11月2日(日) 第88回天皇杯4回戦
鹿島 2 - 2(PK 3 - 0)国士舘 (13:04/カシマ/5,286人)
得点者:39' 高橋 大(国士舘)、43' ダニーロ(鹿島)、59' 天野 恒太(国士舘)、74' マルキーニョス(鹿島)
----------
試合後、鹿島アントラーズのゴール裏からは対戦相手である国士舘大学へ大きな拍手とエールが送られた。大健闘を讃えられた国士舘大の選手たちは鹿島のゴール裏の前まで赴き深々と頭を下げ、それに応えた。PK戦で力尽きたもののJ1リーグの首位を相手に真っ向勝負を挑み、2度までもリードを奪うすばらしい戦いぶりだった。
「リトリートしてリアクションというか、速攻をかけるのが定石」
対戦相手はJリーグのチャンピオンチームで、天皇杯の前回覇者。今季も目下首位をキープする強豪チーム。大学生というまったく違うカテゴリーに属す国士舘大が、鹿島を相手にどのような戦い方で挑もうと考えていたのか。試合後の会見で、そのことを問われた国士舘大の細田三二監督は、上記のように前置きした。しかし、それは国士舘大のサッカーではない。「やられるかもしれないけど、やられる相手としてはチャンピオンチームだから、逆にどこまでいままでやってきたことが通用するか」という強い気持ちを持ち、公言通りに『高いポジションを取って相手の前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪ったらシンプルに攻める』サッカーで勝負を挑んだ。
迎え撃つ鹿島は足首など数か所で痛みが出ていた興梠慎三が先発出場。F東京戦の後半直後と同じ布陣という、現状でのベストメンバーを揃えた。だが、状況は国士舘大とは対照的。1週間前のF東京戦では突如として自分たちのサッカーを見失い、相手に合わせたサッカーでねじ伏せられてしまった。格下である大学生を相手に、自分たちのサッカーを取り戻すことができるかどうかが重要なテーマだった。
試合が始まると両チームの現状が如実にあらわれる。ラインを高く保ち、前線ではFWの武岡優斗、高橋大が激しくチェイシングしてペースを掴もうとする国士舘大に対し、鹿島はペースを掴めない。全体的に動きが重くボールの収まり所がなく、ボールを持った個人個人で状況の打破を測ろうとする場面が多くなる。チームとしての連動性を感じる動きはなかなか生まれなかった。
最初のチャンスは国士舘大。17分に柏好文が右サイドをドリブルで駆けあがりセンタリング。マイナス気味のパスはゴール前に詰めた武岡にはうまく合わなかったものの、後ろから走り込んだ大竹隆人の前に転がりシュート。曽ヶ端準が抜群の飛び出しでこれをセーブしたが、鹿島は肝を冷やした。その後、試合を支配することはなかったが興梠の個人技でチャンスを作り出し、鹿島が国士舘大のゴールへ迫るようになる。19分、左サイドにいた青木剛から逆サイドの興梠へ大きなサイドチェンジが通る。胸トラップした興梠がゴール前にいたダニーロへ浮き球のパスを出すとダニーロがボレーシュート。シュートはバーを直撃して跳ね返った。33分にも左サイドのゴールライン際を興梠が突破。ゴール前のマルシーニョにお膳立てもパスを送るが、フリーだったマルシーニョのインサイドキックはゴール右へと外れた。
鹿島はゴールに迫るシーンは作れるようになったものの、落ち着いた組み立てができないため試合を支配している感じはなく、ボールの奪われ方も悪かった。その流れの悪さが失点につながってしまう。39分、行ったり来たりの展開のなか、間延びした中盤でボールを奪われると、高橋大に糸を引くような強烈なミドルシュートを叩き込まれてしまった。43分にすぐさまFKからダニーロのヘディングシュートで同点に追いついたものの、重苦しい雰囲気で後半を迎えた。
後半に入り、相手を突き放す追加点を奪ったのは再び国士舘大。59分、この日、右サイドで再三のドリブル突破を見せた柏がペナルティエリア内で岩政大樹のマークをかわし、中央へグラウンダーのセンタリング。逆サイドから走り込んだ左サイドバックの天野恒太が正確なミドルシュートを蹴りこみ2点目を奪った。追い込まれた鹿島は、野沢拓也、田代有三を投入して再度攻勢に出る。74分にマルキーニョスが自ら得たPKを決め、なんとか同点に追いつくも後半終了間際までチャンスをつくったのは国士舘大の方が多かった。後半だけのシュート数を見ると鹿島の4本に対し、国士舘大は7本。
しかし、ここまで互角以上の戦いをしていた大学生たちも、さすがに足が止まってしまった。延長戦に入ってから放ったシュートはわずかに1本。PK戦を戦い抜く体力は残っていなかった。曽ヶ端が3本のPKをすべて止め、PK戦は3−0で鹿島が辛くも勝利を収めた。
「最後まで戦った選手にPK戦で勝たせてやりたかったんですけど、この辺が限度だったんでしょうか。いろんな意味で、精神的にも肉体的にも限界だったんじゃないかなと思います。いずれにしても、Jリーグのチャンピオンを相手にしてここまで戦い切れた選手たちに感謝したいと思います」
試合後、国士舘大の細田監督は、鹿島をあと一歩まで追いつめた選手たちを讃えた。90分の戦いでは、鹿島よりも遥かに運動量が多く、チームとしてまとまった戦いを見せていた。特に最終ラインはひとりも180cm以上の選手がおらず、体格的にも不利ななか、マルキーニョスや興梠を抑え、セットプレーでの失点も最小限に食い止めた。2得点はいずれも美しいゴールで、国士舘大のサッカーを強烈に印象づける試合をしたと言えるだろう。
「守備から入りたいところで、相手がクリアしてくるので前から行けずにいる。後ろから組み立てる部分で、(小笠原)満男さんがいなくなってから露呈した」
岩政大樹は苦戦の原因を次のように説明した。小笠原満男が離脱してから、わずか1試合で奇跡的な連動性を手に入れた鹿島の生命線は、FWを含めた前線からの守備。撃ち合いに付き合ってしまったF東京戦の敗因は、攻め急いだことで前線からの守備が機能しなかったことだったが、この試合でも原因は違うが同じように前からの守備が機能しなかった。
さらに鹿島本来の攻撃の特徴はサイドアタック。それも機能したとは言い難い。
「こういう相手だと真ん中から行けるという勘違いがある。それに気がつくのが遅かった。自分たちで打開したいという気持ちはあるんだろうけど、チームの決まりがある」
チーム全体が連動して攻撃できていない現状があることを、中後雅喜は吐露した。
鹿島にとって、大学生が相手ということで、どうしても受けて立つ立場になってしまう難しさがそのまま表れた試合だった。かし、天皇杯のタイトルだけでなくリーグ戦のタイトルも佳境を迎えている。いま一度、チームが一つになり、攻守に高い連動性を持ったサッカーを取り戻してほしい。
以上
2008.11.02 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
一覧へ【第88回天皇杯4回戦 鹿島 vs 国士舘】レポート:番狂わせまであと一歩! 国士舘大がJ1首位の鹿島を相手にPK戦までもつれる大接戦を演じる(08.11.02)
- 開幕招待
- 国立招待
- J.LEAGUE ALL-STAR DAZN CUP
- 熱き一枚を手に入れろ
- ベイブレードコラボ
- 明治安田のJ活
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ フライデーナイトJリーグ
- 2025 移籍情報
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- NEXT GENERATION MATCH 2026
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
















