5月17日(土) 2008 J2リーグ戦 第14節
C大阪 2 - 0 湘南 (16:04/長居/6,629人)
得点者:11' ジェルマーノ(C大阪)、89' 小松塁(C大阪)
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試合の4日前、C大阪のレヴィー・クルピ監督にこんな質問をした。「(湘南が前節対戦した)鳥栖はアジエルにマンマークをつけたが、あなたはどうするつもりなのか?」と。一瞬、言葉を飲み込むように間を空け、ジロリとこちらを睨むようなしぐさをした監督は、「特にまだ考えていない」と答えていたのだが…果たして、レヴィー・クルピ監督は、相手のキーマン、アジエルにボランチの羽田憲司を密着させた。
前半の立ち上がりから湘南がボールを支配し、優位に試合を進めるかに見えた。が、意外な展開になった。11分、羽田からのボールを受けたジェルマーノが、ロングシュートを放つ。これがGKの頭上を越えてゴールイン。どちらかといえば劣勢に立っていたC大阪が先制した。
その後も湘南の速いプレス、アグレッシブな姿勢は変わらない。「監督からは『どこにいくにも付いていけ』と言われました」という羽田がアジエルをマークするなか、加藤望や2トップの石原直樹、阿部吉朗が流動的に動いて攻めた。対するC大阪も香川真司と柿谷曜一朗、2人のシャドーストライカーが攻撃を組み立てようとするが、相手の厳しい寄せになかなか決定的な形は作れなかった。中盤で激しい攻防が繰り広げられ、互角のまま前半が終了した。
後半に入っても、双方一歩も引かず、まったく目の離せない緊迫したゲームが続いた。C大阪は、58分、59分と柿谷がシュート、62分にも湘南ゴール前で波状攻撃を見せると、湘南はFW阿部に代えてリンコンを送り込んで、前線をパワーアップさせた。そして、78分にC大阪・香川がゴール左から惜しいシュートを打てば、82分には湘南の臼井幸平のシュートがバーを叩く。最後まであきらめずに攻撃を繰り返す湘南、時間が経ってもまったく集中が途切れないC大阪ディフェンス…息詰まる熱戦はロスタイム直前の、小松塁のダメ押しゴールが決まるまで続いた。
結局、2-0でC大阪が勝った。が、その差は点差とイコールではないように感じた。「我々のサッカーができた。試合自体をしっかり握れた」という菅野将晃監督の言葉通り、湘南は自分たちのサッカーをアウェイのピッチ上で見せ続けた。C大阪のマンマーク策により、決定的な仕事ができなかったアジエルだが、脅威は十分感じられたし、何より全員が連動して攻めるサッカーは迫力があった。
C大阪は、どうしても欲しかった「湘南からの勝点3」を見事に手にした。「自分の仕事を最低限したと思う」と振り返った羽田を始め、バックラインの選手も自らの役割を忠実にこなした。早い時間帯での先制点、終了間際の追加点と理想的な時間帯で点を取れるタレントがいたことも大きかった。
「非常にいいゲームだった」と、両チームの監督が同じコメントを残したことからもわかるように、見ごたえのあるグッドゲームだった。サポーターにとってうれしいのは、この昇格を争うライバルの対戦が、今季あと2回もあること。次も、その次もきっと素晴らしい試合を見ることができるだろう。
以上
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