7月6日(日) 2008 J2リーグ戦 第24節
岐阜 2 - 1 山形 (19:03/長良川/3,142人)
得点者:75' 片桐淳至(岐阜)、78' 秋葉勝(山形)、87' 片桐淳至(岐阜)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
----------
お互いが相手の出方を窺うサッカーをするだけに、序盤は両チーム慎重な立ち上がりとなったが、先に仕掛けたのは岐阜だった。右サイドバック川島が高い位置をキープし、流れてくるFW片桐と右MF梅田と積極的に絡んで、右サイドを攻略。リズムを掴むと、DFラインもボランチも高い位置をキープしてコンパクトフィールドを形成し、ショートパスを繋いで崩していくサッカーを展開した。これこそが第1クール序盤で見せていた、岐阜本来の全員がハードワークをしてサイドで数的優位を作って攻めていくサッカーであった。
第2クールに入ってから、松永監督が選択したのは、選手の疲労と離脱を踏まえた上での現実路線といえるリトリートディフェンスからのカウンターサッカーであった。その策により、岐阜の失点数は激減したが、その一方で得点も激減し、引き分けを重ねるようになった。しかし、今日は明らかに違った。2位の山形を相手に、積極果敢に前に仕掛けて行く岐阜の姿がそこにはあった。
攻撃的に来た岐阜に対し、山形はDFラインとMFラインの2ラインでブロック形成をするが、矢継ぎ早に飛び込んできる岐阜の2列目以降の対応に手を焼き、徐々にライン自体が下がっていく。20分過ぎには、MFラインとDFラインの間にもスペースが生まれ、そのスペースに容赦なく斜めに切れ込んでくる高木、梅田、北村、そしてセンターバック深津に対応しきれなくなり、試合は完全に岐阜ペースに。
しかし、ここでも岐阜の悪い癖が顔を出してしまう。バイタルエリアまでは相手を翻弄して崩していくのに、肝心のアタッキングサードで精度や思い切りの良さを欠き、ゴールに結びつけることが出来ない。前半は攻め込んだ印象が強いが、岐阜が実際に放ったシュートは2本。これではゴールに結びつくはずがない。結局、得点を挙げることが出来ぬまま、前半をスコアレスで折り返した。
ここまでは前回のホームゲームの福岡戦(22節)のリプレーを見ているようだった。福岡戦でも相手のマンツーマンディフェンスを完全に翻弄し、試合の主導権を握りながらも、フィニッシュまで行けず、前半を0-0で折り返し、結局後半にセットプレー1発に沈んでしまった。それだけにこの流れは、岐阜にとっては非常に嫌な流れであった。
後半、山形はMFラインのチャレンジ&カバーがスムーズに行くようになり、中盤に流動性が生まれたことで、リズムを掴んでいく。ボランチと両サイドがアップダウンを繰り返すことでパスに角度が生まれ、よりゴールへ向かった攻撃が構築できるようになる。
62分には左MF宮沢に代え、宮崎を投入。宮崎を右MFに入れ、北村知隆を左MFに下げ、財前をFWに置き換えた。財前をゴールに近い位置でプレーさせることで、より攻撃の圧力を強めようとするが、受身になることなく前半のサッカーを遂行する岐阜の前では思惑通りには行かなかった。財前が前に行ったことで、逆に中盤のサイドのタメが減ったため、岐阜のサイドアタックが再び威力を発揮し始める。
75分には左スローインから、高木が華麗なドリブルで左サイドをえぐりこんでライナー性のセンタリング。これをニアの角度のない位置から片桐が頭で流し込み、岐阜が均衡を崩す。直後の78分に山形に一瞬の隙を突かれ、FKからMF秋葉に綺麗なバックヘッドを決められてしまうが、気落ちすることなく攻め続けた結果、GKのハンドで得たFKを片桐が直接決めて、岐阜が再び勝ち越しに成功する。このゴールが決勝点となり、岐阜が実に3ヶ月半ぶりとなるホーム2勝目を挙げた。
後半、岐阜は実に8本のシュートを放った。岐阜は攻撃の形はしっかり作れている。だからこそ、シュートさえ打てばゴールに繋がるのだ。これまでの試合やこの試合の前半を見て分かるように、いくらチャンスを作れども、シュートを打たなければゴールには結びつかない。アタッキングサードでの思い切りの良さの重要性は、この試合の前後半で、改めて教訓として痛感することが出来たのではないか。
後半は端から見ていてもゴールのにおいはあった。点が入りそうな雰囲気はあった。この雰囲気が生まれた要因は、ホームで絶対に勝ちたい選手の気迫はもちろん、最後まで声を張り上げ続けたサポーターの声援も間違いなくあった。選手、ベンチ、サポーター全体がこの雰囲気を作り出し、みんなの気持ちを片桐が結果として表してくれた。「本当はホームで勝てるチームなんですよ。勝てるはずのホームで勝てなかっただけ。これでこれからもホームで勝てると思う」。この片桐の言葉が表すように、この勝利はいつか必ず勝てると全員が信じていたからこそ、手に入れることが出来た勝利であった。
苦労した末に一丸となって手に入れたホーム2勝目が、結果的に勝ったのではなく、試合の流れの中から必然の産物として残した勝利だからこそ意義がある。さらに一つの教訓も得ることが出来た。この勝利は岐阜にとって、とてつもなく大きな価値を持つものとなったに違いない。
以上
2008.07.07 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第24節 岐阜 vs 山形】レポート:岐阜、実に3ヵ月半もの間遠ざかっていたホームでの白星を、最高の相手に最高の形で掴み取る!(08.07.07)













