8月23日(土) 2008 J2リーグ戦 第32節
広島 4 - 0 福岡 (18:04/広島ビ/12,166人)
得点者:10' 槙野智章(広島)、43' 柏木陽介(広島)、53' 高萩洋次郎(広島)、87' 森崎和幸(広島)
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李漢宰は、鋭い眼光を崩しもせずに語った。
「決してきれいなゴールではないけれど、これが僕たちのサッカーです」。
彼が言う「僕たちのサッカー」とは、43分に飛び出した広島の2点目を指す。
このゴールの直接の原因は、福岡のGKとDFの連係ミス。二人の間に声の連係ができていれば、何も起こらないシーンだった。しかし、そのミスを誘発したのは、間違いなく広島の執念である。
始まりは、李漢宰だった。スローインからボールをキープした福岡に対し、これでもかと激しくプレスをかけ続ける。厳しいプレスを嫌がった福岡MFタレイは中島崇典へのバックパスを選択したが、そこを高萩洋次郎と佐藤寿人が挟み込み、ボールがこぼれる。
その瞬間、李漢宰は誰よりも早く反応。猛然とスピードアップした李がボールに追いつく。軸足を滑らせながら、動き出した服部に向けてボールを出した。
「思ったよりもボールが伸びてきた」と服部は言う。しかし、彼は全速でそのボールを追いながらも、前のスペースに飛び出していく紫のユニフォームを確認していた。
「ここはキープではなく、前に蹴ろう。つながらなくても、大ピンチにはならない」
服部は、スライディングしながらライン上でボールを捉え、そのまま前へ蹴りだす。そこに走っていたのは、柏木陽介だった。
福岡DF山形辰徳が、身体を入れる。しかしその後ろから柏木は、猛然と圧力をかけてきた。
その勢いは半端ではなく、後ろからボールを奪い取らんばかりの迫力。その勢いに圧倒されたのか、山形はどんどんボールを下げ、前に出てきた神山との距離が縮まる。結果として狭いスペースでボールを受け渡すことになり、余裕を持ったボールコントロールができない。
そこで起きた、福岡にとっての痛恨のミス。ボールは神山の股の間を抜け、柏木は無人のゴールにボールを流し込んだ。「粘り強く行けたから、生まれたゴール」と柏木が語ったように、広島の各選手が執念を持ってボールをつないだことが、このゴールにつながったのである。
そこまで確かに広島が圧倒的に主導権を握っていたし、柏木や佐藤寿が決定機を迎えてもいた。しかし、福岡もギリギリのところで身体を張り、広島の攻撃を何とかしのいでいた。前半を1点差で終われば後半に巻き返せる、という目論見は篠田監督にはあったはず。だから、もっとも警戒しなればならない前半終了間際に失ったミスからのゴールは痛恨で「奪われた時間帯が厳しい」という篠田監督のコメントは本音だろう。
2点差となったことで、後半は立ち上がりからリスクを負って前に出ざるを得ず、その攻撃も出足のいい広島の守備陣に潰され、カウンターを浴びることに。福岡のゲームプランは、広島がチーム全体で奪った2点目によって、完全に崩れた。
チームの現状に強い危機感を持ち、「自分の存在価値を見せたい」という強い気持ちを秘めて臨んだ森崎和幸を中心に、後半も広島はアグレッシブな闘いを見せる。試合を決定づけた3点目も、柏木と森崎和の積極的な守備からボールを奪ったことが起点。特に柏木がDFに対して厳しく圧力をかけてボールを奪ったシーンは見事という一言。切れ味と共に積極性を取り戻してきた柏木の活躍は、今後の闘いでの大爆発を予感させる。
最後は、この日抜群の輝きを放った森崎和がゴールを決め、広島は試合を締めくくった。球際の争いでも完勝し、一つのボールに2人・3人と関わる広島のサッカーを全員でやりきって相手を揺さぶった結果、福岡は混乱に陥り大切なところでミスを連発した。「引き分け・負けと続いた試合だったから、今日は勝点1ではダメ。勝点3が絶対に必要だった」という服部公太の言葉が、選手たちの想いを象徴している。
ただ、少しでも歯車が狂えば、甲府戦のように厳しい状態に陥ることも現実。ストヤノフや森崎和幸の口癖である「自分たちはまだ、何にも手にしていない」という言葉を全員で噛み締め、「地に足を付けて闘う」(槙野智章)ことが、J1復帰に向けてもっとも重要だろう。
失点につながるミスばかりが目につく福岡だが、そこに至る過程でも問題が多く、6試合で13失点という結果は決して偶然の産物ではない。このチームがずっと抱えている課題だけに、修正に時間がかかることは間違いないが、試合は待ってくれない。次節は、ホームでの九州ダービー。絶対に負けられない相手である鳥栖戦に向けて、全員が一丸となり、情熱を持って課題に取り組みたい。そうやって、福岡はチームを立て直してきたはずである。
以上
2008.08.24 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第32節 広島 vs 福岡】レポート:「絶対に勝点3を奪い取る」という気迫が福岡のミスを呼び込み、広島、6試合ぶりの4得点で快勝!(08.08.24)
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