10月26日(日) 2008 J2リーグ戦 第41節
山形 1 - 0 湘南 (13:04/NDスタ/11,345人)
得点者:89' 渡辺匠(山形)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
----------
「全体を通して守備が安定していたと思います。あとは、最後まであきらめずにやってくれたということですね」(山形・小林伸二監督)
「湘南らしい試合、気持ちのこもった戦いができたと思います」(湘南・菅野将晃監督)
後半ロスタイムのゴールが両チームの明暗を分けはしたが、すべての選手が、そしてサポーターが、渾身の力をぶつけ合った90分。ロースコアなのに目が離せない、内容の濃いものだった。これぞ、直接対決。
立ち上がりからペースを握ったのは、風下の湘南。石原直樹がドリブル後に右に送り、菊池大介からパスを受けた原竜太の前半2分のミドルがファーストシュート。このあとも相手のくさびパスに対してサンドを徹底、ボールへの素早く厳しいアプローチで守備からリズムをつくると、スピードと運動量をベースとした球離れの早いパスワークで攻め立てた。前半17分には、中盤で奪ったボールが右サイドバックの臼井幸平へ。マッチアップする石川竜也をフェイントで抜き去ると、ゴール前に低いボールを蹴り込んだ。その臼井がフリーキックのボールをブロックした際に足を痛め、前半23分という早い時間で山口貴弘との交代を余儀なくされたが、その後も加藤望から石原直樹へ、田村雄三から菊池大介へ、山形ディフェンスラインの背後を突くパスからシュート、あるいはシュート一歩手前まで運んだ。出場停止の田村、坂本紘司、怪我の鈴木伸貴の3人が3試合ぶりに復帰した湘南は、間違いなく蘇生し、勝点6差の2位・山形をとらえる気迫に満ちていた。
これに対し山形も、ゴールを割らせないという最後の砦は守りながら、リスタートを中心に少しずつチャンスを増やしていく。前半7分のコーナーキックには園田拓也の折り返しに石井秀典が、21分のフリーキックでは壁に当たったこぼれ球を馬場憂太がそれぞれシュート。27分にも、右コーナーキックからレオナルドがファーサイドでヘディングシュートを放つが、わずかに左にそれた。そして迎えた最大のチャンスは、前半35分。馬場が左スペースへ送ったボールに長谷川が追いつき、山口を振りきってマイナスのグラウンダーを差し込む。ゴール前中央では豊田が絶妙のターンで斉藤俊秀をかわし、フリーでシュートを放ったが、ボールはクロスバーに跳ね返された。攻守にわたり特長を出し合う好勝負の決着は、0−0のまま後半へ持ち越される。
後半も互いにシュートチャンスをつくりながら一進一退の攻防が続いたが、次第にオープンなゲームへと進むにつれ、勢いを増したのは湘南。石原が相手を1人引きつけながらボールを受けにサイドへ流れると、広くなった中央では原がギャップを突いてクロスに飛び込むなど、2トップの絶妙な連携が光った。
後半20分には、山口のクロスに飛び込んだ菊池のヘディングシュートがバーを直撃。26分には、ジャーンが左スペースへ送ったロングフィードを石原がマイナスに折り返し、加藤がシュート。29分にもレオナルドのボールをさらった石原が原とのワンツー後に右へパスを送り菊池のシュートを引き出した。
喉から手が出るほど欲しいこの時間帯のゴールは、すぐそこにあるように思われた。ここで菅野監督は、6試合ぶりの復帰となるトゥットを原に代えて送り込み、101分で3得点を挙げている驚異の決定力に望みを懸ける。後半38分には馬場からボールを奪った田村がショートカウンター。スルーパスに坂本が抜け出しシュートを放ったが、間一髪、戻った石川が足を伸ばしボールの軌道は枠の外へと変わる。40分にもカウンターからトゥットが左からシュートし、こぼれ球を石原が狙い飛び込むなど、湘南優位は変わらないままロスタイムに突入。石川の直接フリーキックがGK金永基に吸い込まれると、90分間緊迫した試合の結末はドローかと思われた。勝点でリードする山形はそれでも御の字だったが、誰も知り得なかった劇的なシナリオがこのあとに用意されていた。
立て役者は、交代で後半からピッチに入った宮崎光平と渡辺匠。「サイドを破るとセンターバックがスライドしてこないので、カットインして中に入るとチャンスになる」と小林監督が2人に授けた、サイドを破るトレーニングが奏功する。左サイドの高い位置で起点をつくる宮崎を渡辺が追い越し、ゴールライン手前からマイナスのグラウンダーを入れる。これはシュートに結びつけることはできなかったが、クリアされたボールを拾い、再び左へ展開すると、パスを受けた渡辺が中へスライドしながら右足を振り抜く。バーに跳ね返されたボールはGK金の伸び上がった背中を伝い、マウスに吸い込まれた。
何が勝敗を分けるのか。何が運命を左右するのか。その「何か」は、誰にも見えない、小さな小さなものだったりもする。かくして、残り4試合を残した段階で、両チームの勝点差は6から9へと開き、湘南は順位こそ4位と変わらないもののさらに厳しい立場に立たされた。それでも、「可能性が感じられる試合ができました。もちろん、そんな悠長なことは言っていられないですけど、それまでの3試合と比べたら、こういう戦いを糧にこれから向かっていけばという自信みたいなものは感覚として残っていると思う」(斉藤)との手ごたえとともに、チームの誇りとわずかな望みを懸ける。
湘南を退けたことで、J1昇格へ向け、さらに大きな一歩を踏み出した山形だが、同時刻に行われたもうひとつの直接対決では、3位・仙台が勝利し、勝点3差のまま追っている。記者会見の席上、小林監督は「まだまだ続くんだなあ」と正直な心境を漏らしたが、最終盤まで仙台とのマッチレースが続く可能性は高い。昇格レースの醍醐味をもう少し長く楽しめることに感謝しながら、「Remember 2001」。負の歴史を、今こそ財産に。
以上
2008.10.27 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第41節 山形 vs 湘南】レポート:後半ロスタイムの劇的な幕切れ!2位・山形が湘南を下し、昇格争いで大きな一歩を踏み出す。(08.10.26)
- 開幕招待
- 国立招待
- J.LEAGUE ALL-STAR DAZN CUP
- 熱き一枚を手に入れろ
- ベイブレードコラボ
- 明治安田のJ活
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ フライデーナイトJリーグ
- 2025 移籍情報
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- NEXT GENERATION MATCH 2026
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE















