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【第88回天皇杯3回戦 甲府 vs 岡山】レポート:JリーグとJFLの小さくて大きい差を証明して、万博(大阪)行きの切符を掴んだのは甲府。(08.10.12)

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10月12日(日) 第88回天皇杯3回戦
甲府 1 - 0 岡山 (13:00/小瀬/4,420人)
得点者:44' 大西 容平(甲府)
試合速報 | 天皇杯特集
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甲府の収穫は万博(対G大阪戦)に行く権利を手にしたことと、岡山県出身の大西容平が7本もシュートを打って決勝ゴールを決めたこと。ただ、勝つには勝ったもののリーグ戦の残り5試合に期待を持つには足りないものが見え過ぎた。一方、Jリーグのチームと初めて公式戦で戦った岡山は最小失点の内容に一定の自信をつけただろうが、数字には表せない差も感じたはずだ。

キックオフからガンガンに行くのかと思った甲府はロングボールの選択肢を増やすセーフティなプレーで立ち上がった。そして、岡山がボールを奪ってもシュートに辿り着けないことが分かった5分過ぎからは甲府が主導権を掴む。しかし、主導権を掴んではいるものの、リーグ戦とはなにかリズムが違う握り方だった。「(J2リーグと違って)プレスが早くないから選択肢が多く見えて、(悪い意味で)余裕が出来てしまった」と何人かの選手が話したが、自分たちよりやや遅い程度のスピードでガンガンとボールを奪いに来る相手なら素晴らしくいいリズムでボールを回せるのが甲府。しかし、その得意なスピードからどちらかに速さが変わるとリズムを見失うことが少なくない。林健太郎や石原克哉、踵を痛めて欠場した藤田健らはタメを使ってリズムを変えることができるが、そのタメに上手く反応できる選手が少ないのが残念。ドリブルやタメで相手のDFを引き剥がして、そのスペースを使うという感覚も不足している。甲府は岡山のシュートを3本(前半)に抑えたものの、24分に小野雄平がペナルティエリアすぐ外(中央)からフリーで打ったシュートは危なかった。小野のシュートミスか技術不足かは判らないが、甲府が助けてもらったことは事実だ。

0−0で前半を終えていたらハーフタイムのトイレや喫煙所では甲府の選手の悪口が話題の中心になりそうだったが、44分にそこまでシュートゼロだった大西がヘディングでゴールを決める。ここ数試合、特徴を充分に発揮できないで岡山戦でも燻っていたマラニョンのアシストだったので、ハーフタイムの悪口も少しはトーンダウンしたことだろう。そして、後半になると大西がアシスト大王からシュート大王に変貌する。彼が後半に放ったシュートは6本。左サイドからのシュートが多かったのだが、ストライカーとしてのポジショニングは良かった。マラニョンのシュートチャンスが少なかっただけに、大西は彼を活かすことよりも自分が活かされる動きを選択したのだろう。

大西が後半に放ったシュートはゴールネットに内側から出会うことは出来なかったが、彼が何かを考えて打とうとしていることは感じ取れた。考えたことでシュートのパンチ力が減ってしまったのかもしれないが、こういうことを繰り返せばきっと何かを掴むことは出来るだろう。それが、次節(第40節・徳島戦@鳴門大塚)に間に合えばいいのだが、もし間に合わないのならピッチの外にばら撒かれているドリンクボトルの横にFRISK(フリスク)でも置いて、「SHARPENS YOU UP」とするしかない。CM通りの効果があるのなら直接ゴールに入るFKやCKも増えることだろう。

開場後、甲府のサポーターが歌い始める前から岡山のサポーターは歌い始めた。彼らが発する「熱」からは、公式戦で初めてJリーグのクラブと対戦する興奮と喜びが満ち溢れ、小瀬全体に幸せな雰囲気を分けてくれた。夢の国立や万博の夢は甲府に絶たれたが、岡山の誇りと夢が0−1という結果に汚されることはない。後半のシュートは1本だったが、41分には決定的な場面を作った。甲府のGK・阿部の好セーブに阻まれたがチョットだけ運に恵まれればJリーグのクラブに勝てる可能性は感じさせた。個々の技術や判断の差はあったが、サッカーは戦い方次第で個の差を小さくすることが出来ることは証明できたはず。甲府もそれをやってJ1に昇格した。

ただ、それを乗り越えて勝利を掴み続けることは相当に難しい。甲府も、もうチョットの壁に散々悩まされているが、それがあるから進歩するエネルギーと情熱が生まれる。岡山がJリーグの仲間入りすることを期待しているが、まずはファジアーノ岡山というクラブが存在し続けることが重要。岡山県も以前の山梨県同様にプロスポーツチームが存在しないので、県内全域を巻き込んだ支援を求める形でクラブを成長させていくことも出来るだろう。お互いに進歩してJリーグの舞台で再び戦えることを楽しみにしたい。

以上

2008.10.13 Reported by 松尾潤
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