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【J2:第30節 熊本 vs 横浜FC】レポート:高橋のゴールで熊本が先制するも、横浜FCが意地を見せて1−1のドロー。勝点を1ずつ加えたが、共に痛い結果に(08.08.11)

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8月10日(日) 2008 J2リーグ戦 第30節
熊本 1 - 1 横浜FC (18:03/熊本/5,274人)
得点者:3' 高橋泰(熊本)、70' 山田卓也(横浜FC)
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 コイントスに勝った上村健一は、前半、メインスタンドから見て右から左に攻めるエンドを選択した。
「少し風があったんで、前半風下で耐えて、後半を風上からというつもりで選びました」
 池谷友良監督も、「先制点を取られると相手のペースで動かざるを得ない」と先週話しており、熊本としては、まずは耐えて横浜FCに先制点を与えず、カウンターから得点を狙うというスタンスだった。

 だが、「立ち上がりからの覇気や意欲は、熊本の方が明らかに上回っていた」(横浜FC・都並敏史監督)という言葉通り、キックオフ直後から横浜FCは展開も動きも全体的にスローで、熊本がボールをキープする。
 3分の高橋泰の先制ゴールは、8試合ぶりにMFとして先発出場した中山悟志が右サイドの深いところで粘って落としたボールを、山本翔平が入れたクロスに合わせたものだが、その前には左サイドで宮崎大志郎や車智鎬など、複数の選手が絡んで逆サイドへ展開している。
「誰かがあの場所にいると思って蹴ったら、うまくユタカさん(高橋)がいたので良かった」(山本)、「彼に僕が見えていたかどうかは分からない」(高橋)というコメントを聞くと偶然生まれたゴールのようにも思えるが、それ以前の流れで個々の選手達がしっかりとボールをつなぎ、シンプルにゴールに向かった結果だと言えるだろう。もちろん、「GKの足元を狙った」という高橋の冷静なシュート技術もある。

 このあまりに早い時間帯の先制点がどう影響するのか、正直に言えば少し心配しながら見ていた。第2クールが始まってすぐの山形戦(5/25@NDスタ)も、開始4分に高橋のゴールで先制。しかしその後全体的に引いてしまい、残りの80分近くを守備に回った結果、後半に3点を失い敗れるという過去があったからだ。
 だが横浜FCの選手達が慌てなかったのと同じように、熊本の選手達も慌てなかった。完全に引いて1点を守りきるという姿勢に入るでもなく、かと言って無闇に追加点を取りに行くでもない。ゲームの流れを見ながら、精神的な余裕を持って、落ち着いて試合を運ぶという“意思”が感じられた。

 一方の横浜FCは、右サイドにいた山田卓也を中央へ動かし、中盤の構成をダイヤモンド型に近い形へシフト。両サイドも押し上げて、左サイドバックの太田宏介のクロスから池元友樹や根占真伍がゴールに迫るがなかなか合わず、同点ゴールは奪えないまま前半を終える。
 後半、横浜FCは左サイドに滝澤邦彦を投入して中盤を活性化し、徐々にリズムを作り始めるが、熊本の中盤もしっかりと対応。62分には八角剛史に代えて三浦知良を投入し、合わせて山田を最終ラインに下げた。それでも「絶対に勝たなければいけないゲーム」(都並監督)とあって横浜FCが全体的に前がかりになったことで、残り時間が減っていくのに連れ、熊本が奪ってからのカウンターを仕掛けるという流れになっていく。だが一瞬のミスを、横浜FCは逃さなかった。
 70分、三浦淳宏が左からのクロスを入れ、その曖昧なクリアをキャッチに出た熊本GK太洋一がファンブルし、こぼれたボールに反応した山田が強烈なミドルで狙う。距離は30m弱、右足から放たれたボールは誰にも触られる事なくゴール右隅に吸い込まれた。

 残りの20分間は、お互いに追加点が欲しい事もあって、タテに早い展開。横浜FCがここ3試合で5得点と好調だった池元に代えて中野裕太を投入すれば、熊本もスピードのある町田多聞を前線に送ってチャンスを作ったが、共に追加点は奪えず結局1−1のドローで試合を終えた。

 加えた勝点はそれぞれ1だが、「完全な負け試合」と都並監督は話し、横浜FCにとっては痛い引き分け。第2クールの成績は2勝5分7敗で積み上げた勝点はわずか11に留まり、昇格戦線からは大きく離された格好。「改善すべき点はたくさんある。横浜FCとして“どんな攻撃が得意なのか”ということを、もっと確立したい」(三浦淳)、「今日はチームとして機能せず、意思統一ができていなかった」(山田)と、ベテランからも厳しい言葉が聞かれたように、第3クールに向けての課題も残った。

 ホームの熊本は、6回目となる「初めての連勝」のチャンスを逃したが、第1クールで0−5と大敗したチームに対して互角の展開を見せたことは、池谷監督の会見の言葉にもあったが「チーム自体が成長している」ことの表れだと言えるだろう。もちろん、何度も迎えたチャンスで追加点を奪えず、ミスから追いつかれて“勝てる試合を落とした”という点においては反省が必要だが、90分間でのメリハリの付け方や、流れに応じて試合をコントロールするという面では、スコアの差を縮めた以上の進歩があったと評価していい。
 第1クールの3勝3分8敗に対して第2クールは3勝4分7敗と、数字的には大きく変わらないが、怪我や出場停止でメンバー構成やシステム変更が余儀なくされる中でも、代わりに入った選手達が役割を果たしている事も今後に向けては明るい材料だ。
 長いリーグもいよいよ次節から第3クールに入るが、ここまで取り組んで来た事や、2度ずつ対戦して得た反省や教訓をピッチの上で表現することができれば、結果は自ずとついてくる。次節、福岡戦(8/16@レベスタ)から、ひとつずつ決着をつけていきたい。

以上


2008.08.11 Reported by 井芹貴志
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