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【J1:第15節 東京V vs 千葉】レポート:攻守にわたって90分間アグレッシブに走り続けた東京Vが千葉を圧倒。フッキの汚名返上弾、柴崎晃誠のプロ初ゴールなど東京Vにとって実り多き一戦に。(08.07.06)

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7月5日(土) 2008 J1リーグ戦 第15節
東京V 3 - 0 千葉 (18:00/味スタ/10,069人)
得点者:49' フッキ(東京V)、58' 柴崎晃誠(東京V)、79' ディエゴ(東京V)
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 監督から課せられた『集中力と運動量』を最後まで徹底して貫いた東京Vが、アレックスミラー監督就任後安定を見せていた千葉DFを粉砕した。

 左足ふくらはぎ痛のMF福西崇史の出場を断念した柱谷哲二監督は、FW平本一樹を第4節(vs磐田戦)以来の先発で起用し、FWとして使い続けてきたレアンドロを右サイドに配するという策に出た。そして、これが好結果を生むことになった。

「特に前線の選手は、前半で(スタミナが)終わってもいいからとにかく全力で行け」と指揮官から指示を受けた東京V攻撃陣は、立ち上がりから攻守にわたってアグレッシブさを出した。レアンドロ、大野敏隆の両サイドは機を見て積極的に突破を図りクロスを送る。ディエゴ、フッキ、平本はボールを奪うと一気に駆け上がりゴールへと向かった。また、ブラジル人トリオは前半開始から何度も何度もミドルシュートを狙い、千葉ゴールを脅かした。さらに、守備においてチームのテーマである『前線からの守備』が徹底できており、「そこでちゃんとできれば全体が安定するし、リズムが出てきて点も生まれるだろう」という監督の目論見は見事に的中した。

 主導権は握りながらも0−0で迎えたハーフタイム、「フッキが下がったりしてちょろちょろ動いてくれるので、その前にもう1人いないとと話し合った」という平本は、後半からフッキより1つ高い位置でのプレーを心がけると、その効果が早くも出た。
 後半4分、下がり目の位置でフリーでボールを持ったフッキがジワジワと上がりながら寄せてこない千葉DFの隙をつき、ペナルティーエリアのはるか遠くから思い切って左足を振り切ると、これがゴール右隅に鮮やかに突き刺さり先制。キャンプ合流が遅れたことで失われつつあった名誉を挽回した。

 先制され前に出ざるを得なくなった千葉に対し、東京Vのカウンターが襲ったのは同13分のことだ。大野の負傷によって後半頭からボランチに投入された柴崎晃誠はフッキからのパスを受けると、エリア内左から相手DF2人に囲まれながらもシュート。「それしかイメージがなかった(柴崎)」とはいえ、フッキの先制弾と同じコースに吸い込まれた思いがけない自身のプロ入り初ゴールに驚きの表情を隠さなかった。
 これで完全に勢いに乗った東京Vは、あとに続けと言わんばかりにフッキ、ディエゴ、レアンドロが果敢にミドルレンジから狙い続けるなど、攻撃の手を緩めることはなかった。そして34分、逆サイドからのロングパスをDF土屋征夫が頭で折り返し、ディエゴがトラップから反転し、左足で3度同じゴール右隅にボールを沈め、止めを刺した。

 東京VはDFの踏ん張りも効いた。前、後半とも立ち上がりに危ない場面はあったが、それ以外はほとんど千葉の最前線にボールを入れさせなかった。カップ戦を含めたここ4試合大量失点の続いたチームにとって、4月29日以降、6試合ぶりの完封勝利は非常に大きい。DF那須大亮も「自信につながる」と素直に喜んだ。

 一方、ミラー体制後初の公式戦2連敗となった千葉は、立ち上がりこそ高い位置からプレスをかけに行きボールを奪い、この日はFWではなく左サイドからスタートした新居辰基、MF工藤浩平の両サイドへ散らして素早くカウンターを狙うという形が見られた。しかし、「ボールをキープできず、攻めが単調になってしまった」と指揮官・選手たちが揃って口にしたように、東京Vが徹底してきたセカンドボールへの対応で後手を踏み、「75%ぐらいは東京Vがポゼッションをしていた」(ミラー監督)ため、攻撃のオプションを増やす目的で採ったレイナウド、巻誠一郎の2トップにボールが送られるシーンはほとんど見られなかった。
 「パスがつなげなければ戦術どうこうではない」とミラー監督。目下の課題はハッキリしている。

 攻守にわたって労を惜しまず走り続けたレアンドロのサイド起用的中、久々先発の平本、途中出場FW飯尾一慶の成長、そしてボランチ柴崎晃の初得点など、東京Vはこの1試合で多くの収穫があった。「新しい力が結果を残したのは、チームとして底上げが足りない感があったから非常に大きい」(DF富澤清太郎)。次節からは新加入FW大黒将志が出場の可能性も十分考えられる。ボランチも含め、こうした激しいポジション争いの先に、上位浮上の鍵は隠されているのではないだろうか。次の京都戦(12日味の素スタジアム)が非常に楽しみだ。

以上

2008.07.06 Reported by 上岡真里江
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