今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【第88回天皇杯4回戦 広島 vs 東京V】レポート:J2王者広島、内容でJ1クラブを圧倒。ディエゴ退場で守備を固める東京Vを、89分にこじ開ける(08.11.02)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月2日(日) 第88回天皇杯4回戦
広島 1 - 0 東京V (13:00/西が丘/5,411人)
得点者:89' 高柳一誠(広島)

----------

 前半のアディショナルタイムが3分。やや長いな、と感じた。
 44分、広島の左サイド・服部公太と東京Vの右サイド・福田健介が交錯、両チームから担架が出たこともあり、家本政明主審は通常よりもやや長めのアディショナルタイムをとったのだろう。
 その表示が出た直後、事件は起こった。
 広島のリベロ・ストヤノフがボールを前に運ぼうとする。そこに、後ろから東京Vの大黒柱・ディエゴが迫り、足をひっかけて倒してしまった。
 倒されたことで怒りの仕草を見せるストヤノフ。すると、その怒りに反応したディエゴは、ストヤノフを突き飛ばしてしまった。乱暴行為で、一発レッドカード。ディエゴはスタスタと、ピッチを去った。

 もっともこの退場は、広島にとってもあまり歓迎されるものではなかった。
 確かにディエゴは怖い。前半45分間はほぼ完璧に抑え込んではいたが、89分間は消えていても残り1分で仕事をするのが、エースのクオリティ。広島がほとんどの時間帯でボールを支配しているような状況だからこそ、ディエゴを起点とするカウンターの一発が怖かった。
 そのディエゴがいなくなったわけだから、怖さは半減する。だが一方で、エースの退場はそれまで迷いが見られた東京Vの闘い方を明確化した。

 前半の彼らは、広島のポゼッションの前に中盤も押し込まれ、ゴール近くで身体を張って何とか守っている状況だった。しかし、1人少なくなった後半は、完全に開き直った。1トップの平本一樹まで自陣に引き、ゴール前に人数を多く配置して守りを固め、広島のスペースを消した。そしてボールを奪うと、平本や交代出場の廣山望のスピードでカウンターを狙う。その意識で、全員が統一された。
 広島のパス回しに戸惑い、服部公太や槙野智章らの飛び出しに幻惑されていた前半と違い、後半の東京Vは確信を持ってブロックを築き上げ、広島のパスサッカーにも慌てない。カウンターからファウルを奪い、広島ゴール近くでのセットプレーも増えた。

 そして、東京Vのブロックをこじ開けられない広島を、アクシデントが襲う。久しぶりのJ1クラブとの闘いに前半から飛ばしすぎたせいなのか、槙野智章・青山敏弘・森崎浩司が次々と足をつらせ、ピッチを去った。槙野の飛び出し、青山・森崎浩のミドルシュートは、引いた相手に対しては効果的だけに、この交代は広島にとって、厳しかった。
 そこでペトロヴィッチ監督は、高萩洋次郎・高柳一誠・楽山孝志を次々投入。森崎和幸をボランチから最終ラインに下げ、高柳と李漢宰をボランチで組ませ、楽山を右サイドに配置した。広島のパスサッカーのキーマン・森崎和を後ろに下げたことで安定感が落ちるかと思われたが、ストヤノフと森崎和が交互に中盤にあがることで、広島は支配力を堅持。楽山がドリブルで仕掛けることで、広島の攻撃に幅が出てきた。

 89分、その楽山が右サイドで仕掛ける。「必ず、足が止まる」と彼が予想していたとおり、この時、東京Vの楽山へのアプローチは甘かった。その瞬間、ゴール前に飛び込んできたのが、高柳一誠である。
 楽山も高柳も、今季は苦しいシーズンを送ってきた。千葉から広島へと期限付き移籍したものの、存在感を見せられずにきた楽山。期待され、チャンスを何度も与えられながらそれを行かせず、1週間前の鳥栖戦では45分で交代を余儀なくされた高柳。
 結果が欲しい。そんな想いが楽山のクロスに込められた。
 ボランチの位置から、一気にゴール前に飛び込んだ高柳は、「そのボールを自分にくれ」と念じた。シュートしか、彼にはなかった。右足インサイドで蹴ったボールは、質の高い動きと強い想いが重なり、東京Vの堅陣をついにこじ開けた。

 既にリーグ戦2試合出場停止が決まっているディエゴに対して、さらに最低1試合の出場停止が加算されてしまった東京V。J1残留に向け、残り試合のほとんどをエース抜きで闘わねばならない。この打撃は、量り知れない。しかし、後ろを振り返る時間は、もう彼らにはないはずだ。
「厳しい。だけど、自分たちに自信を持ってやるだけだ」
 服部年宏の言葉は、東京Vサポーターの願いでもある。

 一方の広島は、今季のJ2を制した華麗なパスサッカーを満員の西が丘サッカー場で披露し、試合後の記者室では「広島の勝利は順当だ」という声が充満した。しかし、本当の広島サッカーを全て出し切ったわけではない。J1との試合を意識しすぎたのか、両ストッパーの攻撃参加はやや少なかったし、シュートを打てる場面でも慎重になりすぎた。
 柏木陽介は「まだまだ、できる」と、試合後に語った。その言葉を実証する舞台は、これから先も、用意されている。

以上


2008.11.03 Reported by 中野和也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2026/02/22(日) 00:00 ハイライト:琉球vs滋賀【明治安田J2・J3百年構想リーグ 地域リーグラウンド WEST-Bグループ 第3節】