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【第88回天皇杯3回戦 大体大 vs 広島】レポート:驚愕のドラゴンゴールで試合を締めくくった広島が、J1クラブへの挑戦権を得る。(08.10.12)

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10月12日(日) 第88回天皇杯3回戦
大体大 0 - 6 広島 (13:00/秋田/1,271人)
得点者:15' 槙野 智章(広島)、30' 服部公太(広島)、69' 森脇 良太(広島)、75' 服部公太(広島)、86' 高柳一誠(広島)、87' 久保竜彦(広島)
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 広島にとって、この試合最大のテーマである「初戦突破」は、69分に森脇良太が決めた3点目によって、ほぼ趨勢は決まった。

 もちろん「前半の2点が……」と大体大・坂本康博総監督が語ったように、戦闘能力で上回る広島が立ち上がりからゴールを重ねたことによって、完全にペースを握ったことは確かだ。ただ、広島のパス回しが思ったよりも安定せず、悪い形でボールを失っていたために、大体大のカウンターが「あわや」というシーンもつくりだしていた。実際、後半のCKは5本。「運が大体大にあれば、1〜2点は彼らが奪っていたかも」という広島・ペトロヴィッチ監督の言葉は、彼らの攻撃に鋭さがあったことの証明だ。
 だから2−0の後、どちらがゴールを奪うかによって試合の流れが変わってしまう可能性も、ゼロではなかった。そして、その1点が広島側に入ったことにより、広島の勝利はほぼ確定したと言っていい。

 だが、この試合の見所は、実はここから。3点とってもなお加速する広島のゴールラッシュに、観客は湧いた。

 決して、大体大が気持ちを切らせたわけではない。「1点をとるんだ」という意識を全員で統一させ、走ることはやめなかった。確かに、前半からずっと続いていた広島のパス回しによって、大体大の選手たちは疲れてはいた。だが気持ちはまったく、萎えてはいなかった。
 しかし、そんな想いを一つ、また一つと砕くかのように、広島はゴールを重ねていく。しかも、プロらしい質の高さを伴って。

 4点目、高柳一誠のスルーパスに反応し、ペナルティエリアの中に飛びこんできたのは、ボランチの青山敏弘だ。やや右サイドに流れた青山は完全にフリーとなり、シュート。強烈な弾道はポストに当たり、そのこぼれを左ウイングバックの服部公太が押し込む。広島が得意とする「前の選手を追い越す」「逆サイドの選手がゴール前に飛び込む」形によって、大体大の守備は完全に混乱した。

 5点目、高柳が桑田慎一朗のパスを半身で受けて、前を向く。ドリブルで仕掛け、ミドルレンジから左足の強烈なシュート。あっという間にネットに突き刺さる。
 その1分後の87分、この日最高の熱狂を呼んだゴールが飛び出した。左サイドで服部を追い越す形で切り込んだのは、ボランチの森崎和幸。ドリブルで突破を図った森崎和は「(久保)タツさんの姿が見えた」とクロスをフワリ。

 そのボールは、高さがあった。普通ならヘッドで狙うシーン。しかし、そのボールを待っていた久保竜彦のアイディアは違った。ボールをしっかりと見据えながら、飛翔。空中で身体をグッと寝かせる。そして、身体全体の強烈なしなりとひねりを加えたパワーを左足に集約して、ボールに叩きつけた。

 シュートがネットに突き刺さった瞬間、スタンドは総立ち。地の底からわき上がってくるかのような歓声が、スタンドを揺らした。誰もが叫ぶことを止められない驚愕のゴールが、飛び出した。

 この試合6点目のゴール、勝負が決した後の得点である。この試合の中での数字上の価値としては、それほど重くはないのかもしれない。しかし、この日の観客の心をもっとも揺り動かし、もっとも強く心の中に刻み込まれたプレーは、おそらくはこの広島の6点目。秋田のサッカーファンに「これこそ、プロだ」と言わんばかりの強烈なインパクトを、久保は与えた。

 初戦突破を果たした広島は、これでJ1チーム=東京Vへの挑戦権を獲得した。「ようやく僕らが待ち望んでいたJ1のチームとやれる」という森崎和の言葉は、そのままチーム全体の想いでもある。もちろん、その前にあるリーグ戦に対しても「勝ち点100を目指す」(ペトロヴィッチ監督)と必勝の構えを崩さない広島が、今季の天皇杯でも果たして主役になれるか。まずは、そのための一つのハードルを越えた。

以上

2008.10.12 Reported by 中野和也
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