJ1。守備的なチームに対しては、そう簡単に狙い通りの戦いをさせてはくれない。
後半の名古屋は攻撃のリズムに変化をつけてきた。DFとMFの8人がブロックを形成する札幌のゾーンディフェンスに対し、斜めのパスを多用することで揺さぶりをかける。そして、そこに縦への強引なドリブル突破を絡める。そうして札幌の守備網に少しずつズレを生み出し、50分、相手ペナルティエリア内で数的優位を作りマギヌンが得点した。
そしてストイコビッチ采配も光った。67分、FW杉本恵太を右MFの位置に投入する。するとその2分後にさっそく杉本は右サイドからクロスを上げて玉田の華麗な逆転ゴールをアシスト。80分にもこの杉本が起点となった攻撃からPKを獲得。残り10分の時点で3−1のスコアとし、勝負を決めた。
それにしてもこの日の名古屋は強かった。前半こそ札幌のアグレッシブさに押されゲームをコントロールされてしまったが、後半にはすぐに相手の急所を見つけ狡猾に突く。そして、ストイコビッチというかつての世界的な名プレーヤーだからこそ持ち合わせるベンチワークの感性。ラスト10分は最終ラインのひとつ前にベテランDF米山篤志を配置し、4−1−4−1のシステムでセーフティな逃げ切りを図る戦略性。立ち上がりから名古屋の動きが冴えてこうした展開になったのならばそれほど強い印象は残らなかったかもしれないが、前半に関しては完全に札幌が主導権を握り、名古屋の動きはそれほどスムーズではなかった。それがハーフタイムの修正で戦い方をマイナーチェンジし、そこから3得点を奪って完全に自分達のゲームへと持っていったのである。中断期間後、どのようにチーム戦術を高めて優勝争いへと食い込むのか、注目したい。
そして敗れた札幌だが、前半のゲームコントロールはまさに組織的だったし、前述した通りディフェンス中央の強さは特筆すべきものだった。後半に関しては体力的に落ち込んでしまった印象だが、最後まで相手ゴールへの意欲を見せた部分は賞賛したい。現在は降格圏内の17位だが、こちらもまた中断期間後の姿に期待したい。
以上
2008.05.17 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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