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【第88回天皇杯3回戦 山形 vs UVA】レポート:初戦の難しさにどっぷりと浸かってしまった山形。延長の末の4-1で日立栃木に冷や汗の勝利。(08.10.12)

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10月12日(日) 第88回天皇杯3回戦
山形 4 - 1 UVA (13:00/NDスタ/2,185人)
得点者:36' 坂井 将吾(山形)、54' 舘澤 統吾(UVA)、93' 豊田陽平(山形)、111' 豊田陽平(山形)、112' 宮崎光平(山形)
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 左サイドハーフに入った北村知隆のクロスから、長谷川悠がヘディングシュートを放ったとき、時計の表示はまだ40秒台。リーグ戦から先発メンバーを大幅に入れ替えた山形は、これをきっかけにボールを支配したが出だしだけに終わり、そこからは天皇杯初戦の難しさと1点の遠さを実感することになった。

 セカンドボールこそ確実に拾ってはいたが、その後の攻撃が機能しない。「山形は前に大きな選手がいるので、ラインを低くしてしまうとどうしても高いボールでそのままゴールに結びつくのが怖かった。ヘディングで負けてもその後をチームとしてケアできるように指示しました」(横浜誠監督)と、2回戦と同じ4−2−3−1のシステムを高めに設定する日立栃木。そのラインの裏をめがけて坂井将吾が走り込むトライアルが続いたが、序盤はラインを押し下げる効果があるにしても、出し手と受け手の間でコースやタイミングが合わずオフサイドを連発。長谷川の足元に付けてもサポートが遠いなど、トップと中盤の間に溝が横たわる。スピードに慣れてボールへのプレッシャーをかけ始める日立栃木がカウンターで盛り返すのと反比例するように、山形はJ2クラブが陥りやすい3回戦特有の空気に飲み込まれていった。

 24分には坂井が落として渡辺匠が左の北村に預け、オーバーラップした木藤健太のクロスにつなげたり、26分には宮崎光平の逆サイドへの大きなサイドチェンジを受けた北村がニアサイドの長谷川の足元に付けるが、そこから味方につながらず。直後にはレオナルドのフィードを石川大、三輪宏真が至近距離で続けざまにブロックするなど、一歩間違えば決定機。日立栃木が山形を追いつめる場面も出始めた。

 山形にようやく2本目のシュートが生まれたのは、33分。北村のクロスに長谷川が低い位置のヘディングを合わせたもの。その3分後、3本目のシュートが遂に得点として結実する。馬場の右からのフリーキックは、空中で競るレオナルドの頭上を越えてファーサイドへ。足元で収めた坂井が冷静に中へ持ち出したあと、右足を豪快に蹴り上げた。

 J2チームを相手に1点ビハインドとなった日立栃木は、しかし怯むことがなかった。前半終了間際にはコーナーキックから三輪がヘディングを合わせると、ハーフタイムをはさんだ後半にも、ボールが落ち着かない山形にプレッシャーをかけ続けた。そして54分、右サイドバックの石川裕之が 高い位置まで攻め上がる。「相手もラインを止めてオフサイドを狙っているのが見えたのと、ディフェンダーも足を出すのが見えていたので股を抜いて、イメージどおりでした」とコーナー付近までボールを運んでクロス。ブロックされたこぼれ球を、サポートの位置にいた石川大が改めてクロスを上げる。ニアの三輪は空振りに終わったが、ファーに待っていた舘澤統吾がきっちりとミートし、ゴールマウスの中に撃ち込んだ。

 同点に追いつかれた山形はその直後、坂井に変えて豊田陽平を投入。クロスやコーナーキックなどサイドからのボールに、豊田と長谷川が高さを活かしてヘディングを合わせるシーンが3度あったが、いずれも枠に飛ばず。それ以上に、息を吹き返した日立栃木の動き出しの良さが目につくようになる。68分の距離のあるフリーキックでは、三輪が競った後のこぼれ球に石川大がいち早く反応してシュートを放ち、81分には早いリスタートから舘澤のシュートにつなげ、84分には中央で石川大が落として舘澤がワンタッチで裏へ。センターバックの間を突破した三輪がヘッドで合わせたボールは、GK遠藤大志が延ばした左手が触らなければ試合を決するゴールになっていた可能性もあった。中盤の底では、古巣との対戦に燃える前田和也がサイドへの大きい展開でカウンターの起点となった。

 1−1のまま、山形にとっては望んでいなかった、日立栃木にとっては希望をつなぐ延長戦に入ることになったが、その構図をまず断ち切ったのは93分、豊田のゴールだった。1分前には木藤からの左クロスを枠の外に外していたが、続く北村のクロスには、180cmを越える選手のいない日立栃木ディフェンスラインに悠々と競り勝ち、GK井野正行のパンチングよりも先にミートした。後半には豊田以外にボランチ2枚も代えていたが、佐藤健太郎はボールを落ち着かせるとともに左右に的確に散らし、本橋卓巳はスペースへ飛び出しながらボールタッチの回数を増やしていく。すっかりリズムを取り戻した山形とは対照的に、すでに足が止まった日立栃木は反撃の余力を徐々に奪われていき、延長後半には山形の一方的な内容に。本橋、レオナルド、佐藤が矢継ぎ早にシュートを放ったあとの111分、宮崎のスルーパスに抜け出した豊田がキーパーを冷静にかわしてゴール。その1分後には右サイドから中へドリブルした宮崎がペナルティーエリアに入ったところでズドン。4−1と一気に引き離した山形が日立栃木の挑戦を退け、4回戦進出を決めた。

 山形をあと一歩のところまで追いつめていただけに、横浜監督は悔しさをにじませた。それでも、「最大の目標であるJFL昇格というところがあるんですけれども、間違いなく山形より強いチームはない。90分のところだけを見れば引き分けで終われたというところで、地域リーグ(全国地域リーグ決勝大会)、JFLに向けてはできるという自信にはなったと思います」と、今後への手ごたえは十分につかんだようだ。一方の山形は、今後に目処が立った選手は何人かいたのは明るい材料だが、チームとしてはあわやというゲームで、カテゴリーの違いを内容に反映させることはできなかった。「いま持っている力を、相手に関係なく出す能力が要る。いい準備をしてると思うんだけど、それを積極的に発揮する能力が要る」という小林監督の指摘は、選手とチームがステップアップするための示唆に富んでいる。と同時に、J2リーグの残り6試合をクリアするための重要なカギでもある。

以上

2008.10.13 Reported by 佐藤円
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