7月5日(土) 2008 J1リーグ戦 第15節
浦和 2 - 0 F東京 (19:04/埼玉/49,218人)
得点者:3' エジミウソン(浦和)、88' 永井雄一郎(浦和)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
----------
2-0、浦和勝利という結果に埼玉スタジアムは当然のような盛り上がりを見せた。それもそのはず、応援する“オラがチーム”が勝ったのだから。真っ赤に染まったスタンド、ヒーローインタビューにはダメ押しの2点目を決めた永井が照れくさそうに応えている。
ただ、F東京サポーターほか、第3者にしてみれば、やや複雑な気分だったのではないだろうか。
後半は、ほぼハーフコートのゲーム。1点を追うF東京が、浦和を押し込む時間が“長く”続いた。もはや選手の並びなど関係ない。最終ラインも中盤もFWもなく、11人が守備に回った浦和を相手に、F東京が“完全に”主導権を握る。ただ、肝心なゴールだけがF東京に足りなかった。チャンスがなかったわけではないが、それでも決め切れなかった。
試合後の城福監督は本当に悔しそうで、やり切れないといった表情を浮かべていた。「サッカーをして得点を取りたかったが、90分間サッカーをさせてもらえなかった」。いくら攻めてもゴール前にあれだけ張り付かれてはサッカーにならない、と少し嫌味を込めたとでも言おうか。そこには、自身の美学とそれと対極にあるホームチームの戦い方への非難が込められているようだった。
もちろん、浦和がまったくよくなかったかといえば、そうでもない。後半はともかく、前半においては、これまでにない攻撃の形を見せF東京を苦しめた。なかでも光ったのは、調子が一向に上向かない高原に代わって今季リーグ初先発を果たした田中達。キックオフ直後から前線で素早い動き出しを見せ、先制ゴールの起点にもなった。
3分、相手ディフェンスラインの裏を鋭く突くと、エジミウソンへ丁寧なラストパス。「高原の調子が悪かったというよりも、達也の調子がよかった」と話した指揮官の期待に見事応えてみせた。ともに引いてボールを受ける場面が目立つエジミウソンと高原とはタイプが異なり、積極的な裏への飛び出し、メリハリのある前線からのチェイシングはチームの大きな助けとなり、試合後には多くの選手が“田中達効果”を口にした。
これで公式戦の連敗を5でストップ。首位をキープした浦和にとっては、この試合の結果以上に、故障に苦しんできた田中達の出来は大きな収穫となったはずだ。
F東京としては、何より立ち上がりに喫した失点が大きく響いた。88分に喫した2つ目の失点は攻めに行った結果喰らった止むを得ないもの。「フィニッシュの部分に相手との差があった。そこを改善しなければ、この先もいい時間帯はあるけど、勝てないというチームになってしまう」。キャプテンの羽生の言葉が何よりも物語っている。
前線ではトップ下の位置で長身・平山が起点になるなど健闘したが、カボレ、エメルソンら外国籍選手にやや元気がなかったか。勝てば首位浮上のチャンスもあったが、敗れて暫定5位。さらに上を目指すには、課題が出たともいえるだろう。
以上
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第15節 浦和 vs F東京】レポート:浦和、収穫は田中達の出来。試合の主導権を握っていたF東京にとっては苦い敗戦(08.07.06)













