5月17日(土) 2008 J1リーグ戦 第13節
千葉 1 - 0 大分 (16:05/フクアリ/11,616人)
得点者:27' 谷澤達也(千葉)
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今まであれだけ守備で苦しみ、失点を重ねたのが信じられないような、千葉の連続無失点勝利だった。前節は対戦相手の京都が不調だったし、今節は大分の決定力不足にも助けられた。だが、選手たちが役割を果たそうと奮闘したことが結果に結びついたのは確かだ。
千葉は、前節はDF斎藤大輔とMF下村東美がダブルボランチの4−4−2だったが、今節はアレックス・ミラー監督が大分対策として、ディフェンスラインの前に斎藤が一人で入り、その前に下村がいる縦の関係となった。さらに、キックオフ直後はFWのレイナウドと新居辰基の2トップに、右サイドハーフはMF工藤浩平、左サイドハーフはMF谷澤達也という形だったが、新居が右サイドに張って工藤が中に入る4−1−4−1システムに変更。結果的に、新居の右サイドでの起用がはまった。
前方にスペースがある状態でゴールに向かう新居は、スピードと独特のボールタッチを駆使して突破を図り、対戦相手にとっては脅威となる。実際に今節の新居は工藤をはじめチームメートとの連係も利用しながら、千葉の右サイドの攻防で主導権を握った。27分の千葉の先制点はまさにその形から。工藤との連係でペナルティエリア内に侵入した新居は、大分のクリアミスのボールを拾うと、相手と競りながら粘り強くドリブルしてゴールライン間際でクロスボールを上げた。すると、レイナウドよりもさらにファーサイドの位置にフリーの状態で走りこんだ谷澤がヘディングシュート。待望の先制点を得た千葉は、その後もたたみかけるように攻めた。29分、新居、工藤とつないで斎藤が豪快なロングシュート。ボールは曲がりながらゴールの枠内に飛んだが、大分のGK西川周作が右手1本で弾くスーパーセーブを披露した。さらに、37分には新居のクロスボールからレイナウドが決定的なヘディングシュートを放つが、これも西川の横っ飛びの好セーブに阻まれた。
前半は完全に「後手後手にまわった」(DF小林亮)大分だが、前半は中央でプレーすると斎藤を中心とした千葉の中盤での守備に苦しめられたMF金崎夢生が、後半から右サイドでのプレーを増やして攻撃を活性化。金崎と小林の連係プレーで何度も右サイドから攻め込んだ。千葉が「前半のプレーで後半は疲れが出た」(谷澤)こともあって全体的に引き気味になり、中盤でこぼれ球を拾えるようになった大分は猛攻を仕掛けて千葉を圧倒。だが、後半だけで8回もあったCKなどセットプレーも最後の部分の精度を欠いて実らず、ノーゴールに終わった。サイドの守備を意識した前半は攻撃時のパスも選手の動きもスピードが上がらず、千葉の守備網にかかってしまったことが悔やまれる敗戦だった。
追加点を奪えていれば、試合終了の瞬間までサポーターをヒヤヒヤさせずにすんだ千葉だが、GK立石智紀は「追加点が入っていたら楽だったけど、リードが2点あったら守りに入ってしまうことも考えられる」と振り返った。今節に限れば1−0という最少点差の緊張感によって、ようやく形と自信を得てきた守備で「最後まで集中が切れないで我慢できるようになった」(立石)のかもしれない。このあとのヤマザキナビスコカップ予選リーグ3試合で内容の質を上げて結果を出すことが、中断後のリーグ戦での浮上につながる。
以上
2008.05.18 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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