5月21日(水)J2 第15節 広島 vs 横浜FC(19:00KICK OFF/広島ビ)
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「できれば、第1クールの14試合で勝点30まで伸ばしたい」
開幕前、佐藤寿人キャプテンは、そう語っていた。それは、自信の現れというよりもむしろ、広島の事情を佐藤寿なりに分析した結果と言える。
青山敏弘や柏木陽介といった五輪代表の有力候補を抱える広島では、5月下旬から8月にかけて、U-23日本代表のための主力不在を想定しなければならない。また広島は「考えて走る」スタイルを標榜しているわけだが、夏の暑さと長距離の移動による蓄積疲労は、選手の運動量に大きく影響を及ぼす。さらに第2クールに入ると、対戦相手が広島に負けないために極端なサッカーを仕掛けることも、予想できる。
長いシーズン、必ず苦しい時期がくる。そのために、ポイントを稼げる時に稼いでおきたい。それが、広島屈指の理論派、佐藤寿の分析なのである。
その勝点30まで、あと1ポイント。明日の横浜FC戦で引き分ければ、広島はキャプテンが掲げた目標に達する。しかし、佐藤寿はもちろん、引き分けなど考えていない。
「横浜FCはJ1復帰へのライバルだし、去年は屈辱を味わった相手ですからね。勝って勝点32まで伸ばしたい」
彼の言う「屈辱」とは何か。
それは昨年5月12日、ホームで横浜FCに完封負けした試合である。22本のシュートを放ち、被シュートも7本。内容では相手を圧倒しながら、ミスからカウンターを食らって2失点。先制点をあげた横浜FCのFW難波宏明が、広島のサポーターの目の前で「3本の矢をたたき折る」パフォーマンスを演じたことも含め、「あの屈辱は忘れない」と佐藤寿は言う。
広島・ペトロヴィッチ監督も「横浜FCと言えば、まずあの日の苦い敗戦が思い浮かぶ」と言うほど、昨年のホームでの敗戦は、広島の選手たちに強いインパクトを残している。「選手はみんな、リベンジの気持ちは強く持っている」と指揮官は悔しさに表情をゆがめながら、語った。広島には、この横浜FC戦を「勝点1でいい」などと考えている選手は、誰もいない。まして、今季喫した2敗は、いずれもホームゲームだ(甲府戦、仙台戦)。
話は少し横道にそれるが、これまでのJの歴史を見れば「J2落ち=観客動員減」という方程式が、一つの例外もなく、成り立ってきた。前年比35%減が平均値。あの浦和ですら、J2落ちした年は前年比20%ダウンを受け入れざるをえなかった。
しかし今季の広島は、違う。昨年の1試合平均観客動員は、1万1423人。それが今季は、ここまでのホーム6試合で、平均1万1756人のサポーターを集めている。前年比3%増の実績だ。広島のサポーターが、J2降格の屈辱を味わったチームをいかに力強く励ましてくれているか、この数字を見ただけでも理解できる。
そのホームのサポーターの前で、広島は2敗してしまった。仙台戦では、アディショナル・タイムで失点して敗れるという屈辱も味わっている。「サポーターに支えられていることを実感している」(佐藤寿)だけに、「ホームでは絶対に勝ちたい」という森崎和幸の言葉は、選手全員の本音だ。
横浜FCにとって、前節の福岡戦は厳しい戦いだった。シュート数わずか4。一時は福岡の執念の前に同点に追いつかれもした。「本当に疲れたゲーム。苦しい時間が続いた」という都並敏史監督の言葉は、実感だろう。
ただ、その中でも若きストライカー・池元友樹が決勝点をたたき出し、愛媛戦(13節)でもルーキー・八角剛史がいいプレーでチームを勝利に導くなど、ここに来て若手の成長が見え始めたことは好材料。ここ2試合、攻撃の中心・三浦淳宏をケガで欠きながら、若者の躍動でカバーして連勝を果たし、その若い力に刺激されたように、ケガから復帰した三浦知良が福岡戦で先制ゴールをアシストした。13試合で12得点の得点王・アンデルソンが注目されがちだが、今季の横浜FCを支えているのは、若手とヴェテラン関係なく「選手を固定せずにやっている」(小山健二)ことで生まれる、活性化されたチームの雰囲気。都並監督の巧みなチーム運営が実を結んできた、と言えるだろう。広島戦で三浦淳が復帰するかどうかは微妙だが、たとえ彼が欠場しても、横浜FCはチーム全体でそこをカバーし、首位・広島に挑んでくるはずだ。
今季の第1クールラストゲームは、J1昇格を占う意味でも非常に重要な一戦。この戦いに、好調を維持していた青山敏弘をU-23日本代表で欠くのは痛手だが、「そこには、高柳一誠が入ることになる。若い選手をしっかりと育てていけばいい」とペトロヴィッチ監督は自信を見せる。互いにケガ人が存在し、連戦の疲労があることを考えれば、明日のビッグアーチ決戦は、共にチームとしての総合力が問われる試合となるだろう。
以上
2008.05.20 Reported by 中野和也
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