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【ヤマザキナビスコカップ:決勝 大分 vs 清水】清水レポート:力を出し切れないまま完敗した清水。この悔しさを成長の糧にできるか。(08.11.01)

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11月1日(土) 2008 ヤマザキナビスコカップ 決勝
大分 2 - 0 清水 (13:39/国立/44,723人)
得点者:68' 高松大樹(大分)、89' ウェズレイ(大分)
★FINALを振り返ろう!J’s GOAL ヤマザキナビスコカップ特集
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 こんなはずじゃない、清水のサッカーはこんなものじゃない、と思い続けているうちに、時間だけがいつもよりも速いテンポで進んでいく。そして、そのモヤモヤが最後まで消えないまま、アディショナルタイムに追加点を奪われ、試合は終わった。
 ただ、結果としては完敗だったと認めざるをえない。大分の選手たちが伸び伸びといつも以上のプレーをしたのに対して、清水のほうはそれができず、むしろ硬さのほうが目立ってしまった。
 清水が先制点を奪えていれば、また結果は変わったかもしれないが、ここ数試合でやれていた「いつも通り」のことができなかったのは、大きな敗因のひとつであり、悔しさをより強くさせる要因となった。

 どうしても勝ちたい決勝戦ということで、立ち上がりに多少硬さが出るのは仕方ない部分。そのため「最初はどんどんボールに激しく行くことと、あとは裏を狙うことは意識していた」(山本真希)という言葉通り、パスワークのリズムが出てこないうちは、リスクを避けてロングボールが少し多くなるのは、いつものゲームと同じ。問題は、その後なかなか自分たちのリズムが出てこないことだった。

 もちろん、大分のボールに対する寄せが早く、プレッシャーが厳しかったという要素もある。だが、それは試合前から分かっていたことであり、それでも1タッチ2タッチで速くパスを回し、大分のマークをズレを誘発させるという狙いだった。しかし、足にボールがついていないような場面も目立ち、大分を翻弄するようなパス回しがほとんどできなかったのは、大きな誤算だった。

 そのため、原一樹、岡崎慎司、枝村匠馬という前線の好調な3人も生かすことができない。落ち着いてボールをポゼッションすることができていなかったため、DFラインを十分に押し上げることができず、前線に縦パスが通っても、中盤との距離が遠いケースが多く、すぐに囲まれてボールを奪われてしまった。カウンターならまだしも、大分の守備が整っている状況では、さすがに3人だけでは崩すことはむずかしい。

 攻撃のリズムが出てこない中でも守備の破綻はなかったが、前半から大分の攻撃のキーとなった右サイド、つまり清水の左サイドから縦に割られる場面は何度か作られていた。そして19分の右CKでは、中央で高松大樹に綺麗に合わせられたが、ここはGK山本海人が2度に渡るビッグセーブでピンチを防ぐ。
 逆に清水も、26分の右CKのこぼれ球から高木和道が決定的なシュートを放つが、わずかに左に外れてしまう。お互いにセットプレーからひとつずつ決定機を作ったが、前半は最後まで清水のリズムが思うように上がってこなかった。
 「勝ちたい、勝たなければいけないという気持ちが、逆に選手たちのプレッシャーになって、自分たちから思い切って仕掛けるということが、なかなかできなかったのかもしれない」(長谷川監督)。前半の清水の選手たちは、重たい鎧をまとってプレーしているようにも見えた。

 後半に入ると、立ち上がりから清水が攻勢に出て、押し込む場面を何度か作った。だが、それも長続きはしない。硬さはだいぶとれていたが、試合の流れをつかむには至らなかった。そこで主導権を渡さないだけの高いクオリティを、大分が見せていたことも間違いない。
 こうなると、あとは我慢比べ。清水も先に1点取れれば断然有利になるし、0-0からのPK戦でも勝てさえすれば良かった。その中で、長谷川監督は攻撃を活性化させる切り札として、市川大祐を投入するタイミングを計っていた。
 しかし、長谷川監督が動く直前の23分、サイドチェンジから右サイドを崩され、金崎夢生の右クロスから高松にヘディングで先制点を決められてしまう。ここで耐えきれなかったことが、第2の誤算だった。

 その後、26分に市川とマルコス・パウロを同時投入するが、すでに大分は守りをがっちりと固め、攻撃はカウンターのみという体勢を整えている。ポゼッションは高くなったが、アタッキングサードにスペースはなく、ボールを回しても大分の守備に綻びを生じさせることができない。やむなくアーリークロスを入れても、ゴール前でことごとく跳ね返されてしまった。
 それでも清水は最後まで攻めの姿勢を見せるが、突破口は見出せないまま時間だけが過ぎ、アディショナルタイムに入ったところで、ミスからウェズレイに決定的な2点目を決められてしまう。その後の必死のパワープレーも実らず、終わってみれば後半のシュートはわずか2本。大分に完全に守りきられた90分間だった。

 「(自分たちが)力を出し切れず、うまく抑え込まれてしまった」(兵働昭弘)。力を出し切った末での敗戦と、力を出し切れなかった敗戦では、やはり後者のほうが悔しさは強い。選手もサポーターも、2度と同じ思いはしたくないだろう。
 現役時代の長谷川監督も、ナビスコカップで初タイトルをつかむまでに決勝戦で2度敗れている。「私自身がそういうサッカー人生を歩んできたので、ここで負けて、逃げるつもりも、弱気になるつもりもまったくない。だから、みんなもこの悔しさに立ち向かってもらいたい」と指揮官は選手たちに伝えた。
 今年はまだ天皇杯がある。そこで「もっとやれたはず」と悔やむことがないように、自分たちの全てを出して勝ち続けるしかない。

以上

2008.11.01 Reported by 前島芳雄
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