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【第88回天皇杯3回戦 福岡 vs 水戸】レポート:ミスを繰り返す低調な試合。延長戦で生まれた唯一のゴールで水戸がJ1への挑戦権を得る。(08.10.12)

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10月12日(日) 第88回天皇杯3回戦
福岡 0 - 1 水戸 (13:00/レベスタ/1,738人)
得点者:114' 村松 潤(水戸)
天皇杯特集
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 リーグ戦とは全く違うスタジアムの空気。いつもとは違うボール。負ければ終わってしまうトーナメント戦の初戦。様々な要因が重なり合った試合は、唯一のプロチーム同士の対戦となったカードにも影響を与えた。「自分たちの思ったことが出来たかと言えば、そうでもない」と木山隆之監督(水戸)は試合を振り返ったが、それは福岡にとつても同じことだった。120分間の戦いは激闘というよりも、ただひたすら我慢を繰り返す試合。攻撃面では見るべきものはほとんどない試合だった。

 前半をコントロールしたのは福岡。無失点で試合を進めることをテーマにする福岡は、しっかりとブロックを形成して水戸の攻め手を封じることを重点に試合を進めていく。ボールをポゼッションしてゴールを目指す水戸にスペースを与えず、相手にボールを回させながらチャンスを窺う。そして、ボールサイドに人数をかけてくる水戸のプレスをかいくぐると、中盤にできるスペースを利用してゴールを目指す。

 しかし、福岡が主導権を握っていたのかと言えばそうではない。攻撃に転ずる際にスピードが上がらず、ボールを奪ってからのアクションも遅く、さらにパスの精度にも欠いて、チャンスの芽を広げることができない。福岡に失点の危険性はほとんどなかったが、同時に、得点の匂いも感じられなかった。互いに得たゴールチャンスは、15分の布部陽功のシュートと、26分に荒田智之が放ったミドルシュートの1度ずつ。必死の思いで声援を送るホームのサポーターの声援だけが印象に残った前半だった。

 後半に入ってからゲームをコントロールしたのは水戸。福岡の運動量が落ちたためにできるDFラインと中盤の間のスペースを利用してボールを回して攻めに出る。福岡は、水戸の攻撃に対応することができずに、中盤で振り回されてはゴール前に運ばれるシーンが増えていく。前半は落ち着いて見えた守備も、ほとんど機能しなくなった。しかし、水戸も攻めきれない。荒田にボールが届かないのは前半と変わらず。パス回しにリズムは出てきたものの、ミスを繰り返しては自らチャンスをつぶしていく。

 そして、試合は同じパターンを延々と繰り返していく。ゴール前へ運ぶシーンも互いにシュートが打てない試合では、スタンドに歓声が沸くシーンもほとんどなく、ゴールを予感させる空気さえも生まれない。後半途中から漂っていた延長戦の気配は現実のものとなり、ただ時間だけが過ぎていく試合展開は全く変化を見せなかった。ようやくゴールが生まれたのは114分。水戸の大きな展開に福岡はボールウォッチャーになり、さらに大外の選手へのマークを怠るという欠点が出て、最後はペナルティエリア内にこぼれたボールを、ドフリーの村松潤が福岡ゴールに押し込んだ。

 攻撃面で、ほとんど見るべきものがなかった試合は、互いに課題ばかりが残る試合だった。それでも、水戸が仕掛ける姿勢と、スペースを使って走ることを最後まで続けたのに対し、福岡は運動量が上がらず、足元へボールをつないで自らのスピードを殺し、そして大久保哲哉にロングボールを送る単調な攻撃を繰り返した。「しっかりアクションを起こしてボールを受けに来るだとか、勢いを持って入る、あるいはサイドからワンツーで入っていくとか、そういったことが出来ずに、後半になると同じようなことを繰り返してしまうというのが現状」(篠田善之監督・福岡)。それが、この日の勝敗を分けた要因となった。

 それでも、負ければ終わるトーナメント戦は結果が最優先。木山監督も、そして水戸の選手たちも課題を真っ先に口しながらも、「結果に満足している」と話したのは当然のことだった。ひとつ上のラウンドへ進み、さらにJ1と戦う権利を得た水戸と福岡との差は、限りなく大きい。「もう自分たちの天皇杯は今年は終わりました」。記者会見での篠田監督の言葉に福岡の悔しさが現れた。水戸にとっては、次のステップへ進む権利を得た試合。そして福岡にとっては、ただ寂しさだけが残る試合だった。

以上

2008.10.12 Reported by 中倉一志
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