11月15日（土）第88回天皇杯5回戦 浦和 vs 横浜FM（13:00KICK OFF/丸亀）
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　香川県・丸亀で強豪同士が早くも顔を合わす。ところが浦和レッズは、４人の代表組がＷ杯予選のためチームを離れる。また、細貝萌が天皇杯・愛媛ＦＣ戦で退場処分を受け出場停止に。
　対する横浜Ｆ・マリノスは、右足肉離れの中澤佑二が離脱し、右かかと痛の山瀬功治もリハビリ中と、こちらもベストメンバーでは臨めない。しかし、それ以外にもタレントが多い両チームだけに好ゲームが期待される。
　
　リーグ戦第31節のコンサドーレ札幌戦(２対１)で、浦和はシステムを４-３-３へと変更した。主力を大幅に欠く今回、再び攻撃的な３トップを敷くのかが気になるところ。ただ、４-３-３の場合、田中マルクス闘莉王の不在がネックになりそうだ。札幌戦でボランチに入った闘莉王は、攻守の要として効いていた。特に攻撃面では、流れの中からゴール前に飛び込み、相手の脅威となっている。そして、エジミウソンの決勝点をアシストしたのも彼だ。そんな新システムの『心臓』をＷ杯予選で欠く。
　だが、安易に元のシステムに戻したくはないだろう。札幌戦では、前線に両翼がいることで、パスの選択肢が増えた司令塔・ポンテが輝きを放った。また、両サイドバックの相馬崇人と平川忠亮の守備の負担が軽減されるという利点もある。まずはゲルト エンゲルス監督が選ぶシステムに着目したい。

　一方の横浜FMは、第31節の京都サンガF.C.戦(１対３)で中澤が負傷交代した後、ボランチの松田直樹が３バックの中央に入ったが、２点を許した。しかし、それは大黒柱の中澤がいれば防げたとも言いがたい。横浜FMはそれまで公式戦で８試合無敗を続け、残留争いからも一歩抜け出していた。そのためなのか、「気が緩んでいると思われても仕方がない」(榎本哲也)ゲームを演じてしまい、攻守両面において精彩を欠いている。
　それでも試合後には「(京都戦を)いい薬にしたい」「天皇杯は絶対獲りたい」と、選手たちは気持ちを新たにしていた。今回も松田がDFを統率するものと考えられる。彼の両脇を固める栗原勇蔵、田中裕介との３バックは、集中力さえ保てれば大崩れはしない実力を持つ。しかも相手が強豪・浦和となれば、選手たちは俄然、燃えるはず。８試合連続無敗の原動力となった強固な守備が蘇るに違いない。

　守備こそ堅いが、今季は得点力不足に悩んでいる両チーム。勝敗の分かれ目は先制点をどちらが奪うかになりそうだ。Ｊ１開幕戦で対戦した際も、横浜FMが１対０で浦和に辛勝しており、今回も１点を争う攻防が予想される。
　浦和でその鍵を握るのはポンテ。札幌戦では先制点に繋がるシュートを放つなど、調子を上げている。同じく札幌戦で途中出場した永井雄一郎も注目。今季の不遇で溜まったうっ憤を晴らそうと、札幌戦でも観衆を沸かせた得意のドリブル突破から一発を狙うだろう。
　横浜FMはカウンターで勝負したい。札幌戦で浦和DF陣は失点シーンを含め、相手のタテパス一本の速攻から数的有利な状況を作られ、慌てる場面が目に付いた。それを踏まえると、河合竜二や狩野健太のロングフィードのパスで相手の急所を突くことが、得点への近道になるかもしれない。

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2008.11.14 Reported by 小林智明（インサイド）