8月10日(日) 2008 J2リーグ戦 第30節
鳥栖 0 - 0 岐阜 (18:05/ベアスタ/6,318人)
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今節のレポートを記す前に、サッカーの基本的なことからお話しします。
サッカーでは、常に見る(意識する)ものが3つあります。1つは、当然のごとく“ボール”です。このボールを11人が、それぞれの役割を担って、相手ゴールに運びます。2つ目は、そのボールをどこに運ぶのかを知るために“ゴール”を見ます。守備の時は、どこに運ばれるのかを見るために自陣の“ゴール”です。3つ目は、その手段となる“人(選手)”を見ます。もちろん、味方だけでなく、相手の“人(選手)”も見ます。
この“ボール・ゴール・人”を見ておけば、自ずとその時の状況に応じた選択肢が生まれます。相手ゴール前でシュートコースが空いていれば、必ずシュートを選択するでしょう。自陣ゴール前でボールが飛んでくれば、クリアを選択するのはサッカー選手なら当たり前のことです。この“当たり前”の事を“する側”と“阻止する側”で攻撃と守備とに分かれます。ボールを保持している方が“攻撃”で、保持されている方が“守備”となります。今節では、この当たり前のことを巡る攻防に見所がありました。
キックオフ直後のことです。
キックオフは鳥栖でしたので、ボールは鳥栖が運ぶことができました。しかし、シュートを放ったのは、岐阜のMF菅和範でした。その右足から放ったシュートは岐阜に勢いを付け、鳥栖の歯車を狂わせるには充分な一発でした。
続けて、MF北村隆二もミドルシュートを放ちます。これで、完全に鳥栖は浮き足立ってしまい、見ないといけない3つのものを冷静に見ることができずにプレーとシステムに微妙なズレを生じました。岐阜は、徹底的にこのズレを突いて来ます。その突かれたところは、鳥栖の右サイドでした。
前半は、ここのズレを突いた岐阜が7本のシュートを放ちました。逆にここのズレの修正とカバーに振り回された鳥栖は、4本のシュートしか放てませんでした。せめて、4分と5分に訪れたFW金信泳のシュートチャンスのどちらかが決まっていれば、その後の展開は大きく違っていたに違いありません。
このズレを生じさせた要因は、もう1つありました。今節の岐阜は、強靭なフィジカルを持つDF小峯隆幸をサイドDFに回して、鳥栖のスピードあるサイドMFを押し込む作戦を取っていました。高さのある鳥栖の2トップ、藤田祥史と金信泳には、川島眞也をセンターDFに入れて対応しました。そして、前線から早いプレッシャーをかけて、鳥栖が自由にボールを回す時間に制約をかけていたのです。これが、鳥栖に微妙なズレを生じさせた要因でした。鳥栖も3つの見るべきものを冷静に見て情報を得ることができれば、対応方法が変わったかもしれません。DFからのロングフィードだけでは、岐阜の守備を崩すのは容易ではありませんでした。
後半に入って、先手を打ったのは鳥栖です。55分にレオナルドをFWの位置に入れたのです。彼は仕掛けることもできれば、サイドに流れてボールを受けることもできます。ここから鳥栖に状況は好転しました。たびたび岐阜のゴール前でボールが動き始めたのです。前半とは打って変わって、鳥栖が7本のシュートを放ち、岐阜は3本のシュートに終わりました。全体のバランスをMF下地奨が取れば、MF山城純也が起点となってボールを岐阜ゴール前に運びました。しかし、最後までゴールを割ることができません。互いに決定力を欠いてしまい、勝点1を分け合う結果となりました。
「今日の試合は8割がた勝てる試合だった」と岐阜のFW片桐淳至は、試合後に唇を噛んでいました。
「次節につながる内容」と松永英機監督(岐阜)も一定の評価を下しました。
対する鳥栖の選手たちは、異口同音で「ミスが多かった」反省しきりでした。岸野靖之監督(鳥栖)も「日本一、頑張っているチームにならんとイカン!」と発破をかけていたようです。
自分たちのペースで試合を運べなかった鳥栖と、この一戦にあらゆる手を尽くした岐阜でしたが、互いに得たものは“勝点1”と言う現実でした。この勝点を喜んだのは、岐阜の方と思います。鳥栖は、拾った勝点1と言ってもいいでしょう。それだけ、岐阜が押し込んで、鳥栖が翻弄された試合と言えました。個の役割を果たせず、苦汁を味わった鳥栖と意図を明確に出しても結果が付いてこなかった岐阜だったのではないでしょうか。
プレーの目的を達成するために、状況を常に把握する必要があります。そのために、ボールとゴール、そして戦う選手(人)を意識してみることで、プレーの選択肢が狭まってきます。互いに目指すのは相手のゴールです。その都度相手に邪魔されます。そこに競技が生まれ、勝負となるのです。サッカーをより楽しく観戦するためには、私たちも“ボール・ゴール・人”を常に意識しておきましょう。サッカーは、ボールがないところでもドラマが起きています。
以上
2008.08.11 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第30節 鳥栖 vs 岐阜】レポート:個の役割を果たせず、苦汁を味わった鳥栖。意図を明確に出しても結果は無念な岐阜。スコアレスドローで勝点1を喜んだのは…(08.08.11)
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