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【J2:第14節 水戸 vs 愛媛】レポート:パク・チュホがもたらした確かな変化。『2つの起点』と『積極守備』で水戸は約2ヶ月ぶりの勝利!(08.05.19)

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5月18日(日) 2008 J2リーグ戦 第14節
水戸 1 - 0 愛媛 (19:04/笠松/1,721人)
得点者:76' 平松大志(水戸)
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韓国U-23代表候補の実力はダテではなかった。
「ボランチというよりセンターMF」(木山隆之監督)の位置で起用されたパク・チュホ。足元の技術の高さを駆使して中盤で起点を作り、視野の広さを生かしたゲームメイク。彼が中央にいることでサイドが高い位置をキープできるようになり、第9節仙台戦以来見ることができなかった攻撃性がよみがえることとなった。そして、FWとして起用された赤星貴文も生きた。パクと絶妙な連携を見せ、攻撃に厚みを出し、今までのボランチよりも守備の負担が減ったことで自慢の攻撃センスも披露。パクと赤星という『2つの起点』を築いた水戸が序盤からペースを握った。

だが、この日の水戸を支えていたものは今季チームが掲げてきた『積極守備』であった。「自分たちがやってきたことをもう1度確認してやろうとした」と語る鈴木和裕を中心にプレスのかけ方を選手同士で徹底的に話し合ったことにより、チームとしての守備が整理されることとなった。サイドMFの金澤大将と堀健人が愛媛サイドバックに果敢にプレスをかけ、さらに赤星が愛媛のボランチをケア。リーグ最多失点チームとは思えない引き締まった守備を見せ、愛媛に自由を与えなかった。

『2つの起点』と『積極守備』で試合を支配した水戸だが、「まだまだ精度が足りないところがある」と木山監督が反省するようにアタッキングエリアでミスを連発。攻め込みながらも決定機を作り出せないじれったい展開が続いた。愛媛も中盤でパスをつないで水戸のプレスを打開しながらサイドから崩す意図は見えたものの、クロスやラストパスの精度を欠き、ゴール前に侵入できず。互いに決め手を欠いたまま時間は流れていった。

「やられるとしたらセットプレーだと思っていた」と望月一仁監督。その予感が当たった。76分、赤星が蹴った左CK、ニアに飛び込んだ平松大志が頭で合わせ、ついに水戸が均衡を破ることとなった。その後、ビハインドを背負った愛媛は若林学を投入し、パワープレーで水戸ゴールをこじ開けようとしたものの、水戸の守備陣は最後まで集中を切らさず、ロングボールを跳ね返し続け、第3節以来の勝利、そして無失点という待望の結果を手に入れることとなった。

愛媛にとっては苦しい敗戦だ。チームの目指すポゼッション率の高いサッカーを見せたものの、ゴールに迫ることができず、ミスから与えたCKで失点を喫してしまった。前節もミスからの失点で敗戦を喫しているだけに集中力の欠如はチームの大きな課題と言えるだろう。そして「シュート打て!」と試合後にサポーターが叫んだようにパスはつないでもゴール前にたどり着かない戦いが続いている。何のためのポゼッションなのかをもう一度見直す必要があるだろう。

水戸にとっても全体的にミスが多く、流れの中で愛媛の守備を崩した場面がほとんどなかっただけに決して満足いく勝利ではないだろう。ただ、4連敗という苦境から這い出したことは大きな価値がある。特にチームとして目指す積極的な姿勢を見せての勝利だけに「今日のサッカーができれば守れるということを証明できた」と平松が語るように選手にとって自信になったに違いない。しかし、「これを1試合ではなく、続けることが大事。どんな相手でもやれないといけない」(鈴木和)。この日のサッカーを最低限のベースとして、シーズン通して戦えたときにこの勝利は本当の意味を持つこととなる。

ただ、結果以上にこの試合は大きな意味を持つこととなった。試合前、木山監督と沼田邦郎社長がスタジアムを一周し、サポーターに挨拶をして回った。それは木山監督がサポーターへの感謝の意と、サポーターと一緒に戦っていくという決意を込めて提案したことによって行われたという。サッカーの内容や結果以上にそうした思いというものは水戸というクラブにおいてもっとも重要なものである。そんな木山監督と沼田社長に対してスタンドから大きな拍手が贈られたときから、この日の勝利は約束されていたのかもしれない。パクの加入同様、水戸というクラブに確かな変化が訪れた瞬間であった。

以上

2008.05.19 Reported by 佐藤拓也
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