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【J2:第32節 山形 vs 甲府】レポート:甲府戦はやはり鬼門か。先制するも圧倒的な攻撃力に追いつかれ、山形の連勝は4でストップ!(08.08.24)

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8月23日(土) 2008 J2リーグ戦 第32節
山形 1 - 1 甲府 (19:04/NDスタ/4,701人)
得点者:24' オウンゴ−ル(山形)、76' 木村勝太(甲府)
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 それは、潮目が変わって間もなくのアクシデントだった。

 3トップが前線で猛威を振るい、藤田健を起点に両サイドからも押し込んだ甲府が、ホーム山形のゴール前に迫っていた。しかし前半22分、早いリスタートから右サイドのドリブルで輪湖直樹をかわした北村知隆が、ゴール前へ飛び込もうとする豊田陽平にグラウンダーでクロスを差し込んだ。ボールは豊田の足先をかすめファーサイドへ抜けていったが、このワンプレーを機に、山形はこの試合初めてと言っていい反撃の時間を迎える。直後に宮沢克行の左クロスをゴール前の豊田が、今度は高さを生かして競ると、前半24分、レオナルドのロングフィードを宮沢がヘッドで折り返すと、ニアで大きく蹴り出すはずの秋本倫孝の右足から、ボールは自陣ゴールへ。いい形をつくれていたからこそ、とも言えるが、山形にとってはラッキーなオウンゴールとなった。

 山形は、甲府の最終ラインと中盤の間でボールを回されながらもチェイスをあきらめず、甲府の前線へ効果的なパスが出るのを封じていた。時折、サーレスやマラニョンの足元に速いボールが付けられたが、トラップしたわずかな隙を狙ってかすめ取るなど、持ち前の守備力を発揮する。しかし、ここで完全に流れを引き寄せられなかったのは、攻撃に問題を抱えていたためだ。先発では今季2度目となる長谷川悠と豊田のコンビが、これまで連携を深めるだけのプレー時間をかけていなかったことと、それ以上にこの日は、ラインを上げてプレッシャーをかけてくる甲府の背後をシンプルに縦に突く戦術が機能しなかった。ボールの出し手と受け手のタイミングの問題のほかに、スペースが空いているようで、狙うと戻りの早い甲府守備陣の踏ん張りもあった。「うまく奪えたらいい攻撃ができると思うし、相手のゴール前にボールを多く運んだら、その分、チャンスも増える。ほかのチームとやるとき以上にチャンスが得点に結びつくと思っている」(宮沢)というゲーム前の目論見は崩れた。

 3位・鳥栖に勝点4差をつけた山形は、少しでもその差を広げると同時に、首位・広島にも迫りたい。4連勝で迎えたホームゲームは、それを実現するチャンスだったが、相手は前節でその広島をなぎ倒してきた甲府。J2でもっとも強力な攻撃陣を止めるのは容易なことではない。また、今季の対戦成績が1分け1敗で得点0(失点1)のデータが示すとおり、4バックにプレッシャーがかかる3トップの甲府を山形は苦手としてきた。右の大西容平と左のマラニョンの両ウイングが時折ポジションを入れ替えながら攻撃するため、マークが離れた隙に左サイドバックの石川がペナルティーエリアまで入り込むシーンもあったが、倒されたプレーでも主審の笛は鳴らず、2度目のゴールはなかなか訪れてはくれなかった。

 マラニョンが山形のゴール前で2度決定的なチャンスをつくったのは前半終了間際。甲府の反撃を思わせる空気は、後半のピッチに持ち越される。やはり山形・石川が絡んだ形でつくられた2度のピンチとその後のコーナーキックを切り抜けた甲府は、返す刀で山形の右サイドを襲う。大西が宮本卓也を突破。カバーに入ったレオナルドもかわし、マイナスのクロスからマラニョンのシュートにつなげたが、これは逆サイドからさらに絞っていた石川のブロックに遭う。
後半16分にはマラニョンがドリブルで振り切り大西に合わせるシーンもつくった。直後、GK清水健太のパントキック一発に抜け出した豊田にシュートを打たれたが、オープンな展開で打ち合うのは、アウェイであっても甲府の土俵だ。

 後半31分、さらにサイドをかき回す甲府にチャンスが訪れる。左で起点をつくったマラニョンが、マークを避けるように回り込みながら絶妙なタッチのチップキックを中央へ。ペナルティーエリアのすぐ外で足元へピタリと落ちたボールを、サーレスがわずかにスラす。そこへ飛び込んで来たのは、4分前にピッチに現れたばかりの木村勝太。石井秀典と石川の間のわずかな隙間めがけて蹴り込んだボールは、GK清水の手に触れることなく左隅に突き刺さった。
「うれしいはうれしいですけど、去年からビッグチャンスを外してきているので、まだまだ満足できない」。これまでの分を取り返すその第一歩目をようやく踏み出した19歳の貴重な同点ゴールを機に、甲府はさらにサイドからの攻撃を強めるが、3枚目のカードで互いにフォワードを投入したゲームは、1−1のまま終了のホイッスルを聞いた。

 マラニョン、サーレスの加入とともにJ2屈指の攻撃力を手に入れた甲府は、じつは被シュート数最少チームでもある。ラインを上げ、攻撃性を高めた一方で、相手のシュートを極力抑えることができるのは、前線からのプレスが効果的なことと、バックラインの踏ん張りがあってのもの。ただ、ライバルチームをごぼう抜きにして昇格圏内に潜り込むには、今後勝点1では苦しくなってくる。すでにトップスピードに入っている大逆転への助走に、もう足踏みは許されない。

 山形は前回、6連勝をストップされた相手に、今回も連勝を4で止められた。今シーズンの対甲府はこれで2分け1敗と負け越しが決まったが、前回よりも攻撃力が格段にアップした甲府を相手にしての1失点が示すものは、後退ではなく、進歩だ。ただ、前回対戦で突きつけられた、石川以外で起点をつくるという課題は、やはり甲府がレベルアップしたことを差し引いても及第点を越えていない。小林伸二監督も「サイドからボールが入ってサイドチェンジもできない。で、後ろを取るのでどうしても後ろから蹴らなくちゃいけない。中盤で少しためることができたりということになればいいと思います」と、このゲームの難しさを吐露している。加えて、フォワードでは長谷川と豊田のツインタワーがいまだ建設中、形が見えてこなかったことも気がかりな点だが、「勝点1を取って前に進んでいる」(小林監督)その感触を胸に、成長を続けたい。

以上

2008.08.24 Reported by 佐藤円
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