5月18日(日) 2008 J2リーグ戦 第14節
徳島 2 - 0 熊本 (14:04/鳴門大塚/2,665人)
得点者:37' 大島康明(徳島)、42' ドゥンビア(徳島)
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チャンスは決して多く作れなかった。今日の一戦について見れば、徳島は目指す『アグレッシブなサッカー』を攻撃面で表現することがあまり出来なかったと言わざるを得ないだろう。しかし、守備に目を向ければそこには間違いなく求める積極性があった。ボールを奪おう、しっかり守ろうとする強い意欲が個々から感じられ、またチームとしても前線からボールを追い込む連動した守りが実践されていたと言えよう。そして結果的に、勝負を決めた2ゴールもその守りが起点となって生み出されることに─。
こうして今節徳島は持ち味の積極性を守備に発揮して勝点3を奪取。ホームで連敗を止め、再び前進の一歩を踏み出した。
試合を振り返ると、前半立ち上がりの徳島は風上を利用した熊本のロングボール主体の攻めに混乱させられる。熊本の2トップ高橋泰、中山悟志に送り込まれる長いフィードを西河翔吾、登尾顕徳が跳ね返しはするが、そのセカンドボールを喜名哲裕、小森田友明に拾われ波状攻撃を許した。さらに徳島はDFライン前中央のスペースを埋め切れていなかったことで決定的ピンチも招く。そこで前へ向かれた高橋にポスト強襲のミドルシュートを放たれるなど肝を冷やす場面を続けて作られてしまった。
するとここで徳島・美濃部直彦監督が素早く決断。いつもより前目の位置、3トップの右サイドのような高いポジションに配していた大島康明を従来の場所へ戻して中盤に厚みを持たせると、これによって徳島は守備のバランスが取れ始める。それまで支配されていたセカンドボールも拾えるようになり、チームは明らかに落ち着きを取り戻していった。
そして、その後も押し込まれる時間は続くもそれを耐えて迎えた37分、徳島はワンチャンスをものにする。危険地帯となっていた前記のDFライン前中央スペースをケアしていたダ・シルバがそこでの厳しいプレスでボールを奪うと、すぐさま左の藤田泰成へと展開。その藤田が早いタイミングで逆サイド一番奥へ入れたクロスをドゥンビアが折り返し、最後はゴールに背を向けた難しい体勢ながら大島が押し込んで均衡を破った。
さらに徳島はその5分後にもゴールネットを揺らす。熊本の右CKを凌ぐと大島が自陣深くから前に残っていたドゥンビアへ一気のフィード。このボールを受けた徳島のスピードスターは一瞬で熊本DFを置き去りにし、GK小林弘記と1対1に持ち込んで冷静にこれを沈めた。が、ここでも積極的な守りがこの得点を生む大きな要因となったことを忘れてはならない。特にこぼれ球へいち早く駆け寄り、精一杯体を伸ばした必死のヘディングで大島へと繋いだダ・シルバのプレーは大きな賞賛に値するものだったと言えるだろう。
こうして2点をリードした徳島は、後半も熊本にポゼッションこそ許しながら集中した守りでことごとくピンチを凌いでいく。DF陣の粘り強いチェックはもちろん、ダ・シルバと米田兼一郎も早い潰しと効果的にスペースを埋めるポジショニングで貢献。加えて石田祐樹、ドゥンビアも自陣深くまで懸命にボールを追って戻り、チームはまさに一枚岩となった守りを披露した。そして今季初出場となったGK古田泰士の頑張りも触れないわけにはいかないだろう。大きな声でのコーチングと、果敢な飛び出し、体を張った勇敢なセービングで起用した指揮官の期待に応えた。
試合後、連敗を脱出した美濃部監督は「攻撃面でサイドバックを有効に使えなかったし、中盤でもボールが落ち着かなかったのでその辺を修正していきたい」と早くも次を睨む。また1ゴール1アシストの大島も「内容が悪かっただけに守備陣には感謝しています」と反省しながら、次節こそ攻撃面でも『アグレッシブなサッカー』を見せることを誓っていた。
対して敗れた熊本は、池谷友良監督も「思うことが多すぎて…。今シーズンで一番悔しいゲームとなりました」とその胸のうちを吐露した通り非常に悔やまれる一戦となったのは間違いない。さらに指揮官は続けて「我々が先に得点出来なかった事が全てだったと思う」と振り返ったが、フィニッシュ精度が高ければと思われる場面は前半特に幾度もあっただけに中2日でやってくる次節へ向けてはその改善が不可欠と言えるだろう。
とは言ってもその一方で「今日はよい入り方が出来たし、ボールを動かせてチャンスも作れた(熊本/上村健一)」のも事実。決して悪い内容のものでなかった部分は前向きに受け取り、今後の糧としていくべきだろう。いずれにしても、熊本にはまた新たな気持ちに切り替えて次の仙台戦へ挑んでもらいたい。
以上
2008.05.19 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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