11月9日(日) 2008 J2リーグ戦 第42節
岐阜 0 - 1 横浜FC (14:34/長良川/8,374人)
得点者:62' 山田卓也(横浜FC)
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今シーズン残り4節の段階で、11位の横浜FCと13位のFC岐阜の対戦。かたや1年でのJ1復帰を目論むものの失速、もう一方は第1クールの快進撃がありつつもJ2の壁にぶつかり、ともに不本意なシーズンを過ごしたと言って良い。しかし、このゲームは、そんな不本意なシーズンを乗り越え、試合終了の最後まで本来の力を出し合った締まったゲームとなった。
前半立ち上がり、ペースを握ったのはFC岐阜。天皇杯4回戦の名古屋戦でも見せた積極的な守備からの速攻で、チャンスを作り出す。天皇杯の経験をゲームに持ち込むことに最初に成功したのはFC岐阜のほうだった。横浜FCは、ボールを奪ってもうまく繋げず、再度FC岐阜に渡してしまう。しかし、松永英機監督が「前半立ち上がりのチャンス機に取れなかったことが、徐々にリズムを狂わせた」と振り返るように、最初の10分を横浜FCがしのぐと、徐々に横浜FCのポゼッションがはまりだす。「ここ数試合はボールを大事にすることがテーマだった」(小山健二)というように、根占真伍が広く動き、三浦知良、三浦淳宏の両ベテランのキープ力が活きると、試合は横浜FCペースとなる。FC岐阜もタメができる薮田にボールが入ると、サイドに起点をつくることができるが、チャンスの数では圧倒的に横浜FCが上。それでも、FC岐阜はポゼッションされても慌てず、決められた守備のタスクをこなしていく。普通であれば、守備に綻びを見せ始めるところでも、この日のFC岐阜は集中を切らさない。横浜FCが、何度かある決定機を外したこともあるが、冷静にポジションバランスを崩さない守備を続け、FC岐阜は前半を0-0で終えることに成功する。
後半も立ち上がりは、FC岐阜がゴールを狙う。特に右サイドをからのクロスを中心にチャンスを作りだす。しかし、このプレーでゴールが得られないと、再びゲームは膠着状態に陥る。横浜FCは「サイドの高い位置の活用」(都並敏史監督)、FC岐阜は「中盤の活性化と得点」(松永英機監督)を狙い、それぞれ57分と60分に選手交代を行う。そして、この選手交代を機に攻守の入れ替わりが激しくなったこの時間が勝負所となる。横浜FCが押し込み、そのクリアボールに体を張って競り合い、再び波状攻撃に繋げる執念が実る。
62分、左右に振られることで、FC岐阜のディフェンダーがゴール前を固めるだけになってしまい、右サイド吉田正樹からのクロスを難波宏明が大きく空いたバイタルエリアに落とすと、ボランチに入った山田卓也が鋭く振り抜きゴールを奪う。しかし、失点してもFC岐阜はあきらめない。74分には大友慧を投入し、ロングボールを織り交ぜながら、ゴールへの意思を見せる。さらに、岐阜FCが前線、中盤での激しいチェイシングを見せ、横浜FCにセーフティーなキープのプレーを許さない。決して、得点したことで横浜FCがスローダウンしたわけではなく、岐阜の執念が横浜FCのプレーを上回る時間を続ける。そして、激しい競り合いの結果もたらされた6分の長いロスタイムの間も、岐阜は何度もゴール前に迫り続けるが、最後は横浜FCの守備陣が最後まで集中を切らさず、タイムアップ。横浜FCが9月7日の徳島戦以来約2ヶ月ぶりの勝利を収めた。
FC岐阜にとっては、天皇杯の勢いを持ち込んで、できれば前後半の立ち上がりの攻撃をもう少し長い時間続けて、ゴールに結びつけたかったところだ。しかし、横浜FCのペースに巻き込まれながらも、自らの攻守のタスクを、慌てることなく続けることができたことは、J2初年度の経験が身になっていることの証明と言える。その手応えは、記者会見での「6連敗のどん底からの立ち上がってきた」という松永監督の言葉にも表れている。残りの2試合でも、同じレベルのプレーを継続し、来シーズンへの最低限の基盤としたい。
横浜FCにとっては、約2ヶ月ぶりの勝利という結果だけでなく、天皇杯の新潟戦の後半に引き続き、ポゼッションをベースとしたサッカーに対して自信を持ち始められるようになっていくことは大変に大きい。そして、久々の起用で魂のこもったプレーを見せた戸川だけでなく、全員が球際で全力を出すことで掴んだ勝利。ここまで勝ちきれないことが多かったが、勝点3に至るために必要な厳しさを出すことができた。
この試合だけを見れば、勝敗を分けたのは勝負所でのプレーの差。しかし、シーズンを通した場合、自らのサッカーをコンスタントに表現することが勝点や順位の差となる。この試合にたどり着くまでの苦労を無にしないためにも、今シーズンの残り試合のそれぞれ180分、270分が大事になる。
以上
2008.11.09 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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