10月12日(日) 第88回天皇杯3回戦
鳥栖 4 - 0 ホンダ (13:00/佐賀/2,307人)
得点者:2' 内間 安路(鳥栖)、57' 廣瀬 浩二(鳥栖)、63' 廣瀬 浩二(鳥栖)、82' 船谷 圭祐(鳥栖)
試合速報 | 天皇杯特集
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まず、試合のレポートに私情を挟む暴挙をお許しいただきたい。
第88回天皇杯全日本サッカー選手権3回戦、鳥栖対HondaFCの試合経過とともに、筆者にある一つの疑問がわきあがってきた。
それは、果たして岸野監督(鳥栖)は、本当に目の前のHondaFCと戦っているのだろうか・・・ということである。
「何を馬鹿なことを・・・」と憤慨される読者諸兄も多いだろうが、筆者にはそう感じさせられることがこの試合の中にはいくつもあった。
いやっ、正確に言うとそう思わせるような戦い方を選手が試合の中で見せていたからである。
試合のスタッツを簡単に分析すると、シュート数は前後半とも鳥栖の方が1本ずつ多いだけである。総数9本しか放っていないし、放たれたシュートは7本である。ゴールキックは鳥栖の10本に対してHondaFCは4本で、コーナーキックはHondaFCの9本に対して鳥栖の6本と、HondaFCが圧倒的に押し込んだことになる。
それでも終わってみれば、4−0のサッカー的には圧勝のスコアだった。
試合後の選手が共通して発した言葉は「疲れた」だった。
なぜに、岸野監督はそこまでして「疲れさせた」のだろうか?
それが、冒頭の疑問となったわけである。
この試合は、2点目が入った段階で勝敗の行方は決まったように見えた。
57分にあげたFW廣瀬浩二の右足でのシュートが、ゴール左のサイドネットを揺らした時点で、流れは完全に鳥栖のものになったといってもいい。
63分の廣瀬の追加点も、82分のMF船谷圭祐のダメ押し点も、この試合に勝つためのものではなく、HondaFC戦の向こう側にある“何か”に向かって選手たちが押し込んだ得点のようだった。
戦前、岸野監督は「難しい試合になる。相手より“より走り、より戦い、よりしつこく”しなければ、鳥栖は勝てない」と言っていた。
確かにHondaFCは、高い位置からプレッシャーをかけ、局面では人数をかけてボールを奪いに来た。奪ったボールは細かに動かし、鳥栖のDFのほころびをしつこく突いて来た。先制はされたものの、15分過ぎからはHondaFCがボールをポゼッションし、ゲームを試合していた。私の目には“つなぐ”事においてはHondaFCの方が一枚上手だったように見えた。
しかし、“ゴールを奪う”事においては、鳥栖のほうが上回っており、その意識の高さが試合後の「疲れた」の言葉に凝縮されていたように思う。
HondaFCの石橋監督は、「攻守の切り替えの速さについていけず、カウンターに対応できずに自滅気味に・・・」と試合後に振り返ったが、実際は「ゴールに向かう姿勢」の差であった。
60分にHondaFCの選手が鳥栖の選手と交錯して倒れてしまった。ボールは、HondaFCのDFにより外に蹴りだされ、流れは一端途絶えた。味方を案じる姿勢を批判するつもりはないが、そのボールをライン外ではなく、HondaFCの右サイドにフィードしていれば、HondaFCはフリーの状態で鳥栖のゴールに向かうことができたのである。
同様に76分にHondaFCの選手がバイタルエリアからゴールに向かって仕掛けてきた。鳥栖のDF一人をかわせばシュートチャンスにもかかわらず左サイドの選手へボールを渡し、チャンスを逸してしまった。それまでも、ボールをつなぐことはできても、ミドルシュートは皆無であった。
言い換えると、シュートを打たせない守備を鳥栖は見せていたことになる。
岸野監督が選手たちに指示した「相手より“より走り、より戦い、よりしつこく”プレーする」事は、HondaFCの良さを消しただけではなく、この試合の先にある“何か”に向かって挑戦する姿勢を見せたのではないだろうか。
先制点となった内間のヘディングシュートは、FW藤田祥史のポストプレーから得たFKである。
2点目は、MF野崎陽介が粘って奪ったボールを藤田が受けて、走り込んだ廣瀬へつないだものである。
3点目は、右サイドでMF高橋義希と島嵜佑が、二人で追い込んで奪ったボールを船谷が廣瀬へ通して生まれた。
4点目は、廣瀬がHondaFCのGKにプレッシャーをかけてこぼれたボールを船谷が無人のゴールへ入れたものである。
これらを「カウンターに対応できずに自滅気味・・・」では、鳥栖の選手が可哀想である。
これらのゴールは、全て鳥栖の選手の「ゴールに向かう姿勢」から生まれたものであり、勝負が決しても手を抜かない気持ちで得たゴールである。
4回戦で大分と戦いたいだけでは、ここまでの高いモチベーションと強いメンタルは必要ないであろう。
やはり、この試合の向こう側にある“何か”に向かって彼らは戦っていたのだろう。
この試合で、鳥栖の真髄を見ることができた。
負ければ終了してしまうトーナメントのウィナーズカップ。
目の前の一戦を、単なる一戦に終わらせない姿勢は、後世に大きな財産を残してくれる。
奇しくもこの日、第20回九州ユース(U-15)サッカー選手権大会で鳥栖のU-15が、アビスパ福岡U-15を1−0で下し、全国大会初出場を決めた。
クラブが一丸となって“何か”に向かって戦っていることを示してくれいるようだ。
サッカーは、試合で勝者になって得ること事よりも、もっと大きなものを得ることができるスポーツである。
以上
2008.10.12 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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